キズナアイ、狐娘、げんげん……王道から異色まで押さえたバーチャルYouTuberの可能性

げんげんの今年の抱負!

 もちろん萌えキャラだけでなく、げんげんのような異色のバーチャルYouTuberもいる。初投稿では自室で自己紹介する動画をアップしたが、第二回では急に「2018年は第三次大戦終決30周年なんやな」と発言し、初回動画とはまったく違う設定で動画を制作。そのあとも魔王になったり、肉体を捨てるなど、回によって設定を大きく変えた動画を配信している。こうした現実ではありえないシチュエーションを実現できるのも、バーチャルYouTubeならではといえるだろう。また、専門的な分野では、音楽系バーチャルYouTuberとしてミディも登場。コミカルなトークを行いながら、DTMで作曲する模様を解説し、曲が出来上がるまでの過程を紹介している。よくある手法ではあるが、マニアックな話であっても、可愛らしい女の子がアテンドしてくれることで、なんとなく観れてしまう。生身の人間の場合だと、どうしても余計な詮索や先入観を持ってしまうこともあるだろう。そういった先入観を与えず、且つポップに商品などを紹介する手法としても今後は活用されていきそうだ。

 もともとYouTuber文化は、個人が自由にエンタメコンテンツを制作し、それを第三者の個人が自由に楽しむ形で成り立ってきた。そういう意味でも、可能性が無限大にあるバーチャルYouTuberの存在は、YouTube上のエンタメの多様化を推進するコンテンツになり得る。これから先、バーチャルYouTuberがどのような進化を遂げていくのか、その行く末を見守りたい。

(文=泉夏音)

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