今市隆二と登坂広臣が語る、ひとりでドームに立った経験 「これを糧にまた新たなことに挑戦していきたい」

今市隆二と登坂広臣、ソロステージの経験 

 2020年1月から2月にかけて、福岡PayPayドーム、ナゴヤドーム、京セラドーム大阪で開催された『LDH PERFECT YEAR 2020 SPECIAL SHOWCASE RYUJI IMAICHI / HIROOMI TOSAKA』。その大阪公演がDVD/Blu-rayで映像化される。三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE(以下、三代目)のボーカリストである今市隆二と登坂広臣が、それぞれソロでステージを展開したスペシャルショーケースだったが、彼らはお互いのステージをどう見ていたのだろうか。

 2020年4月に予定されていた、さいたまスーパーアリーナでのツアーファイナルは、新型コロナウイルスの影響で公演中止を余儀なくされた。しかし、LDHは定額制動画配信サービス「CL」のスタート、有料配信ライブ『LIVE×ONLINE』の開催を発表。半年にも満たない期間で激変してしまったエンタテインメントの世界で、現在、今市隆二と登坂広臣がファンに伝えたい想いも聞いた。(宗像明将)

「より自分の個性や世界観を出すことに集中できた気がします」(今市)

ーー『LDH PERFECT YEAR 2020 SPECIAL SHOWCASE RYUJI IMAICHI / HIROOMI TOSAKA』は、音楽はもちろん、照明、映像、ダンサー、音響などさまざまな演出を含めた一大エンタテインメントでした。手応えはどんなものでしたか?

今市隆二(以下、今市):同じグループのツインボーカルのふたりが、それぞれソロでスペシャルショーケースをやるというのは、LDHとしても初めての試みでした。すごく手応えを感じましたし、新しいエンタテインメントの形を提示できたと思っています。GENERATIONS(from EXILE TRIBE)をはじめ、後輩アーティストたちにも良い形を見せられたんじゃないかなと思います。

今市隆二

登坂広臣(以下、登坂):初めての試みのイベントだったので、もちろん手探りの部分はありました。ライブにももちろんいろんなやり方があると思いますが、1日で同じステージを使って、別のアーティストがライブをする。これまでにない新しさと、ライブの形としての一つの正解を作れた感覚がありますね。

ーー今回はふたりでツアーを一緒にして、お互いのライブやリハーサルは見ましたか?

今市:リハーサルは見ていなくて、本番で見ました。

登坂:僕も本番で初めてステージを見ました。

ーーお互いのステージを見た感想を教えてください。

今市:僕は、福岡の2日目に見ることができました。(ツアーでは)最初が臣(登坂)のステージだったのですが、臣の前回のアリーナツアー(『HIROOMI TOSAKA LIVE TOUR 2018 "FULL MOON")での世界観が、そのまま延長されたような感じがしました。ストーリーもつながっているから、作りあげているものが全面に出ているなというのは、すごく感じましたね。

ーー登坂さんの歌を聴いてどう感じましたか?

今市:さっきも話したように本番でしか臣のステージを見ていないので、互いのライブを客観的に見られるのは今回のツアーならではのいいところだと思いました。臣のステージを見た後に、自分も同じステージに上がるというのは、今回のこのツアーでしかできないから。普段は同じグループで一緒にライブを作り上げているけれど、客観的に1アーティストとしてライブを見られるので、お客さんはもちろん、僕もいつもとは違った楽しみ方ができました。

ーー登坂さんの歌を客観的に聴けるからこそ、自分の歌への気合いも普段と違った?

今市:歌だけではなく、ライブはいろんなことが複合してできているものなので、そういう意味ではもちろん気合いは入りますし、より自分の個性や世界観を出すことに集中できた気がします。

登坂:本当にリハはお互いに一切見ていなかったので、本番で初めて見たときに(今市が)バイクに乗っている演出があって上がりました(笑)。ステージ裏でバイクが運ばれているのを見て、「何のバイクなんだろう?」とずっと思っていたんですけど、「あっ、本人が乗るんだ!」と。歌以外にも意外な演出などをお客さんと同じタイミングで初めて知るというのが新鮮でした。同じステージで同じ空間だけど、自分とはまた違うステージの使い方をしていて、いろんな発見や面白さがありましたね。

ーー登坂さんから見て、今市さんの歌はどうでしたか?

登坂:ソロの時は、お互いグループのときとはまた違った自分の音楽性で楽曲やアルバムを作っているので、やっぱりその歌に対する感じ方もグループの時とは全然違います。普段三代目で作るときは、パフォーマーの5人のことを考えたり、グループとしての歌い方や、楽曲の表現の仕方を考えるのですが、ソロになると自分のやり方や歌い方が追求できるので、「グループのときとは違う表情だな」というのはすごく感じました。

登坂広臣

ーーそういった部分は登坂さん自身のステージにも影響を与えているのでしょうか?

登坂:ドームのステージは日本では最大規模なので、音楽性や歌に対して、「自分をどう表現するか」というのを一番重要視しました。自分のソロツアーだったら、お客さんから見えるところ全部にこだわるけど、今回は「LDH PERFECT YEAR 2020」の一環としてのスペシャルショーケースということもあったので、お客さんからの見え方ももちろんだけど、それ以上に中身で自分を表現することを考えていましたね。

ーーひとりでドームに立つ経験をしていかがでしたか?

今市:2年前に初めてソロでのアリーナツアー(『RYUJI IMAICHI LIVE TOUR 2018 “LIGHT>DARKNESS LIVE TOUR“』)を開催して、そのときは自分が“長”になって、先頭に立つという意味をより深く感じました。グループでもボーカルとしてステージに立っているけど、リーダーやメンバーもいる。だけどソロのステージでは、リハでも自分がしっかりしていないと、周りのダンサーやミュージシャン、スタッフの動きを僕が止めてしまうことになると学びました。そういう意味では、ソロアリーナツアーで学べたことがすごくあったので、そのチームでまたドームに立てたことが本当に嬉しかったです。達成感がすごくありますし、ドームに立てたという自信も持つことができたので、また次の新たな夢ができました。

登坂:単純に、すごく楽しかったです。7人で立ったことのあるドームのステージも、ひとりで見るとまた違った見え方になる。それがまた冒険している感じがしました。だけど、今になって「次はもっとこうしたい」という欲が当然出てきたりもしています。「LDH PERFECT YEAR 2020」としてのお祭りで終わるのではなくて、「これを糧にまた新たなことに挑戦していきたい」と思わせてくれるステージでした。

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