桑田佳祐、サザン40周年キックオフライブへの思いを語る

桑田佳祐、サザン40周年キックオフライブへの思いを語る

 桑田佳祐がMCを務める『ニッポンハム ムーンライト・ミーティング 桑田佳祐のやさしい夜遊び』(JFN系列38局ネット)。5月26日の放送は「デビュー40周年に向けて、サザンオールスターズ特集!」として、多くの名曲とエピソードが披露される、ファン必聴の1時間となった。

 桑田は冒頭、『1978年といえば、日本の空の玄関口・成田空港が開港、東京の池袋には超高層ビル・サンシャイン60が建ち、原宿には竹の子族が出現。映画『スター・ウォーズ』が日本で初めて公開され、インベーダーゲームが登場した年でした』と、デビューイヤーを懐かしみつつ振り返った。そして、デビュー記念日の6月25日、翌26日に開催されるNHKホールでの40周年キックオフライブが、全国47都道府県の映画館でライブビューイングされることが決定したという、ファンにうれしい報告も。前日にはメンバーが集まり、ライブに向けて打ち合わせや軽い練習を行なったそうで、『まだ曲順も決まっていないのに、ライブビューイングまで先に決まって、不思議な仕事ですよ』とまとめた。

 番組本編は、「浮き沈みの激しい芸能界で、いろいろなことがあったと思いますが、40年間、第一線で活躍し続けたのはすごいこと。まさに国民的スーパーバンドです」と、すべての音楽ファンの思いを代弁するようなメールからスタート。桑田は自身について『スター性やカリスマ性があったらいいなと思うけど、ついぞない』と言うが、一方で、今回の放送ではメンバーに対する信頼を語る場面が多く見られた。

 原由子について、名曲「そんなヒロシに騙されて」のリクエストとともに、次のようなメールが寄せられていた。「桑田さんも常日頃から言われていますが、原由子さんの存在が、サザンの持ち味を足し算ではなく、掛け算となり、大いなる力を出してくれているのだと思います」ーー桑田はこれに対し、『原さんがいないとサザンは動かないから。サポートメンバーやスタッフも、一番彼女を信頼している』と同意。また、ドラムスの松田弘についても、『すごいドラマーだなと思いますよ。あれだけドラムを叩きながら、ライブではコーラスもやる。なかなかいないですよ。彼は音感がいいから、譜面よりも音で覚えて、普通ではないラインも歌えるし、マイクの使い方もうまい』と、その音楽的センスについて言及していた。

 またデビュー時からのファンからは、「40年前、中学2年生の時に親に買ってもらった黒いトランジスタラジオから、衝撃的な生歌が聴こえてきました」と、「勝手にシンドバッド」のリクエストも。これに対して桑田は、『不思議なもんで、毛ガニ(野沢秀行)のパーカッションじゃないと、このグルーヴが出ない。毛ガニがいなければ、私はいなかったというね』と、野沢への信頼も語っている。

 やはり、ファンの関心事は残り1カ月を切った「40周年キックオフライブ」だ。桑田も意気込んで準備に臨んでいるが、ファンからは「凝った演出でなくてもいいんです。ステージで輝くメンバーの演奏、桑田さんの歌声に一曲でも多く酔っていたい。このときをともに迎えられたことをよろこびたい」との声が寄せられていた。『ステージに立つ人間としては、何をやればウケるのか、どんな演出がいいのか、と悩んでしまうけれど、ファンの方にそう言ってもらえると心強い』と桑田。一方で、先週に引き続き届いた「ライブの1曲目は『ネオ・ブラボー!!』にしてほしい」という熱烈なラブコールに対しては、『もう、曲順もあからさまにしていきたくて、会場でセットリストを配っちゃおうと思うの。1曲目は『茅ヶ崎に背を向けて』にしたい』と、突然の予告をしていた。

 番組終盤では2週連続で、池井戸潤原作の初映画化作品『空飛ぶタイヤ』(6月15日公開/松竹)の主題歌として書き下ろされた新曲、「闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて」がフルで放送された。リスナーからは、「楽しみにしていた新曲の全貌が先週、ついに明らかになりましたね。あまりのカッコよさに、映画『空飛ぶタイヤ』の公開前に原作が読みたくなり、本屋さんに直行しました。読み進めるにつれて、桑田さんの歌詞が、この作品の全てを物語っていて鳥肌が立ちました」との声が。桑田は『だって、この映画に影響を受けているんだもん』と事もなげに言うが、映画の公開前から、主題歌が原作と幸福なマッチングを起こしているのは、さすがのソングライティングだと言わざるを得ない。

 また、同じく新曲について、「よく昔から、男は外に出れば7人の敵がいると言いますが、現代はもっとたくさんの敵がいるのかも。男たちへの讃歌ですね。ライブで生歌を聴きたいです」とのメールも寄せられた。これについて桑田は、なぜか森進一のモノマネで『歌います』と一言。冗談めかしながらも、ライブでの初披露を予告していた。

映画『空飛ぶタイヤ』スペシャルムービートレーラー(主題歌 サザンオールスターズ「闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて」ver.)

 お待ちかねの生歌コーナーでは、1982年、全日本有線放送大賞最多リクエスト歌手賞、最多リクエスト曲賞をダブル受賞した名曲「チャコの海岸物語」を披露し、大反響を呼んだ。先週も『40周年を迎えられたのはファンとスタッフのおかげ』と感謝を語っていたが、現在の活動を支えるスタッフへの配慮を忘れなかった。

 懐かしい名曲とともに、リリース時の感動がまだ記憶に新しい「蛍」(2013年)や「はっぴいえんど」(2015年)、さらに充実の新曲もあらためてオンエアされた今回。桑田の才能や実力は誰もが疑わないところだが、本人は自分のことより、メンバーへの厚い信頼を語った。バンドのいい空気が伝わってくる内容で、ライブにも期待が否応にも高まる。次週も引き続き、「サザンオールスターズ特集」と予告されており、どんな楽曲が流れ、どんなエピソードが語られるのか。サザン40周年のキックオフが待ち遠しい。

(文=橋川良寛)

■radiko.jpタイムフリー聴取機能では、過去1週間以内に放送された番組を視聴可能
『ニッポンハム ムーンライト・ミーティング 桑田佳祐のやさしい夜遊び』

■本日より『空飛ぶタイヤ』(6月15日公開/松竹)主題歌「闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて」が全国AM/FMラジオ局でオンエア解禁

■サザンオールスターズ 公式サイト”sas-fan.net

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