稲垣、草なぎ、香取の映画『クソ野郎と美しき世界』、エンドロールにある“5本目のドラマ”

 この映画には大きな喪失と再生が感じられる。それは、今の3人を投影する人もいるだろうし、今という現代を生きる私たちが感じているものかもしれない。大きな震災で突然日常が壊れることもある。長年愛されていたテレビ番組が突然終了を迎える。人は何かを失いそうになるからこそ、手をつなぐ。それが日本のトップクリエイターたちがつながれば、1本の映画になる。歌を歌えなくなった“慎吾”が、エピソード4で伸びやかに歌う「新しい詩」。その多幸感溢れるシーンは、ぜひ今に絶望する一人でも多くの人に味わってほしい。 クソ野郎だらけのどうしようもない世界だからこそ、世界のどこかにいる仲間とつながれる喜び。それが心を打つ歌になるのだ。

(文=佐藤結衣)

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