ジャニーズ、radikoエリアフリー&タイムフリー解禁へ ラジオリスナーにもおすすめの番組は?

 昨年あたりからジャニーズ事務所が推し進めている“インターネット改革”にまた一つ加わるものがある。それが、ラジオのネット配信サービスにおける新たな取り組みだ。

radiko.jp 公式HPより

 そのサービスとは、民放ラジオ91局と放送大学が参加するIPサイマルラジオのradiko(radiko.jp)。radikoでこれまでジャニーズの出演番組を楽しむことができたのは、放送時間帯のリアルタイム配信のみだった。しかし、4月1日午前5時以降は有料の「エリアフリー」と、無料の「タイムフリー聴取」にも対応するという。エリアフリーは、月額350円(税別)で全国の参加ラジオ局の番組を聴取できる機能。タイムフリーは、無料で過去1週間のラジオ番組をさかのぼって聴取できる機能だ。radikoは“限られたエリアのリスナー”に向けたラジオというコンテンツを、いつでもどこでも楽しめる“大衆”のものへと発展させたサービスであると言えるだろう。つまり、ジャニーズがこの2つの機能に対応するということは、ラジオを“ファン向け”のものから“大衆向け”のものへと転換しようとする動きとも取れる。

 ジャニーズ事務所は長年の間、肖像権保護の観点などからインターネットでの展開に慎重な姿勢を見せていた。所属タレントのネットでの写真使用不可が最たる例だったが、2018年1月31日より1記事3枚などの条件つきで使用を解禁。その後も3月にはYouTubeでのジャニーズJr.チャンネルの開設、KAT-TUNのデビュー記念イベントをLINE LIVEで生配信するなど、積極的に新たな取り組みを行っている。ジャニーズJr.チャンネルの概要に「ファンは勿論、普段、動画を楽しんで頂いている方にも楽しんでいただけるような映像をほぼ毎日配信していきます」とあるように、積極的にファン以外へのアプローチも強化しているようだ。

 radikoのプラットフォームを通じ、リアルタイムでなくてもラジオを聞くことができるようになる。これまで聞く機会がなかった人にも彼らの番組が届く可能性は高くなることだろう。しかし、熱心なファンの多いジャニーズのラジオ番組は、ファン以外の人々にとっては少しハードルが高いイメージを持つ人もいるかもしれない。ジャニーズに詳しい芸能ライターの佐藤結衣氏は、ジャニーズのラジオを聞いてこなかったリスナーにもこれを機におすすめしたい番組があると語る。

「通勤通学の時間がある方々にはSexy Zoneのメンバーが週替わりで出演する『Qrzone』(文化放送/月~木曜日22:30~22:40)がおすすめです。1回の放送時間が短いので、前日夜の放送を翌朝の移動中にチェックするという聞き方にも向いています。ラジオっ子のみなさんには、関ジャニ∞大倉忠義さんとシンガーソングライター高橋優さんの『オールナイトニッポンサタデースペシャル 大倉くんと高橋くん』(ニッポン放送/土曜日23:30~25:00)。“ジャニーズのラジオ”というよりは“王道の深夜ラジオ”です。ふたりの仲が良く、繊細な高橋さんを大倉さんが開放するトークがとても心地いい時間を作っています。個人的にはTOKIO長瀬智也さんの『SUZUKI presents NAGASE The Standard』(TOKYO FM/月~木曜日16:50~17:00)もドライブのお供におすすめ。音楽へのこだわりや趣味のバイク・車について語っている長瀬さんのイキイキとした感じも微笑ましいですし、どんな些細なお便りにも全力で答えるアツさも裏切りません」

 テレビ全盛期に比べ、タレントのトークを中心とした番組が現象傾向にある昨今。タレントの魅力や人となりを伝えるという役割を補完するものとして、ラジオ番組は今後より注目され、需要が高まっていくことになるかもしれない。インターネットを介する様々な取り組みは、ジャニーズたちの魅力を広く伝える間口となるか。

(文=竹上尋子)

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