山下智久が貫く想い 国内外から支持を集め続ける理由

山下智久
山下智久

 3月9日発売の男性ファッション誌『SENSE』4月号の表紙&カバーモデルに、山下智久が初登場した。ハイブランドをスマートに着こなし、筋張った男らしい手や、開いたパーカーの胸元にはブルガリの新作アクセサリーが映える。8ページにわたるグラビアで、クールかつセクシーな表情を見せた。

 同誌には、2ページにわたるインタビューも掲載されている。公式Instagramでは、日本語と英語でファンへのメッセージを綴っている山下だが、インタビューという形で言葉を届けるのは久しぶりのことだ。山下は昔から、自身について多くは語らないタイプ。よって、聞き手が存在するインタビューでこそ、新たに知ることができる情報も多い。今まさにファンが聞きたいこと、その答えがぎゅっと詰まった内容だった。

 「彼の言葉を聞けてよかった」。読了後、まずそう思った。山下の優しい声で再生されるような、“らしさ”を感じるナチュラルな回答。インタビュアーは冒頭で、山下に抱いていたイメージを率直に言葉にした。それはまさに、世間が山下に抱くイメージであり、山下の魅力的なギャップでもある。ここをあえて言葉にして投げかけることにより、輪郭から順に紐解くような感覚で、山下智久の内側に辿り着くことができた。山下の考え方や主軸は、なにひとつ変わっていない。ファン想いで一本気なままの山下だと、改めて実感することができた。

 国内外、歌手と俳優、さまざまなことを区別して考えないフラットな思考も山下らしい。海外志向ではなく、あくまで「海外“でも”活躍していきたい」と、夢を語る。その根底にある「ファンに喜んでもらいたい」という想いは、山下の過去の発言やInstagramでのメッセージとなんら矛盾しない。

 これまで、挑戦と飛躍のために、たびたび孤独に身を置いてきた山下。そうした経験から、折に触れてファンへの感謝を語ってきた。支えてくれるファンあってこその自分、ファンあってこその挑戦という謙虚な姿勢は、ずっと変わらない。語り口からは、ファンへの信頼も感じられた。

 山下の単独初主演ドラマ『クロサギ』(TBS系)での共演以降、交友が続いている山崎努の言葉も印象的だった。独特で芯をついた表現は、まさに大俳優ならではの金言。かつて山下が、尊敬のあまり山崎との会話をすべて録音し、何度も聞いていたというのも納得だ。山崎もまた『映画 クロサギ』の完成披露会見において、山下を“僕の隠し子”だと言うほど、かわいくてたまらない様子を見せていた。山下が引き寄せ、繋がり続けている出会いの数々からも、山下の人となりや愛される理由が分かる。

 海外文化との出会いや、意外な一面、これからの夢やファッションのこと……山下智久の“現在地”を知ることができる、等身大のインタビューだった。もっとも、数年後に同じことを問いかけたとしても、山下が見つめている場所、大切にしているものだけは、ずっと変わらないと思うが。

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