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アルチュール・アッシュの音楽には、匂い立つような色気とパリのなかでも最も猥雑なピガール(東京でいうところの歌舞伎町のような街)の妖しく雑多な空気がたっぷり。人いきれと紫煙でむせ返るような老舗のキャバレーに似合う、粋なシャンソン/ビッグバンド・サウンド/ブルース/ポエトリー・リーディング……。「フランス版トム・ウェイツ」「セルジュ・ゲーンズブールの真の後継者」「ボリス・ヴィアンの再来」などなど、彼にまつわるコピーはいろいろだが、しわがれ声と人生の機微を込めたつぶやきにはなるほど共通するところがある。つまりは、「お洒落でキュートなフレンチ・ポップ」といったものの対極にある音楽というわけだ(なんでも現地のお嬢さん方は「セクシー過ぎて親の前では聴けないわね」と言っているとかいないとか……)。
実際にキャバレーの舞台で磨き上げたライヴ・パフォーマンスは、年を重ねるごとにますますオルタナティヴに斬新になっており、来日も頻繁。一見ジャズ・バンドなバンド編成も、曲によってはアフリカのドラミング(素手)やテルミンを導入するなど冒険も尽きない。またシャンソンの伝統に斬新な時代感覚を吹き込む手法は、父・ジャック・イジュランから脈々と受け継がれているものといっていいだろう。
日本のオリジナル・ラヴ、ネーネーズ、カヒミ・カリィ(←しかも美空ひばりのカヴァー)らとコラボレイト経験あり。

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