『パパジャニWEST』ジャニーズWESTの面白さや子育ての奥深さを発見 「おうち時間」に楽しみたいエンタメ配信番組:Paravi編

『パパジャニWEST』で発見する7人の面白さ

 長引く外出自粛期間中に、おすすめの動画配信番組を紹介するシリーズ第4弾。今回注目するのは、Paravi(パラビ)で配信されてきたジャニーズWESTの冠バラエティ『パパジャニWEST』だ。そのタイトルが示すとおり、この番組はジャニーズWESTの7人が1日パパとなって子どもたちを預かるリアルバラエティショー。彼らにとって初の冠配信番組で、2019年4月にスタートすると2019年の年間総再生回数第1位を獲得するなど、Paraviを代表する人気コンテンツになった。

 多くの支持に応える形で、これまで2回地上波でスペシャル番組も放送。そして、今年4月よりTBSの毎週火曜の「テッペン!」枠(23時56分〜24時55分)で、地上波レギュラー放送となる予定だった。だが、新型コロナウイルス感染症の影響により、放送開始は延期に。残念ではあるものの、オンエアスタートを待ちわびる今こそ過去の配信動画をおさらいするのにはぴったりなタイミング。

 ジャニーズWESTの7人は、笑いに貪欲な関西出身だけに、これまで様々なバラエティをこなしてきた。だが、子育てという不慣れな環境では、さすがの彼らも悪戦苦闘。おむつをつけた赤ちゃんから、イヤイヤ期真っ只中の子、人見知りで言葉が出ない子、思春期で心を閉ざしている子……など、この1年で様々な子と向き合ってきたが、そのごまかしのきかない環境だからこそ、彼らの真の人間性があぶり出される。

頼れる「子育て大先生」桐山照史

 番組内で「大先生」と呼ばれるほど、頼りにされているのが桐山照史。もともと子どもが好きで保育科を卒業したほど、子育てに関しては様々な知識と経験の持ち主。また包丁を握れば魚を鮮やかにさばくなど家事スキルもめっぽう高い。番組開始当初、真っ先に子どもの目線に立って話しかけたのも桐山だった。怖がって家の中に入りたがらない子を前にしたときには「外でやるしかない」と滑り台のある庭にさりげなく誘導したり、トイレを怖がる子には紙芝居でオリジナルの物語を披露したりと柔軟な対応っぷりにも頭が下がる。また、アメリカから来た少女には「アキト(照史)」ではなく、「アキオ」と呼ばれてしまったのを笑顔で受け入れる大きな器も見せてくれた。誕生日には中間淳太がオーダーメイドの「AKIO」キャップをプレゼントしたほど。そんな番組内で盛り上がったエピソードが何度もボケやギャグなどに組み込まれるのがジャニーズWEST式なので、要チェックだ。

器用なママキャラ・神山智洋

 続いて、「パパ」というより「ママ」と呼びたくなるのが神山智洋。買い出しに行けばきっちり予算内におさめ、卵が入ったレジ袋はテープで止めて固定するなどあらゆる場面で几帳面さを発揮していく。料理もさりげなく子どもの一口サイズにカットするきめ細やかさの持ち主だ。また、もともと5人きょうだいで育った経歴を持つため、大家族の子どもたちを預かった回では、ロープを使って限られた空間で大容量の洗濯物を干すテクニックも披露。大人になってからも甥っ子や姪っ子の面倒も見てきた経験から、おむつ替えにミルク作り、寝かしつけなど赤ちゃんの扱いも完璧だ。さらに、美容に対する意識の高さから、年頃の女の子にはネイルをしてあげることも。素直で涙もろいところもあり、ついつい子育てのやりがいに感激するーーそんな神山の感情に共感して、目頭が熱くなる視聴者も少なくないはずだ。

予想を上回る活躍を見せる中間淳太

 桐山、神山と子どもに慣れている2人に対して、残りの5人はそれぞれの個性を活かしながら、なんとか子育てに参加していく。それは、初めて子どもを持った若いパパの成長を見届けているような気持ちにも近い。最初は子どもとの距離感に戸惑っていた中間淳太も、食事中にヒジをついたら注意しにくる「ヒジおじさん」という即興キャラクターを生み出すなど、自分ができることを少しずつ手がけていく。メンバーが一緒にゾンビ方式でヒジおじさんになっていくさまも微笑ましい。また、キャンプ時の川魚のつかみ取りでは思わぬ才能を発揮。絵や手芸にも積極的に携わり、状況に応じて臨機応変にメンバーを助けながら、彼自身の可能性を広げていく。中間の姿に、子どもとのふれあいを通じて、新たに得意なことが見つかるのも、子育ての醍醐味だと気づかされる。

優しさと厳しさを学ぶ濵田崇裕

 得意といえば、濵田崇裕は自転車や三輪車を練習する子のコーチとして大きな成果を残している。もともとアクロバットを得意としている濵田は、身体をどのように動かすのかを分析して、伝えるのが上手なのかもしれない。だが、何より愛する釣りではなかなかいいところを見せられずにいるのも、彼の愛されポイント。この番組がきっかけで自衛隊カレー作りにハマったのだが、キャンプ場で作り上げたときにはまさかのカレー嫌いな子がいるというトホホな展開も実に彼らしくて笑いどころとなった。また、その親しみやすさゆえに、心を開いた子から乱暴に扱われることも少なくなく、注意するラインに戸惑う姿も見受けられた。1日限定とはいえ甘やかすだけではなく、悪いことはちゃんと叱ることができるパパであろうというのが、ジャニーズWESTの子育て方針。彼の目線でこの番組を追えば、その絶妙な線引きを学ぶことができそうだ。

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