ユニゾン、People In The Box、fox capture plan…トリオバンドの魅力を再確認できる新作

Schroeder-Headz『HALSHURA』

 ここからはジャズを軸にしたトリオバンド2組の新譜を紹介。まずは佐野元春、柴咲コウ、Coccoなどのサポートでも知られる鍵盤奏者、渡辺シュンスケによるプロジェクト“Schroeder−Headz”の約2年ぶりの新作『HALSHURA』。人力ドラムンベース的なビート、エフェクティブな音像のトランペットをフィーチャーした「n°33」、80年代後半のパット・メセニーを想起させるメロディが印象的な「ハルシュラ」など、様々な時代のジャズのエッセンスを自由に取り込んだ楽曲が楽しめる。映画『ハローグッバイ』の主題曲に坂本美雨が歌詞を付け、歌唱を担当した「手紙が届けてくれたもの feat. 坂本美雨」、『深層NEWS』(BS日テレ)2016オープニングテーマで、プラネタリウムライブにて「全天周」映像とのコラボレーションした楽曲「HORIZON」も、アルバムに彩りを与えている。

fox capture plan『KOTODAMA -この声をきみに Soundtrack-』

 続いてはfox capture planの新作『KOTODAMA -この声をきみに Soundtrack-』『SEPT』。ドラマ『カルテット』(TBS系)の劇伴を担当したことで注目を集めた彼らはここ数年、堰を切ったような多作ぶりを発揮しているが(2013年から2017年の間にフルアルバム6作を発表)、今回は新たに手掛けたTVドラマの音楽集を2枚同時リリース。NHKドラマ『この声をきみに』楽曲集『KOTODAMA -この声をきみに Soundtrack-』には、エモーショナルな旋律とクラシカルなストリングスが調和した「Talk Me Tender」、レゲエ系のビートとディストーションギターが絡み合う「CAPITAL CHILD」などを収録。そして、オトナの土ドラ『オーファン・ブラック〜七つの遺伝子〜』(フジテレビ系)の楽曲を集めた『SEPT』には、ノイジーなデジタルサウンドとジャズ、ロックを組み合わせたナンバー、静謐なピアノのフレーズを軸にしたバラードなどが収められている。あらゆるジャンルを取り入れながら、ピアノトリオの可能性を大きく広げる作品と言えるだろう。

fox capture plan‪『KOTODAMA』 &『SEPT』‬trailer 2018.01.24 on sale

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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