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『新山詩織ライブツアー2018「しおりごと -BEST-」』レポート

新山詩織がデビュー5年で咲かせた大輪の花 自信と成長を示したツアーファイナル公演

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 2018年4月にデビュー5周年を迎える新山詩織が、2月12日にマイナビBLITZ赤坂で、『新山詩織ライブツアー2018「しおりごと -BEST-」』のファイナルを迎えた。デビュー5周年を記念して1月31日にリリースした初のベストアルバム『しおりごと -BEST-』の曲順通り、シングル曲をリリース順に披露したほか、KANの「愛は勝つ」や椎名林檎の「丸ノ内サディスティック」といったカバーも披露した特別なステージ。“しおり丸ごと”を意味する“しおりごと”の通りこの5年を凝縮しながら、昔の曲を22歳の今歌うことによって、その成長過程も感じさせるステージを見せてくれた。

新山詩織

 1曲目に披露したのは、メジャーデビューシングルの表題曲「ゆれるユレル」だ。当時の新山はまだ高校生で、大人に対する苛立ちや置かれた状況にどうすることもできない自分への苛立ちが、早口でたたみかけるようなボーカルに集約されていた。その当時楽曲に落とし込まれた透明感やピュアさは、22歳になった今も決して失うことはなく、加えてそこには5年で培った自信に裏付けられた、力強さや頼もしさも感じることができたことは収穫だった。

 新山の楽曲には、デビュー当時から大物ミュージシャンやプロデューサーが関わっている。この「ゆれるユレル」も、プロデューサーの笹路正徳を筆頭に、ドラムは河村“カースケ”智康、ベースは美久月千晴など名うてのミュージシャンばかりがずらりと参加していた。きっと当時の新山は、大人は信用できないとどこかで思いつつ、実力差に思い悩んだり自信を失ったりしながら、親子ほど年齢の離れたミュージシャンたちに背中を押されるようにして、一つひとついろんなことを理解して前に進んでいただろう。しかし5年経った新山は、どこか自信に満ち溢れて実に頼もしかった。大人や社会、自分に対する揺れる思いは保ちながら、しっかりと今を見据えるようにした表現が胸に残った。

 新山に芽生えた自信や頼もしさは、中盤のバンドメンバーと個々にセッションをおこなうように楽曲を披露したコーナーでも感じられた。たとえばキーボードの山本健太の奏でるピアノ1本をバックに、椅子に座ってハンドマイクで披露した「ありがとう」は、5年支え続けてきてくれたファンやスタッフ、この日各地から駆けつけてくれたすべての人への感謝。さらに、「ありがとう」という言葉の裏にある切なさや、その言葉に対する責任や覚悟のようなものまでにじみ溢れていたように感じた。またギターの金子健太郎と2人で、アコギ2本のサウンドにのせて歌を披露した「隣の行方」は、アコギの素朴な音色のおかげで、日常的な情景を歌った歌詞が際立っていて、きっと誰もが少し懐かしい地元の風景を思い出しながら聴いたことだろう。そしてドラムの橋谷田真、ベースの柳原旭、そしてエレキギターを新山という初のトリオ編成で披露した「もう、行かなくちゃ。」は、新山が2人と見合ってテレキャスターをかき鳴らす様子もあって、それが実に様になっていた。ボーカルは歌としゃべりの中間のようなトーンで、少し乾いた雰囲気がこのシンプルなロックサウンドともマッチし、“こんなバンドがデビューしたら絶対にCDを買いたい”と思うほどの雰囲気を醸しだしていた。

      

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