タッキー&翼に中居正広が託した思いーー年末最後のラストステージを見て感じたこと

 2018年12月31日、ジャニーズアイドル滝沢秀明・今井翼のストーリーに『。』が打たれた。9月13日に突然知らされたタッキー&翼の解散。そして、滝沢はプロデューサーへ、今井は治療に専念するという、それぞれの決意。直筆で綴られた文章に、彼らの誠意は十分に伝わってきたものの、あまりに急な展開に動揺を隠せなかったファンが少なくなかったのも事実だ。約23年に渡り応援してきたファンの行き場のない感情を、滝沢に伝えたのは中居正広だった。

 12月29日に放送された『中居正広のキンスマスペシャル』(TBS系)にゲスト出演した滝沢は、解散・引退発表のあと最初に連絡をくれたのが中居だったことを明かしている。そして、「今のタキツバは『、』だと。ちゃんと『。』をつけて活動を終了させなさい」という言葉をもらったのだという。

 この言葉には、中居自身の経験が生かされている。「僕個人はちょっと怠った人間であって。あの、まるで幕引きっていうのができなかったので。どうか滝沢と翼のふたりには、ファンの子に、今まで応援してくれた人たちってやっぱりすごく大事だから、その人たちが次に進めるメッセージとして、この番組とふたりのショーっていうのを……」と語った。“引退試合がわからないまま引退される選手じゃない”との言葉も、野球好きな中居が今井にも向けたものだったのではないかと感じさせる。

 もちろん、中居自身も、そのときそのとき最善を尽くしていたことをファンは知っている。だが、それでもみんなが前を向くためには、笑顔の花道が必要だったのではないかという思いが残っていたのかもしれない。その経験が、後輩のタッキー&翼の門出に生かせるのであれば……そんな思いで苦しい心境を明かしてくれたのだろう。中居の言葉からはいつも、人を導くということが成功例をひけらかすのではなく、自らの痛みを引き継がせないという配慮だと気付かされる。

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