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ちゃんみな、RIRI、FAITH、ニトロデイーーグローバルに飛躍しうる、10代の原石たち

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 邦楽シーンで“オルタナティブ”という価値観が塗り替えられようとしている。特に10代アーティストの勢いが頼もしい。ジャンルが細分化したことで、様々なアーティストの表現スタイルが広がっているのが特徴だ。それらを総括する言葉として“オルタナティブ”という言葉がふさわしく感じる。ある種、2017年を起点とする“サブスクリプションサービス活性の以前以後”という時間軸でも分けられるかもしれない。誤解を恐れずに言えば、多くのフォロワーを生んだフェス全盛時代に多く見受けられたメインストリーム、BUMP OF CHICKEN、ASIAN KUNG-FU GENERATION 、RADWIMPSらの強すぎる影響力からの脱却だ。

 かつて40代以上のコアな音楽ファンが月に数万円以上をレコードやCDにつぎ込んできたことを考えると、現在はサブスクの普及で月1,000円程度で、音楽を幅広く楽しめる時代が到来した。そして“いまの10代”は、生まれながらのネットネイティブであり、音楽面において新譜も旧譜も、YouTubeなどを通じ時代を超えてごくフラットに楽しんできた世代だ。表現者予備軍はもちろんや、アーティスト自身が受ける音楽的影響、映像を通してライブを疑似体験する機会などは明らかに増えたことだろう。結果ユニークなのが、洋楽全盛時代と呼ばれる1994年前後を起点としたNirvana、Blur、Radiohead、Weezer、Green Dayなどの洋楽アーティストからの影響が若い表現者世代に多く見受けられることだ。

 しかし一方、受け手であるリスナーサイドとしては情報量が多すぎて自分の好きな音に出会いづらくなっている。そんな時に便利なのが信頼を持てる音楽セレクター=プレイリストを持っておくことだ。そこで、プレイリストが使い勝手のいいSpotifyが機能する。世界最大のサブスクリプション型音楽サービスSpotifyでは、毎週のように新人アーティストのリリースが注目されている。アンテナを張っているコアな音楽ファンであれば、毎週水曜日と金曜日に『ニューリリース』のコーナーをチェックし、ひたすらお宝探しのように新たな出会いを探っているのだ。昨今では、プレイリストを解説する『DIGLE(ディグル)』(https://digle.tokyo)のような音楽共有に特化したキュレーションメディアもあらわれはじめた。

 注目すべきは、新譜やニューカマーのアーティストは話題性が高く、プレイリストにもセレクトされやすいこと。ことSpotifyでいえばフォロワー11万6千人を超える「Tokyo Rising」がその筆頭だ。ひとたびセレクトされると海外でも知られるきっかけとなる。もはやバスで全米ツアーをする前に海外進出のきっかけはふとやってくる、ということだ。放送局に変わるメディア、ジャンルごとに対応するプレイリストをはじめイベント連動するニューカマーに特化したプレイリスト「Early Noise」やSNSで話題の曲を独自のアルゴリズムによってランキング化して紹介する「バイラルトップ50(日本)」の存在もユニーク。

 サブスクの普及により、キャリアや年齢に関係なく、音楽として優れていれば世界的に注目されるチャンスが増えたといえる昨今の音楽シーン。実際、Spotifyをきっかけに、これまでAmPm、CHAI、DYGL、ビッケブランカ、ゆるふわギャング、あっこゴリラ、向井太一、ドミコ、Attractions、King Gnu、フィロソフィーのダンスなど、数々のアーティストがシーンで知られるきっかけを手にしてきた。そして今この瞬間も、フレッシュさと才能を持ち合わせた次世代のスター候補が生まれ続けている。本稿では、そんな世界への飛躍が期待される日本のシンガーやバンドを、“世界が注目すべき、10代の原石たち”として紹介したい。

RIRI

RIRI「RUSH」MV

 1999年生まれの現役女子高生シンガー。2011年にホイットニー・ヒューストンらを手がけてきた大物プロデューサー、デイヴィッド・フォスターが主催したオーディションに出場し、ファイナリストに選ばれた経歴を持つ。そんな彼女は、2018年2月14日にメジャーデビューが決定している。1stアルバム『RIRI』は、デーモン・シャープ、ブライアン・ソコといった名だたるプロデューサーとLAでセッションを重ねて制作。影響を受けたというビヨンセやDestiny’s Childなど、往年のブラックミュージックを取り入れたサウンドと、パワフルで情感豊かな歌声が印象的なナンバーが収録される。さらに、鬼才Seihoによるリミックス「RUSH -Seiho Remix ver.」にも注目したい。

FAITH

FAITH「Take me away from here」MV

 長野県伊那市を拠点に活動する平均年齢17歳。現役高校生で3名が日米のハーフというメンバー構成。ニューカマーの登竜門、今夏の『未確認フェスティバル2017』ファイナリストでもある。90年代ポップパンクの影響を感じるサウンドが特徴的なバンドで、10代特有のみずみずしさが溢れるドリチュラーあかりのボーカルも印象的だ。11月に初の音源として1stミニアルバム『2×3 BORDER』を全国流通したばかりなのだが、完全セルフプロデュースというから驚きだ。歌詞は全編英詞、作曲はメンバー全員で行っており、全体としてポップにまとまっていながらも、各メンバーのルーツミュージックが顔を覗かせるバラエティに富んだ一枚となっている。Spotifyのプレイリスト「Edge!」、「Early Noise」、「Rock the world!」、「J-POP新幹線」でのセレクトや、Apple Musicのピックアップ・アーティストに選ばれるなど早速ストリーミングで伸び始めている、海外からの注目も期待される逸材だ。

ちゃんみな

ちゃんみな (CHANMINA)「CHOCOLATE」MV

 恐るべき19歳。アンファンテリブルな存在として練馬のビヨンセ=ちゃんみなを忘れることはできない。新作ミニアルバム『CHOCOLATE』では、前作から引き続きプロデューサーを担当するRyosuke “Dr.R” Sakai経由で実現した海外制作が功を奏したのか、マスタリングエンジニアにジェイ・Z、チャーリー・プース、カルヴィン・ハリス、カリッドなどの最新作を手掛けたデイブ・カッチが参加。昨今のUSチャートのトレンドでもある、耳に心地良いサウンド感が気持ちいい。日本語・英語・韓国語を話し、世界を見据えて活動するちゃんみなは、確実にレベルを上げてきている。「CHOCOLATE」のMVでは、地元の先輩であるD.O(練マザファッカー)が客演していることも見所だ。

ニトロデイ

ニトロデイ「青年ナイフ」MV

 2016年 3月結成。神奈川を拠点に活動する男女混同4ピースバンド。2016年12月、ロッキング・オン主催『RO69JACK』で優勝したことで知られることになる。90年代のオルタナティブロックからの影響が大きく、十代特有の感覚で書かれた日本語によるフラストレーションの高まりを抑えきれない初期衝動な歌詞の魅力が熱い。ライブでよりその効果が発揮される凍てついたギターフィードバックによるノイズなど、等身大のリアルを感じるエモーショナルなサウンドや叫ぶようにも聞こえる歌声に注目したいメンバー全員10代の逸材だ。まずは、2017年7月にリリースされたデビューEP『青年ナイフep』をチェックすべき。激しくも青く、そして儚い楽曲の美しさに圧倒されることだろう。

ふくりゅう
音楽コンシェルジュ。Yahoo!ニュース、J-WAVE、ミュージックマガジン、Spotify、KKBOX、音楽主義などで書いたり喋ったり選曲したり考えたり。著書は『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)。
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