欅坂46 織田奈那、ファンとメンバーを魅了する求心力 ムードメーカーとしての活躍に注目

 『欅って、書けない?』(テレビ東京/以下『けやかけ』)の11月19日放送回にて、欅坂46の織田奈那が「どんどん自分の女子力が上がってる気がして」と発言し、ファンから注目を集めた。これまでムードメーカーとして欅坂46を牽引し、メンバーや同番組のスタッフからも厚い信頼を得ている織田。本稿では、欅坂46とお茶の間の距離をグッと近づけた功労者である彼女の活躍を考察したい。

欅坂46『風に吹かれても』(Type-A)

 『けやかけ』に初登場した際は、好きな四字熟語に「因果応報」をあげ、その理由を「世の中そうであれって思っています」といきなり名言を生み出した織田奈那。その後もバラエティでは率先して発言するポジションになり、デビューから間もないにも関わらず、MCがオチを任せるような存在に。

 同番組の企画「インテリ女王決定戦」では、トーク中に間違えて回答ボタンを押してしまった織田に、MCの澤部佑(ハライチ)が「織田さんどうしました?」と聞くと、すかさず「越後製菓!」と機転の利いた回答を披露。その際は、「越後製菓」というワードがTwitterでトレンド入りするほどの影響力を見せた。そのほかにも、ディズニー映画『魔法にかけられて』の面白さを伝えるために、挿入歌「想いを伝えて」を本気で歌いながら、澤部と即興ミュージカルを行ったり、けやき坂46の2期生 丹生明里がクールポコのモノマネを披露した際は二つ返事で相方役を引き受け、逆に後輩を食ってしまうという活躍を見せた。キャリアを積み、グループ内でも突出したバラエティ能力を見せる織田の技は、テレビの向こう側にいるファンをいつも楽しませている。

 初期の欅坂46のメンバーは、他のアイドルグループに比べてシャイで、前に出てくるタイプが少なかった。トークを振れば結果を残してくれる織田は、バラエティ部門を一気に背負った貴重な存在だ。デビュー当時は“笑わないグループ”としての印象も強かっただけに、明るく柔らかい印象を世間に与えるきっかけを作った織田の貢献は、欅坂46にとても大きなものだっただろう。

 また、平手友梨奈がMCのラジオ番組『欅坂46 こちら有楽町星空放送局』(ニッポン放送)では、そのトーク力を見込まれてなのか、ゲスト出演する回数がグループ内で一番多い織田。平手が欠席する際はその代打をこなしたりと、いざと言う時に頼れる存在であることも伺える。メンバーの渡邉理佐は、「オダナナは全てを受け止めてくれる」と語り、ほかのメンバーも何をしても怒らない、人の話を聞いてくれる(ただし人の話を聞いてないことも多い)、お母さん的存在と解説。メンバーから日常的にイタズラをされることが多く、いじられキャラとしてもメンバーから愛されている。本人が出演していないにもかかわらず、10月21日に放送された『シブヤノオト』(NHK総合)で石森虹花は「欅坂の楽屋は織田奈那いじりが激しく、それでけっこうわちゃわちゃしている。すごい面白い」と語っていた。多くのメンバーと絡める中心人物的存在の織田は、グループの潤滑油として、欅坂46の中での重要な役割を担っていると言える。

 メンバーから好かれる織田自身だが、彼女自身は小林由依にストーカー的な愛情を注いでいる。織田が小林の魅力を紹介するためのブログ「ぽんかんさつ」は、11月21日現在#40まで連載が続いているほど。比較的クールな小林だが、織田の絡みや暴挙には感情豊かに対応。織田というフィルターを通すことで、メンバーの人間味が引き出され、より魅力的に彼女たちのひととなりを見せることができている。

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