モー娘。が「ジェラシー ジェラシー」で首位獲得! 2017年度ハロプロ楽曲大賞を振り返る

MV部門

モーニング娘。'17「モーニングみそ汁 (キャンプファイヤー Ver.)」

 ミュージックビデオを対象としたMV部門は、今回からルールが少し変わり、同一曲のバージョン違いはひとまとめで集計される(ただし一人が同じ曲を2バージョン以上投票することはできない)。また、同曲内で一番得点の高いバージョンがランキング表示される。このようなルールに基づいて集計された結果、1位に輝いたのはモーニング娘。'17「モーニングみそ汁」のキャンプファイヤー Ver.だった。

 楽曲自体はマルコメとのタイアップ企画でメジャーデビュー曲「モーニングコーヒー」を替え歌カバーしたものだが、MVはキャンプ地でのオールロケ撮影によるもの。メンバーの素の可愛らしさが詰まった映像で、ノーマルVer.自体も良い出来だが、キャンプファイヤーを囲んだ一発撮りでメンバーのガヤ声がオーバーダビングされた別バージョンに人気が集まった。

 2位のモーニング娘。'17「若いんだし!」もバスに乗って出かけるオールロケ作品。追加映像を加えた「Complete Edit.」を配信限定でリリースするのも珍しい試みだった。その他、やはり楽曲部門で上位に来る曲はMV部門でも上位に来る傾向はあるのだが、1位の「モーニングみそ汁」は楽曲部門だと36位だし、アンジュルム「魔女っ子メグちゃん」はMV部門7位/楽曲部門23位、Juice=Juice「地団駄ダンス」はMV部門8位/楽曲部門14位と、映像がより評価された形となった曲もある。

推しメン部門

 楽曲大賞の参加者による一推しメンバーを集計した推しメン部門。これがそのまま実人気ランキングに重なるとはいえないが、ひとつの指標ではある。ここ数年はモーニング娘。佐藤優樹の1位が続いていたが、今回も1位を獲得。これで3年連続となる。

 2位には娘。を卒業した工藤遥がランクインし、奇しくも「まーどぅー」コンビのワンツーフィニッシュとなった。大躍進を遂げたのは、前年度68位から6位へのジャンプアップとなったモーニング娘。加賀楓。前回2016年の投票期間中は、まだ娘。への加入発表前でハロプロ研修生だった彼女だが、それにしてもこの急上昇には驚かされた。今後は工藤卒業後のボーイッシュ枠需要を引き継いでさらに人気メンバーになっていく可能性もあるだろう。

 以上、2017年度のハロプロ楽曲大賞の結果を駆け足で振り返ってきた。楽曲大賞のノミネート曲の範囲は、前年12月1日〜当年11月30日にリリースされた楽曲が対象。つまり、前述のアンジュルムのBD/DVD限定シングルや、2017年12月6日発売のモーニング娘。'17のアルバム『⑮ Thank you, too』収録曲は今年のノミネートとなる。娘。のアルバム用新曲は軒並みつんく♂作詞作曲で、いずれも評判が良く、これらがもし2017年のノミネートだったらランキングもまた変動があったのかもしれないが、今年の順位にどう作用してくるのかが今から楽しみだ。

 2018年はハロプロ20周年のメモリアルイヤーということで、他の年とは違う特別なリリースがありそうな予感もする。すでにモーニング娘。は20周年記念ミニアルバム『二十歳のモーニング娘。』を発表したし、その他、たとえばハロプロメンバー全員集合の新曲などが準備されているのかもしれない(過去のハロプロ全員参加曲には、2004年の「ALL FOR ONE & ONE FOR ALL!」と2011年の「ブスにならない哲学」がある)。

 ハロプロ外になるが、道重さゆみは「再生公演」の第2弾がすでに決定していてそこからの楽曲リリースが期待できるし、℃-ute解散後にソロアーティストとして今年から活動開始した鈴木愛理は、日本武道館ソロ公演およびアルバムの初夏発売がアナウンスされている。これらの楽曲が入り乱れることになる今年のハロプロ楽曲大賞、どんなランキングになるか今からワクワクが止まらない。今年末も皆さんの参加を是非お待ちしております。

ピロスエ
編集およびライター業。企画・編集・選盤した書籍「アイドル楽曲ディスクガイド」(アスペクト)発売中。ファンイベント「ハロプロ楽曲大賞」「アイドル楽曲大賞」も主催。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「音楽シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる