KANA-BOON「スターマーカー」とアニメ『僕のヒーローアカデミア』が起こす化学反応 物語との親和性がポイントに

KANA-BOONと『ヒロアカ』の化学反応

 KANA-BOONの新曲「スターマーカー」が現在放送中のTVアニメ『僕のヒーローアカデミア』、通称『ヒロアカ』(読売テレビ・日本テレビ系)のオープニングテーマに起用されている。明るいポップなサウンドと、どんな過去を抱えているとしても明るい未来が誰のもとにも待っていることを歌った前向きな歌詞が注目を集めているが、KANA-BOONと『ヒロアカ』のコラボは、どんな化学反応を起こしているのだろうか。

“アニメ×楽曲”の親和性の高さで話題のヒロアカ楽曲

 TVアニメ『僕のヒーローアカデミア』は、様々な個性(特殊能力)を持ったヒーローが活躍する世界で、何の個性も持たずに生まれた主人公=緑谷出久(通称:デク)が、NO.1ヒーローのオールマイトに導かれながら、努力、友情、勇気で仲間と共に成長する姿を描いた作品。原作は、『週刊少年ジャンプ』で連載中の漫画で、コミックスのシリーズ累計発行部数は2500万部を突破している。2016年からアニメシリーズの放送がスタートし、これまでに米津玄師やUVERworld、さユりなどがテーマソングを手がけ、歌詞に込められたメッセージ性とアニメの内容との親和性の高さで、『ヒロアカ』のファンとアーティストのファンの両方を虜にしてきた。現在オープニングテーマとして流れている、KANA-BOONの新曲「スターマーカー」も、『ヒロアカ』の内容とのシンクロ度が高いと話題だ。

 この「スターマーカー」が流れている「文化祭編」は、4期前半で描かれたバトル色の強い「ヒーローインターン編」から打って変わって、デクたちが雄英高校での文化祭開催に向けて奮闘する高校生らしさあふれるエピソード。その中でデクは辛い過去を背負い本当の笑顔を見せたことのない少女・壊理(エリ)に、笑顔をプレゼントしたいと考えるというもの。サビ前の歌詞には〈変えられない過去に色を塗っていく きっと未来七色 片手にパレット 笑ってみせてよ〉とあり、これはまさに壊理へと向けられたメッセージではないだろうか。何とかして壊理を笑顔にしたいと、文化祭に向けて東奔西走するデクたちの様子も目に浮かぶ。

 『ヒロアカ』公式サイトでは、作詞作曲を担当した谷口鮪(Vo/Gt)が、「過去にはその人それぞれが塗ってきた色が付いている。いつかその色達の意味を変えられる日はやってくる。あなたの人生を救ってやれるのはあなただけ。あなたこそがヒーロー。あなたの主題歌になればと願って、この曲を書きました」とコメント。原作を深く読み込んだ上で、より多くの人に届くものにしたいと制作した、彼らのこの曲に賭ける想いが伝わってくる。

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