Kis-My-Ft2 玉森裕太、『ボス恋』で俳優として新境地へ 『リバース』『グランメゾン東京』などから確かめる演技面での成長

 近年、立て続けにヒット作を世に送り出しているTBS火曜夜10時枠。本日1月12日からは、ファッション雑誌編集部を舞台にしたオリジナル脚本作品『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』、通称“ボス恋”がスタート。Kis-My-Ft2による主題歌「Luv Bias」も、ドラマに彩りを添える。

 主人公・鈴木奈未を演じるのは、昨年同枠放送の『恋はつづくよどこまでも』で大ブレイクを果たした上白石萌音。“ボス”こと敏腕ドS上司・宝来麗子を演じる菜々緒には、早くも「ハマり役」の呼び声が高い。

[新火曜ドラマ]『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』仕事に恋に頑張るあなたへ贈る物語!!【TBS】

 本作は『恋つづ』スタッフが再集結した“お仕事&ラブコメディ”。胸キュン展開にも期待が高まる。予告段階で早々に視聴者をときめかせているのが、御曹司のカメラマン・潤之介を演じるKis-My-Ft2・玉森裕太だ。役に合わせた“子犬系”ビジュアルも好評で、ふわふわの前髪からのぞく丸い瞳に、思わず吸い込まれそうになる。

 TBS系列ドラマといえば、ジャニーズの諸先輩が数多くのヒット作に出演し、時代の流行を作ってきた。たとえば最高視聴率41.3%を記録した、木村拓哉主演『Beautiful Life ~ふたりでいた日々~』、世代を問わず今なお根強い人気を誇る、長瀬智也主演『池袋ウエストゲートパーク』、デビュー前のKinKi Kidsがダブル主演をつとめた『若葉のころ』など、書き出せばきりがない。

 そして玉森もまた、TBS系列ドラマとゆかりの深いひとりである。本稿では、俳優・玉森裕太の、TBS系列ドラマにおける歴史と成長を改めて振り返り、新作『ボス恋』へと期待を寄せる。

 玉森のTBSドラマデビュー作は、2011年7月期、Kis-My-Ft2のCDデビュー(8月10日)と同時期に放送された『美男(イケメン)ですね』。当時21歳の玉森は、天才ミュージシャン・桂木廉役をクールに、ときにコミカルに演じた。同作にはキスマイメンバーである藤ヶ谷太輔も主要キャストのひとりとして出演し、主題歌には彼らのデビュー曲「Everybody Go」が起用された。

 俺様体質でこじらせ気味、愛情表現に不器用な廉が、最終話で告げた「一度しか言わない」愛の言葉。ヒロインになりたい女性が続出したであろう、名シーンだ。

 以降、『最高の人生の終り方~エンディングプランナー~』(1・2話のみ出演)『ATARU』と話題作に出演。歌舞伎界の御曹司役を演じた『ぴんとこな』では、ゴールデンタイムでの単独主演を果たした。

 そして2017年、玉森は、俳優としてのターニングポイントともいえる作品に出会う。人気ミステリー作家・湊かなえ原作、ヒットメーカー・塚原あゆ子演出による『リバース』である。

 『リバース』は、TBSドラマにおいて初めて玉森から「ジャニーズ」「アイドル」の肩書きを取っ払った作品だ。それに応えるように本作から、芝居で見せる玉森の表情はガラリと変わった。

 玉森が演じたのは、主要キャストのひとりである高校教師・浅見康介。実年齢よりも5歳上の役どころだった。藤原竜也をはじめ、経験豊富な人気俳優がキャストに名を連ねた本作。童顔の「アイドル」が出演することに対し、予想通り前評判は厳しかった。しかしそれらの声を、玉森は芝居で跳ね返した。

 見事なまでにアイドルとしての華を消し去り、ごく自然に作品へと溶け込んだ玉森。憂いのある表情と佇まいで、視聴者を惹き込んだ。

Kis-My-Ft2
Kis-My-Ft2

 今年1月8日に放送された『A-Studio+』(TBS系)にて役作りについて問われた玉森は、本作における塚原との出会いを挙げ「衝撃だった」と語った。塚原からは、深く脚本(ホン)を読み込み、役のバックボーンを想像することを学んだという。

 『リバース』は、名実ともに俳優・玉森裕太をステップアップさせ、玉森自身の「俳優としての在り方」にも、影響を与えた作品であると言えよう。

 それから約2年後、玉森は再び塚原がメイン演出をつとめるTBSドラマに起用されることとなる。木村拓哉主演の日曜劇場『グランメゾン東京』だ。演者のラインナップを眺めるだけで目が眩むほど、豪華キャストが揃い踏みした本作。そこで玉森は、平古祥平という重要な役どころを任された。本作のキーであるエピソードにも関わる「大役」だ。

 過去の負い目やプライドとの葛藤、祥平の複雑な心情を丁寧に演じた玉森。感情を露わにするシーンでは、美しい涙が印象的だった。瞳いっぱいに、今にもこぼれ落ちそうな涙を溜めて食いしばる表情、思いの丈をぶつけ、くしゃくしゃの顔で泣きじゃくる姿……その表現力の高さは、観る者を圧倒した。まさに、心揺さぶる熱演だった。

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