NCT 127、国籍や音楽ジャンルを“繋げる”独自のスタイル 豊洲PiTショーケースを振り返る

NCT 127、独自のスタイルを考察

 5月19・20日の二日間に渡り、豊洲PiTにてNCT 127のショーケースツアー『NCT 127 JAPAN Showcase Tour“chain』東京公演が行われた。

 NCTとはNeo Culture Technologyの略語で、SM ENTERTAINMENTが2016年から「開放と拡張」をテーマに開始したグループプロジェクトだ。SM ENTERTAINMENTの練習生であるSM ROOKIESを中心に構成されており、韓国・中国・日本・アメリカ・タイなど多国籍のメンバーからそれぞれのユニットやコンセプトに合わせて随時メンバーが選出される。メンバーの数や構成は曲によって流動的であり、それが「開放と拡張」というテーマのコアとも言えるだろう。

 2018年度は「NCT 2018」というテーマでデビュー済の15名に新たに3名を加えた18名のメンバーが選出され、年内はその18名の中で各ユニットを組み、活動を行うスタイルになったようだ。

 5月23日に日本デビューしたNCT 127は、ソウルの経度である127という数字を冠している通り、韓国ソウルを拠点とし、グローバルな展開で活躍することをコンセプトにしたグループだ。現在はリーダーのテヨン(韓国)をはじめ、ジャニー(アメリカ)、ユウタ(日本)、テイル、ジェヒョン、ドヨン、ヘチャン(韓国)、ウィンウィン(中国)、マーク(カナダ)という多国籍な9人で構成されている。

 4月2日の福岡公演を皮切りに東京でファイナルを迎えた今回のショーケースツアー。本格的な単独公演は昨年11月のショーケースイベント以来になるため、オールスタンディングの最後方エリアまでぎっちり詰まる盛況ぶりだった。本稿では即日SOLD OUTした19日の模様をレポートする。

 韓国と日本で公開された過去曲のMVを中心に構成されたオープニングVTRが流れた後、韓国で3月にリリースされた「TOUCH」からライブはスタートした。DeezとLDN NoiseのプロデュースによるR&Bテイストの爽やかなナンバーは、ヘビーなイメージが強い従来のパフォーマンスとはまた違った軽やかな側面を見せた楽曲だ。

 続いては日替わりで変わるトークコーナー。まず最初はTwitterと会場で募った質問にメンバーがYES/NOパネルで回答した。「他のメンバーを羨ましいと思ったことがあるか?」という質問にほとんどのメンバーが「YES」を出す中、ウィンウィンは躊躇なく「NO」を出し、末っ子のヘチャンはパネルを出す前に他のメンバーの様子を確認してから「YES」を出していた。大阪出身のユウタが「こういう質問いいですね~」と喜んでいた「女子の髪の長さは長い方が好き?」という質問では「NO」を出すメンバーが多かったが、パネルを縦に持って「どちらでもいい」と答えるジャニー(それを見て真似するヘチャン)や、「ロングとショートのちょうど中間くらいが好きです」、「スキンヘッドがいいです(女性の髪型という部分を聞き逃したそう)」など自由すぎる回答も飛び出した。

 続くジェスチャーゲームでは順調にお題が伝えられていく中、2回目を終えたところでテイルのジェスチャーに対して“動きのクセが強い”という指摘が入る。テイルは「自分なりの解釈を加えたんです。頭の中では(答えは)わかっています!」と弁明し、会場は笑いに包まれていた。

 メンバーそれぞれにキャラクターが窺えたトークコーナーの後は、ファンも待ちかねたライブコーナーへ。

 最初の曲は強烈なトラップベースとパーカッションがインパクトを残すデビュー曲「Fire Truck」。デビュー当時のNCT 127は7人組。後にジャニーとドヨンが加入したため、このメンバーによるパフォーマンスは今回のショーケースツアーで日本初披露となった。続くディスコティークなフューチャーベースソング「0Mile」、ファンキーなサックスのリズムが耳に残るジャジーな「Good Thing」と若いグループ特有のフレッシュさに溢れた楽曲が続いた。

 4曲目に披露された「Cherry Bomb」はヒップホップスタイルのビートを基盤としながらもエレクトリックなアレンジとアーバンR&Bパートが絡み合った複雑な楽曲。ダンス曲でありながらビートメインでボーカルパートが極端に少ないという、K-POPの中でも異色を放つミクスチャーソングと言える。これを複雑かつ頻繁なフォーメーションチェンジのある振付で、一糸乱れぬチームダンスパフォーマンスとして表現できるのが、NCT 127ならではと言えるだろう。

 アップビートなナンバーで熱くなった会場の雰囲気を、やさしく和らげていくようなアーバンスタイルのR&BでNCTのテーマを歌い上げる「Limitless」(日本語バージョン)で本編は終了した。

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