AKB48『Teacher Teacher』が映す“現在のJ-POP” 作家陣とサウンドから分析

 さて、AKB48の「Teacher Teacher」に話を戻しましょう。カップリングのAKB48グループ センター試験選抜による「君は僕の風」は、サビのコード進行の開放感がいかにもAKB48という雰囲気です。

 Type B収録のTeam Kによる「終電の夜」は、サビのメロディが歌謡性を感じさせる楽曲。Type C収録のTeam Bによる「新しいチャイム」、Type D収録のTeam 4による「猫アレルギー」はともに爽やかな楽曲です。

 そんな中でも注目したいのは、Type A収録のTeam Aによる「ロマンティック準備中」。メンバーのボーカルとほぼ同じレべルで男性コーラスが入っており、ファンキーなリズムとともに、ディスコナンバーの作法を踏襲している楽曲です。作編曲は、「ラブラドール・レトリバー」などをAKB48に提供してきた丸谷マナブ。楽曲派におすすめなのはType Aでしょう。

 EDMに傾斜したサウンドプロダクションといい、DA PUMPと重なる作家陣といい、さまざまな面で現在のJ-POPらしいのがAKB48の『Teacher Teacher』なのです。

■宗像明将
1972年生まれ。「MUSIC MAGAZINE」「レコード・コレクターズ」などで、はっぴいえんど以降の日本のロックやポップス、ビーチ・ボーイズの流れをくむ欧米のロックやポップス、ワールドミュージックや民俗音楽について執筆する音楽評論家。近年は時流に押され、趣味の範囲にしておきたかったアイドルに関しての原稿執筆も多い。Twitter

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