BTS『シグナル』、DEAN FUJIOKA『モンクリ』、 Superfly『あな家』…“スリリング”なドラマ主題歌

『あなたには帰る家がある』<<< Superfly「fall」

 Superflyがスキャンダラスな不倫ドラマ『あなたには帰る家がある』(TBS系)に書き下ろした「fall」も、かなり印象的な主題歌だ。ピアノのイントロにドラマチックなホーンが重なり、緩急つけながらSuperflyらしいパワフルなサビへと流れていく様は、さながらドラマ同様のジェットコースター展開。 歌詞の中にも〈地獄〉〈秘密〉〈罠〉など、ドラマとリンクするキーワードもちりばめられ、ストーリーが進むにしたがって、そこに込められた意味をさまざまに解釈できるようで味わい深い。

 また、サイコスリラーの様相を呈してきた最新の展開では、この「fall」のどこかスカッと突き抜けたようなサウンドが、不倫ドラマにありがちな情念たっぷりのバラードよりもむしろハマっていたとも思える。Superfly本人も、「ホーンセクションが奏でるフレーズと私の声の掛け合いが、まるで男女のもつれを表しているかのようで、今までにないヒリヒリしたスリリングさを込められたと思います」とコメント。アーティストの思いとドラマ制作陣の思惑が見事一致した形だ。

 こうしてみると、主題歌があってこそ連ドラの魅力はより引き立つのでは、とも思えてくるほど、どの楽曲もドラマを盛り上げる上でも、また観る者の期待感を煽る上でも、大きな効果を果たしている。最終回に向け、今回挙げた3作品ともそろそろラストスパート。物語と主題歌が生み出す“スリリング”な世界観をじっくり堪能していきたい。

■渡部あきこ
編集者/フリーライター。映画、アニメ、漫画、ゲーム、音楽などカルチャー全般から旅、日本酒、伝統文化まで幅広く執筆。福島県在住。

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