Adrenalin O.D.の記事・ニュース・画像一覧

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アメリカ東海岸のハードコア/パンクとしては、初めての"ファン・アティテュード"全開のバンドだろう。80年代初頭に、アメリカのニュージャージー州で結成。アドレナリンO.D.は、郊外に住むガキどもの退屈な気分をファニーな歌詞とひっくるめて吐き出すバンドだった。
初めての音源発表は、82年に出たコンピレーション・カセット(後にCD化)の『New York Thrash』において。地理的に近いゆえよくニューヨークでもライヴをやっていたから、アドレナリンO.D.も収録されたのだろうが、それはイースト・コーストのハードコア/パンク・バンドを集めたものだ。そういう作品は珍しかったので貴重であり、しかもアドレナリンO.D.のスピード感は群を抜いていた。そしてEPなどに続き、84年に初のアルバム『The Wacky Hi-Jinks Of Adrenalin O.D.』をリリースした。速い、粗い、軽い、という、当時のアメリカのイースト・コースト・ハードコアの三拍子が揃った傑作である。ヌケたところも御愛嬌であり、実はいろんな音楽や馬鹿アイデアも入ってるのだ。
さて、以降のアルバム(LP)はイギリスでも<ROUGH JUSTICE>から発売されたのだが、演奏力の向上に伴い、サウンドの方は変わっていく。しかし86年の2ndの『Humungousfungusamongus』はともかく、3rdの『Cruising With Elvis In Bigfoot's U.F.O.』あたりになると、意気のよさは後退。悪い意味でのハード・ロック/ロックンロールっぽさが出てくるようになった。もともとデッド・ボーイズなども好きだったとはいえ……。
なお初期のギターのジム・フォスターは、後にエレクトリック・フランケンシュタインのメンバーとなる。 (行川和彦)

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