BOYS AND MENが考える、グループの“今”「引き出しは増えたけど、軸にあるものは変わらない」

ボイメンが考える、グループの“今”

バラエティパックみたいだから、聴いてても飽きない

――今回はユニット曲もいくつかありますが、誠(本田・勇翔・平松・土田拓海・吉原雅斗)の「DOGI MAGI」は、もうライブでも披露してるそうで。

平松:そうなんですよ。キュートで、爽やかで、かつ、キャピキャピしなきゃいけない曲です(笑)。

本田:僕たち誠が最初に出した「READY×READY!」(2012年のシングル『変わらないStory/READY×READY!』収録)って曲があるんですよ。当時は5人中4人が10代だったんですけど、その頃に歌ってたようなキャピキャピした曲をもう一回誠で歌ってみよう! というコンセプトで作ったので。頑張ってキャピキャピしました

――まだみなさん20代前半~中盤ですけども、もうそういうテンションじゃなくなってるということですかね?

勇翔:普段の僕たちでいうと、もうキャピキャピではなくなってるかもしれない(笑)。

本田:「READY×READY!」が、結構ライブで盛り上がれるような曲になってるんですけど、それよりもさらに盛り上がれる曲を、というのがこの曲を作ってもらったきっかけですね。曲中でお客さんに声を出してもらうようなポイントが結構あって、僕たちはマイクを持たずにお客さんに「ここ歌ってね!」みたいな箇所もあるので、ライブではかなり盛り上がるんじゃないかな。

平松:いわゆるコールって、「ここでこういう盛り上げ方をしよう」ってファンの方同士で相談して自然に生まれるものだと思うんですけど、これはCDの段階からコールがもう入ってるんですよね。だからすっごいわかりやすいと思います。

――なるほど。YanKee5(水野・田中・田村侑久・辻本達規・小林豊)の「アイコトバ」は、サウンド的には情熱的なロックナンバーですね。

田中:これも誠の「READY×READY!」と同じシングル収録の「変わらないStory」から成長した男を描いたラブソングになるんですよ。“好きな女性に気持ちを伝えたいのに、上手く伝えられない”っていう不器用な男が主人公だったんですけども、「アイコトバ」では、そんな男にも寄り添ってくれる女性ができているんですね。“まだ上手く気持ちは伝えられないけれど、2人にだけわかる合言葉があって……”というストーリーで。この2曲を組み合わせると、不器用な男の成長物語みたいになってるんです。これって、僕らを応援してくれるファンの方たちに対しての気持ちでもあるんですよね。僕たちはパフォーマンスもまだまだ下手くそですけど、気持ちを込めて何事にも臨んできましたし、ファンの方々とも向き合ってきましたし。僕たちと、ついてきてくれるファンの方々の合言葉じゃないですけど“つなぐものがあるんだよ”と歌っている歌でもあるなと思うので。僕たちが成長した証といえる曲なので、気持ちを込めて歌わせていただきました。

本田:誠には「アイコトバ」みたいな胸にぐっとくる系のラブソングがないので、うらやましいなとも思います。お客さんが感情移入しやすい一曲でしょうし。

――平松さんと吉原さんコンビの「夢で終わらないで」はしっとり聴かせる曲でまたカラーが違いますが、どういう経緯で入ることになったんですか?

平松:今までにもアルバムだといろんなチームで歌ってきてるんですけど、今回はいつものボイメンの枠の中じゃなくて「もっと違う雰囲気も出せるんだぞ?」っていうのをこのアルバム一枚で出したいなということで。僕らが今まで歌ってきていないR&Bテイストで、大人な雰囲気の曲でしたし、だいぶ苦戦はしたんですけども。

――現代的なこの曲が「UFO」や「共ありて・・」と同じアルバムに入るのもまた不思議なんですが、しっかりなじんでるんですよね。

平松:ジャンルというより、共通点としていろんなとこに振り切ってるというのはあるかもしれないですけど。例えばこの曲なら、今まで「ボイメンってガツガツ系でこってりしてるし私はちょっと……」と思ってた人たちも「あれ、こんな曲もあるの?」って、ちょっと振り向いてくれるんじゃないかと期待してますし。現時点ではまだどこでも披露してないので、反応がすごく楽しみなんです。絶対にモテると思うんですよね? この曲。

勇翔:自分で言いましたが(笑)。

本田:ボイメンらしからぬおしゃれなサウンドで、チームの可能性を広げてくれる曲でもあるんですよね。雰囲気だけじゃなく、歌詞の切なさも女子に響くんじゃないかと思うんです。

――こういう曲が入ると、楽曲や歌い回しの幅も表現できるグループだという証明にもなりますよね。芸達者なボイメンのみなさんなら、この引き出しの多さも納得できるというか。すごくボイメンらしい一枚なんじゃないですか。

平松:バラエティパックみたいだから、聴いてても飽きないでしょうね。曲ごとにいろんな方向から僕らがあの手この手を繰り出してくるんで。次はどんな曲だろうってワクワクするでしょうし、盛り上がりとクールダウンみたいな緩急がちゃんとあるので。

田中:……言われると確かに『友ありて・・』はボイメンを表してるかもしれませんね。改めて考えると、僕たちは10人いるけど本当に個性豊かで。濃すぎるというか、みんな鬱陶しいくらいに我が強くて「なんでこいつらと一緒にいるんだろう?」って思っちゃうような、本来は交わらないはずだった10人だと思うんですよ。それが一緒に8年もやってるので……それと同じようにこのアルバムも、交じり合わないような曲がこうやって一枚になっているので。

――沢田研二さんの「TOKIO」のカバー(「NAGOOOOOYA」)だってやっちゃうし。

平松:あの曲はiTunesで47都道府県全部のバージョンを出してるので、全国どこに行っても歌えるんですよね。このあいだ埼玉で学園祭に出させていただいたときに「SAITAAAAAMA」を歌ったら、めちゃめちゃ盛り上がったんですよ。その土地土地の曲を持ってるっていうのは強みだなって思います。

本田:オリジナルバージョンだと名古屋愛は忘れてないよっていう証明にもなると思うので。この曲の存在も凄く大きいですね。こういったカバー曲で、幅広い世代の方に届くエンタメをボイメンなりに表現できるんじゃないかと思いますし。

平松:そう、家族で聴けますしね。「UFO」なんかは、僕らも振付していただく前から踊れたもんね。

――あれだけ振付が世間に浸透した曲を、ダンスではどうカバーするのかなと思ったら、オリジナルを忠実に再現されてましたね。

平松:偶然にもずっと僕らの振付をしてくれてた渡辺美津子先生が、ピンク・レディーさんの振付をしていた土居(甫)先生という方の一番弟子だったんですよ。振り落としを美津子先生がピンク・レディーさんにしてたりだとか、そういうつながりもあったんです。なので楽曲はもちろん、ダンスも含めてその時代が完璧に再現されてるんですよね。

勇翔:そこにも運命的なものを感じましたよね。先生も喜んでたし。

――ダンスの面も含めて縁遠からぬ曲だったんですね。他にも「明日は明日の風が吹く」、社会人女子にエールを贈るような「ガンバレFor My Girl」などの新曲があります。

本田:今までは「お前もっと気合い入れて頑張れよ!」みたいな強めの曲が多かった中で、「ガンバレFor My Girl」は聴いてくれる方々と同じ目線に立って、優しくエールを贈る……という励まし方を、初めてボイメンが覚えた記念すべき曲ですね。

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