乃木坂46 西野七瀬は涙の分だけ成長してきた 映画『あさひなぐ』とグループの親和性

 栄光の影には、人知れぬ努力があるように、西野は涙の分だけ成長してきたと言える。印象的だったのが、今夏リリースの18thシングル『逃げ水』での選抜発表で西野が言った「個人的に笑うことが増えてきた」というコメントだ。過去に「楽しいことより辛いことの方が多いんです」と泣いていた彼女とは別人の、晴れやかな満面の笑みを浮かべる西野がいた。センターが3期生の大園桃子と与田祐希へと受け継がれた瞬間でもあり、安堵という気持ちもあったのだろう。それはまるで、6thシングル『ガールズルール』で白石にセンターの役割が渡った時の生駒を見ているようでもあった。センターと大将、乃木坂46 1期生と二ツ坂高校 3年生。先輩から後輩に受け継がれるというところでも、乃木坂46と『あさひなぐ』の親和性は高い。

 感情が表に出にくくおとなしくも見える西野だが、その謙虚な姿勢には覚悟の精神が秘められている。西野が最後に単独センターを務めたのは2015年の『命は美しい』。彼女が再び単独センターに立つその時、西野の頼もしい成長した姿が見られるだろう。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

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