cinema staffとアルカラの“長い旅”の始まり スプリットツアー初日飾った高揚感に満ちたステージ

cinema×アルカラツアー初日レポ

 アンコールでは、cinema staffとアルカラのメンバー全員がステージに登場。「夏のビーチに行くなら、どんな格好?」というコンセプトのもと、パナマ帽やサングラス、Tシャツなど「それらしい」ファッションにそれぞれが身を包んでいた。ところが稲村だけが、何故かワンピースに麦わら帽子というキテレツな格好で会場を沸かせていた。

 総勢8人で演奏したのは、もちろん2バンドのコラボ曲「A.S.O.B.I.」。2014年に沖縄、台湾と一緒にツアーした時の思い出や、cinema staffの過去曲からの引用を詰め込んだ稲村のペンによる楽曲で、彼が現地で買ってきたオモチャから流れるメロディを、サビにそのまま当てはめるといった遊び心に溢れている。最後はそのメロディを全員でシンガロングし、この日の公演は全て終了した。

 10月1日の岐阜県・柳ヶ瀬Antsまで、全国で14公演が行われるという本ツアー。良き友であり、良きライバルでもある2バンドの、ほどよい緊張感と和やかなムードが絶妙なバランスの、高揚感に満ちたイベントだった。

(写真=石崎祥子)

■黒田隆憲
ライター、カメラマン、DJ。90年代後半にロックバンドCOKEBERRYでメジャー・デビュー。山下達郎の『サンデー・ソングブック』で紹介され話題に。ライターとしては、スタジオワークの経験を活かし、楽器や機材に精通した文章に定評がある。2013年には、世界で唯一の「マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン公認カメラマン」として世界各地で撮影をおこなった。主な共著に『シューゲイザー・ディスクガイド』『ビートルズの遺伝子ディスクガイド』、著著に『プライベート・スタジオ作曲術』『マイ・ブラッディ・ヴァレンタインこそはすべて』『メロディがひらめくとき』など。

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