Abdullah Ibrahimの記事一覧

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デューク・エリントンの絶賛を浴び、周囲の注目を集めたアブドゥーラ・イブラヒム。かつてはダラー・ブランドという名前で知られていた南アフリカ生まれのイブラヒムは、63年にチューリッヒでエリントンにより発掘された。
彼が生まれ育った街、ケープタウンでは民族色の強い宗教音楽がアメリカのゴスペルやジャズと並んで日常的に演奏されていた。そしてエリントンの音楽は、そういった音楽ルーツをもつ若き日のイブラヒムに強烈な印象を残し、大きな影響を与えたのだ。デュークやセロニアス・モンクなどと同様、彼の音楽は一見単純に見える作品でも非常に複雑な構成になっている。
また、60年代後半にはニューヨークに移住し、さらに最先端を行くジャズの革命児たちと交流を続けた。68年にはイスラム教に改宗したが、その影響もただちに音楽に反映されたといえる。それ以来、彼が率いる小編成、あるいは大編成のグループにおけるアフリカ文化の色彩は非常に濃くなり、ジャズ、そしてアフリカ音楽の世界においては独特の位置を占めるようになった。また、アパルトヘイトの終焉と共にイブラヒムは自由に北米、ヨーロッパ、そして南アフリカを行き来できるようになったが、もともと彼自身の音楽はそのような国境に縛られたことは一度としてなかったのだ。

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