SUPER★DRAGONが考える、他にはないグループの魅力「僕らは攻めた音楽性を表現できる」

SUPER★DRAGONが語る音楽的成長

3曲それぞれに色々な工夫が込められている作品になった(彪馬)

ーー作品の話に戻ると、今回は「TYPE-A」と「TYPE-B」で異なるカップリング曲が収録されています。「TYPE-A」のカップリング曲「Ringing, Love」は、トラップ以降のビートを使ったファンキーなR&Bになっていますね。

洸希:この曲では、曲の雰囲気にあわせて、今までやったことがなかった日本語を英語っぽく歌う歌い方を意識しました。その歌い方を意識しながら、歌詞に込められた気持ちも表現しなければいけないので、そこがすごく難しかったです。「K-POPのアーティストさんが日本語で歌うときみたいな歌い方だよ」とアドバイスをいただいたので、BTSさんの曲を聴いたりして色々と勉強していきました。

ジャン:僕のラップもこれまでで一番と思うぐらい連符で取っていて、その歌詞自体が曲のすごく重要な部分になっているので、それをいかに伝えるかを考えました。たとえば、AKLOさんのラップって、フロウとしてはすごく速いのに、同時に歌詞の意味もちゃんと伝わるものになっていると思うんです。僕はまだまだですけど、この曲では僕もそういう表現力を頑張ろうと思っていました。

ーーこの曲は韻の踏み方も工夫されていますね。たとえば、〈I love you so bad〉と〈居たいんだ/側に〉で韻を踏んでいるところは個人的にも好きなパートです。

玲於:そうですね。この曲は今流行っているダンスのスタイルにも合っていると思いますし、僕たちの世代の人たちに刺さってくれる曲のような気もします。

和哉:僕のラップパートは行の終わりで韻を踏むオーソドックスなものですけど、葛藤して苦しんでいる歌詞の雰囲気も出せるように頑張りました。

ーー最近のR&Bでみなさんが好きなアーティストや曲はありますか?

毅:こういうR&Bの曲で言うと、僕はw-inds.さん。橘慶太さんがやられていることは日本のダンス&ボーカルグループの中でもすごく秀でていると思いますし、歌も空気感も、パフォーマンスもかっこいいですよね。

ジャン:僕はソフィア・ブラックさんも好きです。KYLEさんが「Ikuyo feat. 2 Chainz & Sophia Black」でフィーチャリングしたことでも注目されましたけど、切ない曲ではそれに合う声質で歌ったりと、変幻自在に声質を操るところが好きです。自分もそんな風になりたいです。

ーー 一方、「TYPE-B」の収録曲「Summer Breeze」はディープハウスを取り入れた楽曲になっています。これはトロピカルハウスを取り入れていた前作のカップリング曲「City Noise」からの流れにある曲のようにも感じられました。

毅:そうですね。今回スパドラらしいと思ったのは、「Summer Breeze」はこんなに夏っぽくて爽やかな曲なのに、途中で一気に攻めたサウンドになる「タダじゃ帰さないぞ」という雰囲気があることで(笑)。それは歌い手の僕ら自身も感じることなので、ファンの方もいい意味でのギャップを感じてくれるんじゃないかと思います。歌の技術的な部分でも、どこで出そうとか、どういう発声の仕方をしようとか、ここでちょっとしゃくらせてみようとか、自分の中で作戦を立ててレコーディングに臨みました。

ーー毅さんは歌のことを本当に色々と考えているんですね。

毅:僕は生きているうえで、一番歌について考えている気がします(笑)。まずは「どんな風に表現するか」が一番大事ですが、そのためには技術が必要になってくると思うので、今回も技術的にも色々と考えました。でも同時に、歌がサウンドを邪魔してはいけないとも思うんですよ。サウンドもしっかりと大事にしている曲だからこそ、歌もそれに合うように最適なバランスを探していくことが大切だと思っていました。

ジャン:この曲は転調が激しくて、僕のパートが終わったあとでガラッと雰囲気が変わりますけど、そこで「スキルのあるラッパーがいるな」と思ってもらえるように頑張りました。僕は普段家で曲を作っているときに、自分の歌いやすい声を探したりしていて、今回の僕のパートは自分が得意とするものに近かったので、自信を持ってできたと思います。

洸希:僕はこの曲では、切ない感じを出しつつ、同時に力強さも意識しました。1回目と2回目のラップで意味が変わってくるような歌詞なので、その差も大事にしました。

ーー夏は賑やかさだけではなく、終わる瞬間の寂しさや切なさも魅力のひとつですね。

和哉:今回のカップリング曲の歌詞は「Summer Breeze」と「Ringing, Love」で連動していて、「Summer Breeze」で出会った2人が、「Ringing, Love」では遠距離恋愛になるというストーリーなんです。

彪馬:この曲はすごく大人っぽいと思うんですけど、僕はEXOさんの「Ko Ko Bop」の雰囲気が近いと思って参考にしました。EXOさんは、洗練された魅力がありますよね。僕もこの曲では「SWEET DEVIL」のようなやんちゃさをなくして、大人っぽい表現を意識しました。

和哉:ラップはボーカル組とはまた違う雰囲気を出しているので、そこにも注目してもらえると嬉しいです。

ーーパフォーマンス面ではどうですか?

楽:(取材時は)まだ振り入れはしていないんですけど、今回はいつもとは違う振付師のコレオだから、難しい振りになりそうなので、上手くできるように頑張りたいです。

壮吾:夏に合う曲なので、夏のリリースイベントで披露できるのもすごく楽しみですね。

ーーみなさん自身は、今回のレコーディングを終えてどんなことを感じていますか?

彪馬:「SWEET DEVIL」はライブで盛り上がっている風景が作品からも浮かんでくるような曲だと思いましたし、「Summer Breeze」は序盤のディープハウスとサビのエッジの効いた雰囲気とのギャップが魅力的な曲だと思いますし、3曲それぞれに色々な工夫が込められている作品になったと思うので、今回のシングルではこれまで以上に「何度も聴き込んでくれたら嬉しいな」と思いました。

ーーこれはみなさんが表現をより工夫したことも関係しているのかもしれませんが、今回のシングルは、3曲それぞれにこれまで以上に様々なアイデアが詰まっている雰囲気ですね。

ジャン:曲をいただいたときに、これまで以上にサウンドが工夫されていることを感じたので、自分たち自身も、より工夫してレコーディングに臨むようになったと思うんです。たとえば、僕の場合はラップのガヤをひとつとっても、「曲に合うものにしよう」と細かい部分まで考えましたし、そういうことをメンバーがそれぞれより考えていったと思うので、今彪馬が言ってくれたように、聴き込んでもらうと色々な工夫が楽しめるものになっているんじゃないかと思います。

ーー曲を提供してくれている作家の方も、みなさんのそうした変化につられるように、よりアイデアが詰まった難しい曲を作ってくれるようになっているのかもしれません。

毅:僕らのほとんどの曲を作ってくれているYockeさんとは僕らも話す機会があるんですけど、そのときに「一緒に成長していっている気がする」と言ってくれていて。僕たちのことを結成前から知ってくれている方なので、僕らの活動を見ながら、そのときどきの僕たちのイメージにあわせて曲を作ってくれているように感じます。僕ら自身が「新しいものに挑戦しよう」と貪欲に進んでいって、「こういう表現をしてみよう」と工夫することで、Yockeさんもまた新しい要素を曲に入れてくださると思うので、僕ら自身もときには失敗したとしても、どんどん新しいことに挑戦していきたいです。

ジャン:僕ら自身、デビュー当時よりもさらに音楽が好きになっている気がするんです。そして、自分たちではそれが表現にも表われてきているんじゃないかと思っている部分があって。だから、ここで満足せずに、これからも上を目指していきたいです。

ーージャンさん、洸希さん、和哉さんのラップ組は、みんなでフリースタイルをしたりする機会もあるんですか?

ジャン:曲でラップをするラッパーとフリースタイルが得意なラッパーとはまた違うとは思うんですけど……。

和哉:でも、やってるよね(笑)。

ジャン:ガチガチのフリースタイルではなく、遊びでやってはいます(笑)。ラッパー組だけじゃなくて、毅や色んなメンバーも混ざって、みんなでワイワイとやっている感じです。

ーー誰かがやっていると、みんなが自然にそこに入ってくるようなイメージですね。ラップ組だけではなくて、みんながそこに参加していく雰囲気と言いますか。

毅:僕は、そういうノリを知っていることって、ラップをしないメンバーのパフォーマンスにも、自然に表われてくるものだと思うんですよ。たとえば、ラップが入っている曲では、ダンスをするメンバーもそのノリを知っていた方がいいと思うので。「歌」や「ラップ」「ダンス」だけができればいいわけではなくて、その表現が生まれたカルチャーの魅力も知ることって、すごく大切だと思うんです。もちろん、「これがカルチャーだ!」と押し出しているわけではないですけど、そういう雰囲気をみんなで楽しみながら、自然にやっていくことで、これからもグループで面白いことを続けていけたら嬉しいです。僕らは攻めた音楽性を表現できるという意味では他にない魅力を出せるグループだと思うので、それぞれの表現を突き詰めて、それこそ、途中で話していたBTSさんのように、アメリカのビルボードチャートでも活躍できるようなグループを目指していきたいです。それを誰かの真似ではなくて、この9人だけの個性で実現できるように、頑張っていきたいと思っています。

ジャン
壮吾
洸希
彪馬
和哉
玲於
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毅
ジャン
颯
壮吾
洸希
彪馬
和哉
楽
玲於
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(取材・文=杉山仁/写真=三橋優美子)

■リリース情報
4thシングル『SWEET DEVIL』
8月1日(水)発売
【TYPE-A】¥1,000(税込)
<収録曲>
M1.SWEET DEVIL
M2. Ringing, Love

【TYPE-B】¥1,000(税込)
<収録曲>
M1.SWEET DEVIL
M2. Summer Breeze

■ツアー情報
『SUPER★DRAGON 7th ONEMAN LIVE TOUR』
2019年3月21日(木・祝) 福岡県 Zepp Fukuoka
2019年3月22日(金) 大阪府 Zepp Namba
2019年3月29日(金) 愛知県 Zepp Nagoya
2019年3月31日(日) 宮城県 SENDAI GIGS
2019年4月3日(水)東京都 Zepp Tokyo

■関連リンク
公式サイト

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