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ライブ会場不足、本当に深刻化するのは“東京五輪前後”? 関東のアリーナ&ホール新設の傾向を探る

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本当に会場が不足するのは、東京オリンピック前後? 

 会場不足は、むしろ今後のほうが問題である。東京オリンピック開催に伴い、日本武道館、東京国際フォーラム、幕張メッセ、さいたまスーパーアリーナといったライブ・コンサートに頻繁に使用されている1〜2万人規模の会場が会期前後は一斉に使用できなくなる。ふだんその規模で公演を行っているアーティストは地方・海外公演を行う以外にも、集客を確保するため、その下の規模の会場での複数公演に切り替えることが考えられる。すると、その規模で公演を行っているアーティストが会場を押さえられなくなり、ライブハウスでの複数公演に切り替えていく。その連鎖でライブハウスも空きのない状態になり、日頃ライブハウスを使用しているアーティストたちにもしわ寄せがくることになる。

 2017年は神奈川県民ホールと代々木第一体育館が改修に入り、2018年は東京国際フォーラムホールA、2019年は日本武道館の改修も控えている。東京オリンピック開催前から、特に中〜小規模の会場で会場不足の問題が一層深刻化していくのではないだろうか。

 しかし、今、関東に新たなアリーナやホールが次々とオープンする動きが見られる。一つは、味の素スタジアムの向かいにできた「武蔵野の森総合スポーツプラザ」。2017年11月に完成した収容人数1万人の会場だ。バドミントン・近代五種で使用するためオリンピック会期中は使用できないが、改修中の他会場の穴を埋める場としても重宝されそうだ。神奈川、埼玉、さらには羽田・成田空港からのアクセスもよく、吉川晃司、田村ゆかり、Red Velvet、欅坂46らがすでにライブを開催している。「カルッツかわさき(川崎市スポーツ・文化総合センター)」も2017年10月に完成した約2,000人を収容できるホール。鈴木雅之、ポルノグラフィティ、CHEMISTRY、椎名林檎などがすでに使用しており、定番会場の仲間入りを果たすのもそう遠くはなさそうだ。また、今年7月には東京・有楽町に900人が収容できるヒューリックホール東京もオープンする。

 さらに「東京オリンピック前後」に新設される会場情報も次第にアナウンスされている。千葉競輪場は2020年度を目標にコンサート開催が可能な多目的アリーナへリニューアル、バンダイナムコは2020年を目指し渋谷区に複合ライブ施設を建設することを発表。横浜市西区のみなとみらい21(MM21)地区には、2020年春にぴあが運営する1万人規模のアリーナ、zeppホールネットワークによる2,000人収容のライブハウス型ホール・KT Zepp Yokohamaもオープン。その後2021年度には不動産会社ケン・コーポレーションが運営する2万人規模の音楽専用アリーナの新設も予定されている。

 新設だけではなく、2015年から改修中だった日本青年館が移転し2017年よりリニューアル、2019年には地上6階、地下2階、2,000人収容のホールとして新たに生まれ変わった渋谷公会堂が完成するなど、おなじみの会場が使用できるようになる流れもある。公演数の増加や土日に人気が集中するなど恒常的な会場不足はあったものの、東京オリンピックの開催を契機として、これまで以上にエンターテインメントの発信が活発に行われるような場の確保が急がれる。

(文=久蔵千恵)

      

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