関ジャニ∞の“音楽的成長”刻まれたベスト盤『GR8EST』 前作『8EST』からの変化を読む

 2012年10月に発売された『8EST』から約5年半。通算2作目となる関ジャニ∞のベストアルバム『GR8EST』(読み:ぐれいてすと)がリリースされた。怒髪天の増子直純、上原子友康が手がけた「あおっぱな」(2012年9月)から丸山隆平主演の映画『泥棒役者』主題歌「応答セヨ」(2017年11月)までの21曲のシングル楽曲を収録。さらに東京スカパラダイスオーケストラがリアレンジし、関ジャニ∞とコラボレーションした「無責任ヒーロー jam with 東京スカパラダイスオーケストラ」、葉加瀬太郎がバイオリン演奏、ストリングスアレンジで参加した「大阪ロマネスク feat.葉加瀬太郎」という2曲の新録バージョンを収めた本作には、この5年半における、メンバー7人の音楽的な成長がリアルに刻み込まれている。

 まず印象的なのは、さまざまなアーティストとのコラボレーション。SEKAI NO OWARIのSaori(作詞)、Nakajin(作曲)が手がけたロマンティックなバラードナンバー「涙の答え」、宮藤官九郎(作詞)、峯田和伸(作曲)によるパンキッシュな青春ソング「言ったじゃないか」、レキシこと池田貴史による、男の切なさ、情けなさ、心意気がじんわりと伝わるロックバラード「侍唄(さむらいソング)」、そして、さだまさしのペンによるフォーキーなメッセージソング「奇跡の人」。日本の音楽シーンを代表するトップアーティスト(しかもジャンルは見事にバラバラ)たちによる楽曲のテイスト、世界観、メッセージをしっかり汲み取りながら、関ジャニ∞の音楽世界とダイレクトに結びつける。この経験を重ねることで彼らは、その音楽性を大きく広げてきた。本作『GR8EST』には、貪欲でがむしゃら、そして真摯に音楽に取り組んできたメンバーの姿がリアルに反映されているのだ。音楽番組『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系/2015年5月〜)における、音楽シーンを支えるミュージシャン、クリエイターとの交流も、彼らの音楽的な興味を広げた大きな要因だろう。

 また、ロックバンドとしての関ジャニ∞と直結している楽曲が増えているのも、この5年半における変化のひとつだ。濃密なグルーヴを感じさせるベースから始まり、ライブ感に溢れたバンドサウンドが炸裂する「NOROSHI」、ジャジーなピアノ、トランペットによるイントロから豪快なスカビートへと変化する「なぐりガキBEAT」などの楽曲は、彼らのライブでもしっかりと威力を発揮している。野外フェス『METROCK 2017』への参加などを通し、バンドの力量を確実に高めてきた関ジャニ∞。ここ数年の“バンド映え”する楽曲は、プレイヤー/ミュージシャンとしての彼らの成長と密接に関わっていると思う。

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