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言わずと知れたエヴリシング・バット・ザ・ガールの男性の方(笑)。今やすっかりドラムンベース化したEBTGだが、ベン・ワットがネオアコ総本山レーベル<チェリー・レッド>からソロ名義でデビューしたときは、ボサ・ノヴァ・フィーリングたっぷりの叙情アコースティック・サウンドを披露していた。時は83年。相棒のトレイシー・ソーンも当時はボサに接近したサウンドを標榜していたし、当時のUKインディーズ・シーンではボサやジャズがギター・ポップと一体となって最も輝いていたのであった。
そして肝心のアルバム『ノース・マリン・ドライヴ』(←タイトル秀逸)だが、あまりの甘酸っぱさと脆弱なまでのイノセンスに今聴き返してもひりひりする思いだ。ギターやピアノにかけられた水彩画のようなエコー、朴訥だけれども突出した歌ごころ……。思春期の終盤にしか作りえない「どうしようもなく埋められない何か」が、作品のそこかしこにちりばめられている。UKギターポップの最高峰、これを聴かずして何を聴く! と大仰に宣言しておきましょう。ちなみにゲストのロバート・ワイアットもいぶし銀の仕事ぶりでたまらなくカッコいい。

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