『ルパンの娘』円城寺役でも話題 大貫勇輔に聞く、音楽の楽しみ方と歌への情熱

大貫勇輔に聞く、音楽の楽しみ方

 音楽、映画、テック、ブックの4カテゴリのサイトを展開する総合カルチャーサイト・リアルサウンド。連載企画「One of Recommend」では、各分野で活躍する著名人に今オススメの音楽、映画、ゲーム、本などについて紹介してもらう。今回は、10月15日公開の映画『劇場版 ルパンの娘』に円城寺輝役で出演する俳優・大貫勇輔に「音楽」についてインタビュー。オススメの音楽の話題以外にも、ダンサー、ミュージカル俳優、声優など様々な表現に挑戦する大貫の表現者としてのスタンスなど聞くことができた。(編集部)【インタビュー最後にプレゼント情報あり】

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『ルパンの娘』円城寺役でも話題 大貫勇輔に聞く、オススメの音楽【One of Recommend】

踊りで言葉にならないものを発散したからこそ今の僕がある

ーー世界的なダンサーとしても活躍している大貫さんですが、ダンスとの出会い、始めたきっかけを教えてください。

大貫:母親がダンスの先生でダンススタジオを経営していて、そこで7歳の時に始めたのがきっかけですね。ジャズダンス、モダンバレエからスタートして、小学校4~5年生ぐらいの時に『RAVE2001』というダンス番組でストリートダンスを知って少しずつ真似をしだして。中学に入ってからはストリートダンスを習い始めて、高校まではダンスバトルに出るくらいガッツリ打ち込んでいました。その後、高校の途中でコンテンポラリーダンスに出会って、19歳の時にクラシックバレエ、25~6歳でタップダンス……という感じです。

 でも、妊娠中も母が舞台に立っていたのでダンスとの本当の出会いはお腹の中にいる時なのかな。胎児3カ月が僕のデビューですね(笑)。18~9歳くらいの時にその作品を母と一緒に踊るという思い出深いこともありました。僕としてはDNAの中にダンスがずっとあった人生なのかなと思います。ちゃんと始めたのは7歳なんですけど、生まれる前から踊っていたような感覚というか、切っても切り離せないようなライフスタイルの一つというような感じです。

ーー様々なダンスジャンルを網羅していて、きっかけをお聞きしてもなるべくしてなったという感じもしますが、ご自身でダンスに惹かれた部分もあったのでしょうか?

大貫:もちろんありますよ。小学校の頃は一瞬辞めたくなったり、もっと遊びたいという時期もあって、その時は簡単に辞めさせてくれなかったという理由で続けたんですけど、その後もなぜダンスを続けてきたのかというと、自分の中で言葉にならない感覚みたいなものをダンスで解消できたということがすごくたくさんあったんです。踊りで言葉にならないものを発散したからこそ今の僕があるというか。ダンスに救われたじゃないですけど、それが僕のダンスを続けている根源的な理由なのかなと。生きていると言葉にできることばかりではないじゃないですか。ダンスがあるおかげで、そういうものから解放されているのかなと思いますね。

ーー音楽を聴き始めたきっかけもダンスだったんですか?

大貫:母がダンスの振付をする時やレッスンで音楽をしょっちゅうかけていたのですが、なかでも僕にとってはマイケル・ジャクソンが大きな影響の一つですね。映像を見たり、それこそ来日ライブも行きました。小さい時はものまねもやっていましたし、ダンスや音楽に自分からハマったのはマイケル・ジャクソンがきっかけかもしれないですね。いつ聴いてもアガるのは「Billie Jean」。あの前奏が鳴った瞬間にいつでもハイテンションになれます(笑)。「Bad」や「Thriller」も好きですし、いい曲がたくさんありすぎますね。

その時々で変化する聴きたい音楽 その中でもお気に入りはサム・スミス

大貫勇輔

ーーでは今の大貫さんが聴いている音楽を教えてください。

大貫:これもいっぱいあるんですけど、気づけばよく聴いているのはサム・スミス。物悲しいメロディとリリック、そういう要素があるとつい踊りたくなるんです。英語が全てわかるわけではないので、感覚で聴いて踊った後に歌詞の意味を調べると、その感覚どおりだった、ということがあったりして。リンクするところもあってすごく好きです。

ーー普段は新しい音楽を探して聴くこともあるのでしょうか。

大貫:結構ありますね。普段音楽を聴く時は自分の好きなものを聴くよりもシャッフルやプレイリストで聴いて、気になった曲をメモするようにしています。それを自分でプレイリストにして後々チェックする。だからジャンルレスで聴きますし、本当に分け隔てなくいろいろな音楽が好きですね。

ーー好きになる曲の系統や特徴はありますか?

大貫:ドライブをしている時は四つ打ちが聴きたくなるなとか、雨の日だったらちょっと静かなチルっぽい音楽が聴きたくなるなとか、シチュエーションで違うのかもしれないです。あとオルタナティブも結構好きで夜に聴くことが多いです。クラシックはある時期すごくハマって、朝必ずクラシックをかけて過ごしていたこともありましたね。舞台をやっている時もあれば、映像をやっている時もあり、ダンスをやっている時もある、といった形で仕事の内容が様々あって自分の中に色んなサイクルがあるので、その時の仕事や役によっても聴きたくなる音楽が変わるかもしれないです。そんな中でもサム・スミスは年間通して好きですね。

 逆に音楽を全然聴かない時もあるので時期によっても変わります。今は聴いている方かもしれません。そういえばこの間、Penthouseさんというチームの音楽をたまたま見つけて、メロディがぱっと耳に入って素敵だなと思ってチェックしたところです。

ーー大貫さんを語る上ではミュージカルでの活躍も欠かせないところですが、ミュージカルを始めたきっかけについても教えてください。

大貫:23歳の時に『ロミオ&ジュリエット』という舞台に出るまではどちらかというとミュージカル嫌いだったんですよ。それまではダンス至上主義のようなスタンスだったんですけど、歌で与えられる感動があるということを初めて知って、初めて歌で胸を鷲掴みにされました。自分も歌で表現ができるような表現者になりたいと思うことができた作品でした。

ーーそこからミュージカルの世界にのめりこんでいった?

大貫:そうですね。それまではダンスならなんでもある程度できてきたので苦労したことがなかったんです。そのなかで歌とお芝居でどうにもこうにもできないということが続いて。負けず嫌いなのでちょっとずつでもうまくなっていくことに手応えを感じましたし、あとは役を通して新しい自分に出会えることも面白いです。だからミュージカルを続けているんだと思います。一時期は芝居だったんですけれど、今は歌が一番面白いと言ってもいいかもしれないですね。

ーーご自身の中でのターニングポイントとなった作品、役は?

大貫:ミュージカルでは『メリー・ポピンズ』。何年もかけてオーディションで勝ち取ったメインキャストの役(バート役)だったので。来年再演もありますが、あの役は本当に大きなターニングポイントの一つですね。

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