FIVE NEW OLD、DATS、yahyel……国内外問わず活躍しうる“新しいスタンダード”の台頭

 また、Spotifyが独自にプレイリストを制作する「Tokyo Uprising」などのレコメンドに、これまでの日本のロックバンドやJ-POPとは異なる質感の楽曲が多くチョイスされている現実がある。実際に日本でシステムがローンチされた2016年11月頃、The fin.がプロモーション映像とともにプッシュされていて、気軽に聴いてお気に入りに加えたリスナーもいるだろう。洋楽と地続きで聴くことのできる邦楽曲はサブスクリプションサービス独自のプレイリストに取り上げられる機会が明らかに増えている。実際にレコメンド枠から、「バイラルトップ50(日本)」にD.A.N.や、The fin.などの名前を見ることも増えてきた。

 同じチャートに散見される洋楽アーティストを聴いてみるのもいいし、先ほどのThe fin.のように同じプロデューサーやエンジニアが手がけた洋楽を聴いてみるのも、近い嗜好の曲に出会える好機だ。また、アーティストが作るプレイリストや、好きな日本のバンドが所属するレーベルがチョイスするプレイリストなどもあるので、未知のお気に入り海外アーティストの楽曲に出会う機会はいくらでもある。

 これからフジロックやサマーソニックのラインナップが続々決まっていく中、もしこれまで海外アーティストのラインナップにときめきを感じなかった人も、好きな日本のアーティスト経由で、海外のアーティストのセレクションを増やしていけば、夏フェスの楽しみ方も変わってくるはずだ。リスナーそれぞれの音楽の地図が充実することは間違いない。

■石角友香
フリーの音楽ライター、編集者。ぴあ関西版・音楽担当を経てフリーに。現在は「Skream!」「PMC」「EMTG music」「ナタリー」などで執筆。音楽以外にも著名人のテーマ切りインタビューの編集や取材も行う。

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