Beverlyが語る、新アルバムで見せた挑戦と覚悟 「人生が終わるときまで、歌手として生きたい」

Beverlyが語る、新作で見せた挑戦

「Beverlyらしい歌い方を見つけられた」

ーー新しいジャンルにチャレンジするときには、そのジャンルの曲をたくさん聴くわけですか?

Beverly:はい。ですからいろんなジャンルの曲を聴きます。ジャズもEDMもJ-POPも聴いて、いろんな歌い方を試しながらBeverlyらしさを見つけて練習してます。ラテンっぽいBeverly、EDMのBeverlyも、そうやって見つけました。

ーーレコーディングの際、ボーカルブースに入ると自然に切り替わるという人もいますけど、Beverlyさんは予め「今日はラテンのBeverly、今日はEDMのBeverly」というふうにスイッチを替えてからブースに入る。

Beverly:はい。レコーディングはそうですね。そういうふうにいろんなジャンルの曲を歌うことが、ワンマンライブにも活かされるんだと思います。

ーーいろんなジャンルの曲にチャレンジしてきて、こういう曲は特に自分に向いているなって感じたことはありますか?

Beverly:(『24』収録の)「LOVE THERAPY」はそう思いましたね。R&Bの曲で、ラップも入っているけど、意外と「私、できる!」と思いました。この曲は大好きです。チルでリラックスした感じの曲を歌うのは気持ちがいいです。

Beverly / 「LOVE THERAPY」Music Video(New Album「24」収録)

ーーこの曲は僕も気に入っていて、Beverlyさんの声はこういうテンポ感のR&Bにとても合っているなと思いました。

Beverly:ありがとうございます。レコーディングでもリラックスして歌えました。高い声も出してますけど、それも気持ちよく出せました。最近よくトリー・ケリーの曲を聴いているんです。トリー・ケリーの歌い方を聴いて、Beverlyらしい歌い方を見つけることができました。

ーーなるほど、よくわかります。彼女もR&Bを上手く消化しながらメインストリームのポップを歌ってますもんね。Beverlyさんの「LOVE THERAPY」もR&Bとポップの融合が自然で、柔らかいラップも軽やかさを印象付けている。

Beverly:爽やかなラブストーリーなので、レコーディングのときも楽しく笑顔で、好きなひとのことを思い出しながら歌ってました。

ーーこういうR&Bテイストの曲が増えている一方、『AWESOME』にあったロック的なエッジが立った曲は、今回はなくなりましたね。

Beverly:はい。今回はないですけど、もちろんロックもまたやりたいと思ってます。ロックでも、もっといろんなバリエーションを見つけたい。失恋のロックでもいいですし、パーティみたいなロックも楽しいと思いますし、それも考えてまたチャレンジしたいと思ってます。

ーーニューアルバム『24』。一言で言うと、これはBeverlyさんにとってどういうアルバムですか?

Beverly:24歳のBeverlyを歌ったものです。レコーディングしたのは23歳ですけど。

ーー24歳の気持ちで歌ったわけですね。

Beverly:はい。24歳の気持ちで。もう若くないです(笑)。

ーーいやいやいや、そんなことはないですよ(笑)。

Beverly:少し大人になったBeverlyも見せられたらいいなと思いました。そしてこの『24』には、たくさんのポジティブな曲が入っています。

ーー『AWESOME』よりも自分の力を発揮できたと感じるのは、どんなところですか?

Beverly:『AWESOME』のときは、私はまだ新人で、日本語で歌うのがあまり得意ではありませんでした。日本語での話し方と日本語での歌い方の区別も上手にできていなかった。ですから、あとで聴いて「ここ、もっと直したかったな」と思うところもありました。『24』は、もう少し日本語が喋れるようになって、日本語での歌い方もわかるようになってきてから作りました。だから『AWESOME』よりもちゃんと表現することができました。

ーー言葉の意味を理解すれば、それだけ感情を込めて深い表現をすることができますもんね。

Beverly:はい。また、『AWESOME』のときはプレッシャーもたくさんありました。「頑張ります! 頑張ります!」って言いながら頑張ってました。ですからそのときは、50%がプレッシャーで、50%が楽しい気持ちでした。でも『24』は楽しい気持ちが80%になりました。『AWESOME』を作ったときより、もっとリラックスしてたんです。

ーー確かに前作はパワフルさを感じられたものの、曲によっては少し肩に力が入っているように感じられたところもある。今作のほうが楽しんで歌っていることが伝わってきます。

Beverly:『AWESOME』を作ったときは日本に来て1年目で、まだフィリピンから来た外国人の気持ちがありました。だから、ちゃんと頑張らなきゃということを頭のなかでずっと考えていました。それで今回はもっと楽しく歌おうと思ったんです。

ーーでは、さきほど「LOVE THERAPY」について聞きましたが、もう何曲かについても聞かせてください。アルバムのオープナーは「Power of Love」。ポジティブな曲がたくさん入っていると言ってたけど、これもまさにそうですね。

Beverly:はい。これは和田耕平さんに書いていただいた曲で、『AWESOME』の「今もあなたが…」や「Never Ever」と同じようにKnobさんがアレンジをやってくれてます。このフレーバーが大好きで、歌詞もポジティブだけどアレンジもポジティブだから、そのおかげで歌っていて力が出せました。「Power of Love」。愛の力です。

ーーBeverlyさんも、愛の力を実感したことはありますか?

Beverly:愛の力は毎日感じています。日本に来て初めて一人暮らしをしたので、ディレクターさんを始め、エイベックスのたくさんの人がいつも私を心配してくれました。「晩御飯はちゃんと食べた?」「風邪ひかないようにちゃんとマスクして」って(笑)。ですからいまも毎日、愛の力を感じています。ありがたいです。

ーーこれからこの曲を聴く度に、Beverlyさんを心配しているエイベックスの人たちの顔が思い浮かびそうです(笑)。

Beverly:あははは。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる