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次から次へとバンドを渡り歩くメタル界の一匹狼、グラハム・ボネット。メタルなのにトレード・マークはヤクザ映画ばりのスーツにオールバックだ。これは彼がレインボーをやめ、MSGからも脱退した直後の82年、ロスで結成したバンド。デビューに至るまで多少のメンバー・チェンジがあったが、最終的にギタリストとして加入したのが当時、ロン・キールらと共にSTEELERというバンドで活動していた弱冠19歳のイングヴェイ・マルムスティーンだった。
イングヴェイ=テクニカルな速弾きというイメージがあり、実際そうでもあるのだが、彼が全ての楽曲を手がけ83年にリリースされた1stアルバムを聴けば、そのメロディ・メイカーとしての才能や楽曲の構成力などが、当時の年齢を考えても人並みはずれたものだったことがよくわかる。アルカトラス以降はソロ・プロジェクトなどでハード・ロック然とした様式美をもつドラマチックな音世界を展開していくが、ここでは、ポップ感を擁したものから、かなりヘヴィ・メタル寄りのアプローチのものまで幅広いサウンドを組み立てている。しかし彼は84年の日本公演を収録したライヴ盤を最後に脱退。後任にスティーヴ・ヴァイが加入したが、彼がザッパ譲りのアヴァンギャルドな異才を発揮したことからバンドのサウンドは大きく変化。その後、ヴァイに代わってアリス・クーパーとの仕事で知られるダニー・ジョンソンが加入するなど、一所に居たら居たで今度はメンバー・チェンジが激しいグラハムだが、後にシーンを代表するギタリストへと成長する2人の若手に目をつけたあたり、その審美眼は結構、確かだったと言える。

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