SKE48 松井珠理奈が語る、休業で実感した仲間の絆と心境の変化「みんながいたから復帰できた」

松井珠理奈、休養で芽生えた心境の変化

 SKE48が、24thシングル『Stand by you』を12月12日にリリースする。

2018/12/12 on sale SKE48 24th.Single「Stand by you」MV full

 表題曲「Stand by you」は、活動休止から復帰した松井珠理奈がセンターを担当。SKE48の11年目のスタートをメンバーやファンのみんなで一緒に進んでいこうという思いが込められた楽曲となっており、“絆”をテーマにしたミュージカル調のMVには学校を舞台にした迫力のあるダンスシーンが収められている。

 松井は今年6月に開票イベントが行われた『AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙』にて悲願の1位を獲得。その後、6月14日から体調不良により長期休養していたが、9月6日にSKE48劇場で行われたチームS『重ねた足跡』公演の野島樺乃生誕祭にてグループに復帰した。

 リアルサウンドでは、グループと同じく、今年でアイドル活動10年目を迎えた松井珠理奈にインタビュー。休養期間から復帰までの心境をはじめ、グループと距離を取ることで気付けた気持ちの変化や後輩メンバーの頼もしさ、そして11年目へ突入するグループと自身の今後について語ってもらった。(編集部)【最終ページに読者プレゼントあり】

「11年目のスタートで気持ちをひとつにできた」

松井珠理奈

ーー後楽園ホールでプロレスを観ていた時、珠理奈さんの取材が入るという連絡が来たんですよ。珠理奈さんといえばプロレス好きなので、すごいタイミングだなと思いました。

松井:アハハハハ! そうだったんですね。

ーー7月、8月の活動休止中もプロレスを観ていたんですよね。

松井:『新日本プロレスワールド』(動画配信サービス)で観てました。

ーー『G1 CLIMAX 28』の時期と重なってましたが、棚橋(弘至)さんの優勝にグッとくるものはありましたか?

松井:そうですね。『豆腐プロレス』(テレビ朝日系)で棚橋さんのハイフライフローを使わせていただいていて、ご本人から指導を受けたこともあったし、選抜総選挙でも応援してくださったので、私も応援しなきゃという気持ちでした。私のファンの皆様も棚橋さんを応援している方が多いんですよ。

ーー5月4日にオカダ・カズチカ選手とのIWGP戦で負けて。

松井:その試合、観に行ってました。

ーー棚橋さんはすでにベテランの域に入っているので、その試合で第一線からは退くと思われていたけど、G1優勝で復活したわけですよね。珠理奈さんもキャリア的にはベテランなわけで、棚橋さんと重なる部分もあったのかなと。

松井:そうですね。最近の棚橋選手ってケガでの欠場も多かったじゃないですか。復帰をする時のドキドキ感やステージに出ることができないもどかしさだったり、プロレスラーの方もこういう気持ちなのかなと思いました。私の場合は待ってくれるメンバーやファンの皆様がいることが分かって、そこに喜びを感じて不安を越えることができたんです。

ーープロレスでいえば王者が長期欠場した場合はベルトを返上する流れがありますが、24thシングルの「Stand by you」では珠理奈さんがセンターに立つわけですよね。

松井:覚悟を持って立たなきゃいけないと思いました。MV撮影の時、「ちゃんとできるかな」という不安があったんです。前に人がいないし、間違えられないから。休んでいる間に筋肉が衰えただけじゃなく、ダンスを覚える力も鈍って苦戦しました。撮影しながら勘を取り戻していった感じで。

ーー「Stand by you」のMVはアメリカのミュージカルっぽくて、楽しみながら撮影できたのかなと思いました。

松井:もちろん楽しさもあって。学生に戻ったような気持ちになりました。ダンスを揃えなきゃいけないシーンがいくつもあったんですけど、SKE48だから上手くいったのかなって。11年目のスタートで気持ちをひとつにできたと思います。

ーー「Stand by you」の歌詞には珠理奈さんへのメッセージのように感じる箇所がありますよね。

松井:みんなに言われるけど、そうなんですかね(笑)。ただ、Dメロの歌詞がSKE48だなと思いました。メンバー同士やファンの皆様とメンバーが愛で支え合っているから、「ひとりじゃない」と感じることができるんだなって。そもそも「Stand by you」の意味が「そばにいるね」なので、みんながそばにいてくれたから復帰できたと思ってます。これまではセンターになったら「ひとりで引っ張っていかなきゃいけない」と気負っていたけど、いまは私だけじゃなく、須田亜香里ちゃんや高柳明音ちゃんがみんなに声をかけて前に進むことができる。後輩メンバーに任せることで肩の荷が軽くなったんです。

ーー理解はしていたけど、活動休止前後でメンバーの支えを強く感じたと。

松井:そうですね。みんなが「『珠理奈がいないからダメになった』と言われないように」と危機感を持って取り組んで、それぞれに「引っ張っていかなきゃいけない」という自覚が芽生えたように見えました。前向きに考えたら、SKE48にとっていい夏だったのかなと思います。

ーー珠理奈さん自身は、「いままで力が入りすぎていたな」と思いましたか?

松井:はい。そのピークが総選挙(『AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙』)だったんです。SKE48が10周年で、地元であるナゴヤドームでの開催というプレッシャーがすごくて。どこに行っても「1位になりますよね?」と聞かれたし、SKE48をよくするためには自分が1位にならなきゃいけないという気持ちで力が入りすぎました。想いが伝わってファンの皆様が寝ずに投票してくれたから、私も3日間寝ないでいたら、やっぱり壊れてしまって(笑)。

ーーSKE48ドキュメンタリー映画『アイドル』では、ナゴヤドームで感情がむき出しになった姿も映し出されていました。

松井:怒って泣いてる時の私がブスすぎて恥ずかしかったです(笑)。ただ、映画の中で自分が言ったことは、いまでもそう思ってます。

ーー映画を観た方はその気持ちを理解したと思います。

松井:映画を観て「こういう気持ちだったんだ」と伝わったのは良かったと思います。SKE48で10年やってきた感謝の気持ちが強いので、恩返しをしたかったんです。AKB48あってのSKE48であることは当然なんですけど、ずっと2番手だと思われている現状があって。でも、自分たちはSKE48が1番だという誇りを持っていて。今年の総選挙はナゴヤドームで開催されて、やっとSKE48のほうを見てもらえると思ったので……。

ーー映画を観て、同期である大矢真那さん(2017年11月卒業)の存在の大きさを感じました。

松井:真那がいなかったら開票イベントに出ることができなかったかもしれません。ずっと会場にいてくれたことにすごく感謝してます。2016年に真那が総選挙を辞退して、1期生のなかで私ひとりが臨んだ時、一緒に喜び合えないことが辛かったんです。もちろん他のメンバーとも「よかったね」と言い合うけど、同期で喜びを分かち合うことは格別だから。今年もひとりぼっちの総選挙かと思っていたけど、真那がいてくれてすごく助かりました。

ーーそれこそ棚橋選手がG1の決勝で同期の柴田選手(長期欠場中)をセコンドに迎え入れたことと重なるんですよ。

松井:確かに似てますね(笑)。

ーー棚橋さんが優勝した理由のひとつじゃないですか。

松井:私もそう思います。精神的な支えって大事ですよね。

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