乃木坂46 桜井玲香が語る“大躍進の2017年”経たグループの今「そろそろ仕掛ける側にならなくちゃ」

乃木坂46桜井玲香が語る“大躍進の一年”

 乃木坂46にとって、2017年はCD売り上げのミリオン達成や、白石麻衣の2nd写真集『パスポート』が女性写真集歴代最高の年間売上到達、東京ドーム公演の2Days開催、『第59回 輝く!日本レコード大賞』の大賞獲得、3年連続の『NHK紅白歌合戦』出演など、一言で語りつくせないほど沢山のトピックと、これまでにない躍進を遂げた一年だった。

 そんな2017年を総括してもらうべく、リアルサウンドではキャプテン・桜井玲香をインタビュー。グループをよく知るライターの西廣智一氏を聞き手に迎え、2017年の始まりに感じた不安やソロ写真集『自由ということ』で得たもの、東京ドーム公演を終えた感想、2018年のグループ・個人としての目標などについて、たっぷりと語ってもらった。(編集部)
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2017年初頭は「変わることに対して不安があった」

ーーここ数年、年末に取材する際は必ずこういう話になりますが……特に2017年は、本当にすごい1年でしたね。

桜井玲香(以下、桜井):すごかったですね(笑)。本当にすごかったと思います。

ーー中でも今年は、実績が伴った1年だったのかなと。

桜井:本当にそうだと思います。何かしらの賞や数字で結果を残せた1年だったので、今までで一番意味のある年だった気がしますね。

ーー桜井さんの2017年はソロ写真集『自由ということ』の撮影から始まりましたが、2017年はいつもと違う1年になりそうだなとか、当時そういう予感はありましたか?

桜井:年明けは正直「今年は絶対に良い年になる!」みたいな感覚はなかったです。むしろ、私個人もすごく悩んでいた時期で、メンバー的にもグループ的にもちょっと不安を感じながら年越しした感覚が私はあって。なので、まさかこんな逆転というか、ここまで良い1年になるとは思いもしなかったです。

ーーその不安というのはなんだったんですか?

桜井:具体的にこれというのはなくて。口では「良い年になると思います!」なんて前向きなことは言うけど、それを心の底から思えているかというと……ちょっと引っかかるところがあって、モヤっとしていたかなという印象ですかね。卒業メンバーも増え、3期生も入って変化がどんどん大きくなっていきそうなタイミングだったし、「まあ大丈夫だろう」と思う自分がいつつ、やっぱり変わるってことに対して不安もある、というモヤモヤした時期でした。

ーー桜井さんは2017年が明けたタイミングに、メンバーに向けて「今年は笑顔の多い1年にしよう」と話したそうですが、それは今話したような不安もあったから?

桜井:言いましたね。うん、そういうことだと思います。

ーーそんな年明けから写真集撮影があり、映画『あさひなぐ』の準備が始まり、2月のバースデーライブの準備があったりと、2017年序盤はかなりハードな時期でしたよね。

桜井:すごいハードでした。個人的に、この6年間で一番ハードな時期だったと思います。今振り返ると全然なんですけど、あのときは本当に苦しい瞬間が何回かありました。

ーーそれは、仕事的に大きなものがいくつか重なって?

桜井:そうです。ライブに映画に、初めて経験するなぎなたの稽古だったり、私個人では写真集の発売もあったし、4月から『テレビでハングル講座』(NHK Eテレ)のレギュラーも始まって。あの番組も完全にお勉強をさせていただくものだったので、その行き来だったり予習だったりで、本当に睡眠時間が足りなくて(笑)。いや、すごく充実していたんですよ。と同時に、「やっぱり芸能の仕事って体力がいるな」とも実感しました(苦笑)。

ーー体力と、それを乗り越えるための精神力ですよね。やっていること一つひとつの内容がバラバラですし。

桜井:そうなんですよね(笑)。私に限らず、本当にみんなすごいな、器用だなって思います。

ーーそれはこの6年で鍛えられたってことなんでしょうかね? それとも、もともとそういう素養を持ち合わせていたんでしょうか?

桜井:鍛えられているんだと思います。プラス、やりたくて自分から選んでやっている仕事だから、頑張れるっていうのもあるのかもしれません。

「先に人気が出てからやっと音楽に注目してもらえた」

ーーなるほど。しかもその期間はシングルの制作期間も重なって、さらに大変なことになっていたわけですよね。

桜井:大変でした(苦笑)。ヤバい、記憶が全然……『逃げ水』(2017年7月発売の18thシングル)って夏ですよね? その前って……。

ーー『インフルエンサー』(2017年3月発売の17thシングル)ですね。

桜井:あ、『インフルエンサー』だ! あれが本当につらかったー(笑)。

ーー皆さん、本当にそうおっしゃいますよね。

桜井:だって、あんなにメンバーが泣きながら撮るMVって、最初で最後なんじゃないかな。本当にダンスが難しくて、おまけに時間も限られていたし、初めて撮影中に「ああ、これは一度抜けないとダメだ」って思うところまで行ってました。

ーーでもその結果、あのシングルでちょっと一段上まで行けた印象もありますし。

桜井:本当ですか? そういう感覚、あんまりわからなくて。

ーー実感はないですか? 周りからの反響を受けてとか。

桜井:いや、なんか年末はやたらとこの曲をやるなとは思っていたんですけど。

ーーそういうことなんだと思いますよ。インパクトや見応えという点もそうですし、実際いろんな場所で耳にした曲でしたし。

桜井:よかった。それは素直に嬉しいです。

ーー実売で「サヨナラの意味」に続きミリオンに到達した事実もありますし。そこを目指していたかどうかは別として、ミリオンはひとつの到達点ではあると思うんです。その実感というのは今ありますか?

桜井:『インフルエンサー』がミリオンを達成した実感は正直なかったですね。周りの方々から言われても、メンバー自身はそこまで考えられていなかったというのが正直なところです(笑)。

ーーとはいえ、楽曲を耳にする場や機会は以前よりも確実に増えている。その認知という点では、2016年までとは違うと思うんです。

桜井:それはもう、私たちの場合は逆ですよね。音楽からグループを認知されるんじゃなくて、先に人気が出てからやっと音楽に注目してもらえるっていうパターンだと思うので。やっと人気の地盤を作ったから、そこから目指す次のステップとして音楽があったのかな。正直、今までは「なんで国民的ヒット曲が生まれないんだろう?」とか「いい曲なのに、なんでカラオケでいっぱい歌ってもらえないんだろう?」とか言ってたけど、要は認知度が足りないから曲を聴いてもらう機会がなかったわけで。今はCMとかたくさんやらせてもらっているし、メンバー個人の知名度も上がってきているので、やっとそこを入り口に、今度は乃木坂46の持つ独特の楽曲に注目してもらえるタイミングになり始めているのかもしれませんね。

ーー今の音楽業界ってヒットの構図がひと昔前とは変わっていて、「売れている曲」=「認知度の高い曲」とは限らない。そう考えると、乃木坂46の曲に興味を持たれ始めているという状況は、前向きに考えるとすごく好状況じゃないかという気もするんです。

桜井:なるほど。確かにそうかもしれませんね。

ーー以前から乃木坂46の皆さんは「国民的ヒット曲が欲しい」とよく口にしていましたし、実際桜井さんもそう発言していたと思います。その気持ちは今も変わってない?

桜井:はい。せっかくだったら代表的な1曲が欲しいとは思います。説得力がありますよね、やっぱり「この1曲」というのがあれば。せっかく音楽活動をしているんだったら、1曲ぐらいは皆さんの携帯に入っているような代表曲が欲しいなと。でも、いかにして国民的ヒット曲を生み出すかということになると、それはもう自分たちの領域の話じゃなくなってくるので。そこはもうスタッフさんたちに託すしかないかなと(笑)。でも、そのために私たちは人気や知名度をどんどん上げるために頑張らないといけないわけですし。なので……(スタッフに向かって)良い曲をたくさんください!(笑)。

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