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1stアルバム『回転する』インタビュー

Ivy to Fraudulent Gameが語る“音楽を描く”理由 「マイナスなものをプラスに変えられる」

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歌えないなと思う歌詞も今までにあった(寺口) 

ーー作品の中でもっとも印象的だったのが、1曲目の最後〈Contrast with your beauty.(あなたの美しさと対比。)〉という言葉から2曲目「最低」に入る瞬間でした。歌詞が頭にダイレクトに入ってくると言いますか。この繋げ方はなにか意図的なものなのでしょうか?

福島:そうですね。一枚でドラマができるような意義がある流れというか、アルバムをひとつの作品として成り立つようにしたかったんです。僕はそれをすごく意識してたので、ああいうアプローチになりました。

ーー8曲目に収録されているバンドキャリアの中で最も短い曲「何時か / sometime」(18秒)も同様の役割を果たしている?

福島:インストは一曲というよりは、アルバム全体をまとめ上げる存在として作りました。一曲一曲で勝負することや、それぞれの曲のクオリティというのも、もちろん大事なことなんですが、僕は聞く側としてアルバムをひとつの作品として捉えたくて。それにより楽しさや感動を覚えてきたので、僕が受けたものを同じように与えたいという気持ちがあったんです。

ーー作詞からも、ひとつの物語のようなドラマ性を感じます。「最低」の歌詞<投げられた賽(さい)を拾って/僕は匙を投げた>など語感がよかったり、印象的なフレーズだったりと独創的な世界観が広がっていますよね。どのように書き上げているのでしょうか?

福島:言葉遊びもしますが、僕はその時々で本当に自分が感じたことや思ってることを歌詞にしています。日常の中で、iPhoneのメモに書き溜めていくんです。もちろん本などもたまに読んで表現の模索はするけど、書いてあること自体は自分の中にあるものですね。

ーー寺口さんは福島さんが作った歌詞をどう解釈していますか?

寺口:福島とは何年も一緒にいるので、人間性とか諸々わかるんですが、彼にとって音楽を作る上での原動力になってるのは、基本的には内に秘めてるもどかしさだと思うんです。ネガティブな感情が形を変えて、曲として素晴らしいものに生まれ変わってると言いますか。曲の解釈でいうと、ディスカッションをあまりしないので、詞を読んだ時に俺が思ったことをそのまま表現しています。たとえば歌詞の中に、彼にとって希望なのか失望なのか、どちらでも捉えられる言葉があった場合、俺は自分の中で出した答えを歌います。ディスカッションしたら、より具体的にイメージが固まるとは思うんですが、そうすると俺が歌う意味っていうのが薄くなってしまう気がするので。自由にやらせてもらっていますね。だから、福島が作ってて本当に感動できたものを俺たちに提示してくれれば、何の文句もありません。でも、中には歌えないなと思う歌詞も今までにあって、「今、俺は歌わない」と言ったこともあります。まあ……少ないですけどね。

ーー“歌えない”歌詞というのは?

寺口: 今やってる曲で言えば「故郷」ですね。サビで「<これでよかったんだ>」という歌詞があるんですが、曲ができた当時の俺からしたら妥協というか、ちょっと悲しい意味に受け取ってしまって。だから、その時は歌うことに抵抗がありました。歌う心境で曲の捉え方って変わるんですよ。その時のメンタルによっては、やりたくないとか歌えないってこともあるんですけど、それ以外の理由で歌詞を変えてもらった曲もありました。歌う側としての責任というか、違うなと思ったまま歌っていても、嘘っぽくなってしまうだけなので、曲自体が薄っぺらくなる気がするんです。聞いてる人の心にも入っていかないと思うので、そこは素直に本音で話しています。でも基本的には、7年一緒に音楽をやっていて、同じ景色を見てきたので、心境が同じであることがほとんどです。

福島:僕はデモを完璧に作って渡すので、そこからの解釈に関しては各々に任せてます。だからどう歌うとか、それはもう本人次第っていう。それがこのバンドの面白さでもあるのかなと。

ーーたとえばギターのフレーズなど、歌詞以外に福島さんが作ってきたもので違うなと思うことはあるんでしょうか?

大島:多分リョウタロウも一緒だと思うんですけど、ないです。かっこいいので。だから僕たちは、いつも福島が作ってくるフレーズを覚えるところから始めます。

カワイ:音に関してはそうですね。

福島:歌詞に関しては、違うってなるのもわかるんですが、音で違うなってなったらもう一緒にバンドやれないんですよ。

カワイ:このフレーズはギターがこうだからベースはこうだとか、彼の中でしっかりと考えられているので。だから、曲としての一貫性は、他のバンドよりも頭抜けてると思っています。僕はそこを崩したくないし、フレーズとかに関しては、そもそも違和感がないですね。ただただかっこいい音楽ができてるとしか思わないです。

カワイリョウタロウ

聴く人それぞれの解釈でいい(福島)

ーー自分たちがいいと思う音楽を作り続けているということですが、みなさんが“いい”と思う音楽とは具体的にどのようなもののことを指すのでしょう。

福島:僕は自分が感動する音楽です。心が動くかどうかっていう。基準があるわけではなくて、聴いた時に「あ、なんかいいな」ってなる、その何かを突き詰めていく感覚ですかね。好きやかっこいいに理屈をつける人って、そんなにいないんじゃないかな。自分が本当に感動するものを作るからこそ、ほかの人にも思いが伝わると思っています。

ーーそんな福島さんの感覚を、寺口さん、カワイさん、大島さんは、7年間で徐々に共有していったのでしょうか。

寺口:解釈が違うことに関しては、不正解だとも思ってないので。ただ、7年間俺は彼と同じ景色を見てきたし、同じトンネルに入ってくぐり抜けてくるような経験を何度もしてるので、彼が作ったものをこと細かく研究したり、わざと寄り添ったりすることは意識的にやっていませんね。

福島:リスナーも同じで、それが正解だと僕は思っています。僕がどう考えているかは関係なくて、聴く人それぞれの解釈でいいと思うんです。それはメンバーみんなもそう。そういうスタンスでやることによって、演奏する側とリスナー側が同じ感覚を共有できる気がします。

ーー表現者かつ発信者であって、その感覚は受け手とも同じである。多分そういうところがIvy to Fraudulent Gameの強みなのかなと思います。

福島:僕は普段からどうでもいいようなことに不安を抱いたりしてるんですけど、それってすごく嫌じゃないですか。でも、そういうマイナスなものをプラスに変えられるのが、音楽だと僕は思っていて。それが僕にとってはすごく魅力的に感じるし、それを寺口の言葉で発信することによって、聴いた人が感動する姿を見て、僕は救われるんです。そういうサイクルの中で音楽をやれるのは、すごくいいなと思います。だから、これが僕が音楽を描く意味でもありますね。

(取材・文=戸塚安友奈/写真=外林健太)

■リリース情報
『回転する』
発売:2017年12月6日
【初回限定盤(CD+DVD)】
特殊パッケージ仕様+76Pブックレット付属
2017年9月に開催されたシークレットライブの映像を収録
¥2,800(税抜)
【通常盤】
¥2,300(税抜)
<CD収録曲>
M1:Contrast with your beauty.
M2:最低
M3:何処か / somewhere
M4: 青写真
M5:dulcet
M6:+
M7:アイドル
M8:何時か / sometime
M9:革命
<DVD収録曲>
M1:Utopia
M2:Dear Fate,
M3:劣等
M4:E.G.B.A.
M5:夢想家
M6:青二才

■ツアー情報
12月9日(土) 札幌COLONY
12月16日(土) 仙台MACANA
12月17日(日) 新潟RIVERST
2018
1月13日(土) 福岡Queblick
1月14日(日) 広島CAVE-BE
1月20日(土) 高松DIME
1月21日(日) 金沢vanvanV4
1月27日(土) 梅田CLUB QUATTRO
1月28日(日) 名古屋CLUB QUATTRO
2月3日(土) 赤坂BLITZ

オフィシャルサイト

 

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