04 Limited Sazabys、“4回目”の『YON FES』で遂げた野外フェスとしての成熟

フォーリミ、フェス主催者としての成熟

 04 Limited Sazabys主催のフェス『YON FES 2019』が2019年4月6日、7日に、愛知県 愛・地球博記念公園(モリコロパーク)で開催された。本年度は、フォーリミにとって縁深い数字である“4”回目の開催。チケットはソールドアウトし、両日あわせて約2万6千人を動員。「同世代で名古屋の音楽シーンを盛り上げたい」という思いでスタートした『YON FES』は、“地元密着型フェス”と“バンド主催フェス”という両面で着実に進化を遂げ、フェス運営における最適解を出したのでは、と感じるほど過ごしやすいものだった。

 前者で言えば、中日ドラゴンズのドアラやモリゾー・キッコロといった地元キャラクターとのコラボ/フェス出演をはじめ、名古屋駅から会場であるモリコロパークに向かう道中、ランドマーク・ナナちゃん人形が『YON FES 2019』仕様になっていたり、藤が丘駅やリニモ車内に『YON FES』の歴史を振り返れる過去の写真が張り出されているなど、しっかりと根を張り、地元により一層浸透していることが伺えた。

 そして、後者。例年通りラインナップには、フォーリミが実際にライブを見て厳選したアーティストが、新鋭からベテランまで名前を連ねた。共通点は、ライブハウスで腕を磨いてきた猛者たちという点だ。ライブバンドとして日々しのぎを削り合うアーティストが、その日一番のパフォーマンスを観客に見せる、あるいは他アーティストに見せつけようと火花を散らす。My Hair is BadやBLUE ENCOUNTのライブが象徴的だが、お互いに切磋琢磨しあって普段以上の力を発揮するのは、ライブハウスから叩き上げられた04 Limited Sazabysの存在がフェスの根幹にあるからこそだ。

My Hair is Bad(写真=浜野カズシ)
BiSH(写真=ヤオタケシ)
10-FEET(写真=浜野カズシ)
SHANK(写真=ヤオタケシ)
teto(写真=ヤマダマサヒロ)
四星球(写真=浜野カズシ)
かりゆし58(写真=日吉”JP”純平)
ONIONRING(写真=ヤマダマサヒロ)
ヤングオオハラ(写真=ヤマダマサヒロ)
ナードマグネット(写真=日吉”JP”純平)
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My Hair is Bad(写真=浜野カズシ)
BiSH(写真=ヤオタケシ)
10-FEET(写真=浜野カズシ)
SHANK(写真=ヤオタケシ)
teto(写真=ヤマダマサヒロ)
四星球(写真=浜野カズシ)
かりゆし58(写真=日吉”JP”純平)
ONIONRING(写真=ヤマダマサヒロ)
ヤングオオハラ(写真=ヤマダマサヒロ)
ナードマグネット(写真=日吉”JP”純平)
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 もう一つ、バンド主催ならではの風通しの良さも例年以上に感じられた『YON FES 2019』。昨年はLAND STAGEだったBiSHは2回目でSKY STAGEに昇格。昨年に引き続き、RYU-TA(Gt/cho)がステージに乱入してメンバーとダンスをするコラボは今年も健在だった。過去に出場経験のあるアーティストが前回よりも大きなステージに立つ、そんな成長も感じ取れるのも面白いところ。また、KOUHEI(Dr/cho)はKEYTALK「夕映えの街、今」、HIROKAZ(Gt)はSiM「KiLLiNG ME」にそれぞれ飛び入り参加し、双方のファンを熱狂させていた。そしてバンド外の活動も精力的に行っているGEN(Ba/Vo)は、クリープハイプ「栞」、SPECIAL OTHERS「loop」と、これまでに出来た縁をステージ上で再確認するようなシーンもあり、アットホームな雰囲気が会場を包む。

写真=ヤオタケシ
写真=ヤマダマサヒロ
写真=ヤオタケシ
写真=日吉”JP”純平
写真=浜野カズシ
写真=日吉”JP”純平
写真=日吉”JP”純平
写真=ヤオタケシ
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写真=ヤオタケシ
写真=ヤマダマサヒロ
写真=ヤオタケシ
写真=日吉”JP”純平
写真=浜野カズシ
写真=日吉”JP”純平
写真=日吉”JP”純平
写真=ヤオタケシ
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 さらにステージ以外でもRYU-TAがラーメン『麺や おがた』の店員に扮してラーメンを振る舞い、KOUHEIとHIROKAZが開演前の会場で自転車を乗り回してお客さんを迎えるなど、主催者とは言えここまで自由に会場内を動き回り、ファンと積極的にコミュニケーションを取りにいくフェスはなかなかないだろう。

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