NCT 127、国籍や音楽ジャンルを“繋げる”独自のスタイル 豊洲PiTショーケースを振り返る

NCT 127、独自のスタイルを考察

 アンコールは配信で先行リリースされた日本デビューアルバムより、表題曲「Chain」のパフォーマンスが初披露された。ヒップホップ的なリズムでありながらも音節が切れにくい、日本語特有のトーンに合った緩いBPM。加えて韓国でのパフォーマンスをそのまま移植したようなフォーメーションダンスは、すでに日本語版が披露された「Limitless」と「Fire Truck」「Cherry Bomb」のような強烈なナンバーの中間、まさに同曲のテーマである韓国と日本が「繋がる」ようなパフォーマンスだった。

 NCT 127は他のSM ENTERTAINMENTのグループと同様にEDMベースのダンスパフォーマンスを軸としているが、ここにヒップホップテイストを加えた楽曲もこなすのが独自のスタイルと言える。ラップだけではなくダンスやボーカルもこなす器用なテヨン、10代のラッパーサバイバル番組で決勝まで残り、「SMのラップ」のイメージを変えたマークのクリアなラップがあるから可能なスタイルであり、SM ENTERTAINMENTのグループの中では特筆すべきポイントだろう。

 また、日本で行われたショーケースでは日本人メンバーであり、ネイティブのユウタが積極的に発言してメンバーを助けたり、他のメンバーが日本語のコメントについて合間に確認しながら発言する姿が見られた。日本人も含めたK-POPグループの多国籍化は年々進んでおり、海外活動が必然とも言える今時の若手グループとしては、日本活動においてアドバンテージになるのではないだろうか。

 K-POPシーンにおいて時代を作ってきたSM ENTERTAINMENTの新世代グループとして、今後の活躍を期待したくなるデビューショーケースだった。

■DJ泡沫
ただの音楽好き。リアルDJではない。2014年から韓国の音楽やカルチャー関係の記事を紹介するブログを細々とやっています。
ブログ:「サンダーエイジ」
Twitter:@djutakata

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる