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13thアルバム『ぼくたち わたしたち』インタビュー

BUGY CRAXONE すずきゆきこが明かす、新作での挑戦とクアトロ公演リベンジへの思い

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「あのときの100パーセントの精度は低かった。それにバンドとして未完成だった」

ーーそして、作詞におけるすずきさんの作家性が良く出ているなと思ったのが、「さーてぃーないん ぶるーす」で。〈ホットケーキを1.7枚〉や〈アイスクリームを3口〉なんてフレーズ、普通思いつかないですよ。

すずき:自分ならではの特徴みたいなものは、正直よくわかってなくて(笑)。それがわかったら楽だなぁと思うんですけどね。この曲は聴いたときに、“不条理”とか“わがまま”がテーマになる曲だなって思ったんです。そのわがまま具合をどう表現するか? 「“1.7枚”って何枚なんだよ?」「“アイス3口”ってすごく迷惑な食べ方だよな」みたいな。……うーん、思いついたとしか言いようがないんですけどね(笑)。思いついたときは嬉しかったです、「やったぁー!!」って。

ーーまったく、“さーてぃーないん(39歳)”っぽくない内容がまた、いいですね。

すずき:39歳でこの甘ったるさ(笑)。

ーータイトルもひらがなで。

すずき:英語だと、サングラスかけてドライブに行きたくなっちゃうから(笑)。

ーー歌詞しかり、「ここはひらがな、ここはカタカナ」といった使い分けは、出来上がってからいろいろ考えるんですか?

すずき:トータルイメージですよね。「カタカナだとなんかピリッとしないなぁ」「ここはひらがなにすることによって抜けができていい」「ここは英語にすることで締まっていい」とか、常々考えますね。せっかくブックレットになったり、文字になるので、豊かにしておきたいんです。そのほうが歌ったときの気持ちも楽だし。

ーーすずきさんの歌詞って、聴いただけでは得られない視覚からの言葉の楽しみ方ができることも魅力だと思うんです。

すずき:是非CDを買っていただいて、ブックレットを手にしていただければ!

ーーそして、ライブDVDが付きますが、初回限定ではないところがライブバンドらしいところだなと。

すずき:否応なしで付いてます(笑)。ライブは一回こっきりのものだと思っていて。そのとき、その場にいた人たちのものだと思うんですよ。でも、来られない事情もあろう。だから「我々こんな調子なんだけど、みんなはどう?」って気持ちを込めてね。

ーー同じ下北沢SHELTERでのライブDVD『thankyou, I will scream here』(2004年)の、あの頃のすずきさんと見比べてみたり。

すずき:楽しそうに歌ってるんだけど、ときどきすごく殺気だった目になるのは変わらないなーって。ふふふ(笑)。

ーーそうそう、アルバムでも、すずきさんのボーカルが昔の歌い方になっていってるように感じたんです。

すずき:ああ、声が昔に戻っていってる、というのは自分でもわかります。ただ、昔は単純に声が小さかったんですよ。今は、より効率の良い響かせ方がわかってきた。バンドの中期くらいまで、とにかくがなる、力いっぱい歌うということに重きを置いていたので、一聴してバン! と出ているように聴こえるんだけど、実際ちゃんと鳴らせていないから届く範囲が狭いんですよね。ボールも力任せに思いっきり投げるんじゃなて、より遠くへ飛ばす投げ方があるように、歌にもあるんですよ。それをちゃんとやり直しています。そこをどんどん増幅させていく方向に身体を作っていけたらなと思ってます。

ーー11月には、ついに渋谷CLUB QUATTROでの『20周年ワンマン“100パーセント ナイス!”』を迎えます。“辛酸をなめた”という表現を用いている2000年2月の初ワンマンのリベンジであるわけですが、当時を知らないファンも多いと思います。今あらためて振り返ってみて、あのときの心境をお聞かせください。

すずき:『blanket』というアルバムがあって、最初のワンマンで。終わってホッとしたというのはあるけど、「こっからどんどん切り開いていくぞ」というより、なんだか「より戻しが来るかもしれない」という気持ちのほうが強かったんですよね。なんとなく身の丈にあってない、合いきれなかったところとか……。うん、清々しい気持ちではなかったです。デビューして最初のワンマンなんだから、もう少し晴れ晴れした気持ちになってもよかったんですけど。

ーー集客の面であったり、成功とは言えなかったかもしれないけど、暗がりの中歌い出す印象的なオープニングといい、鬼気迫る凄まじいライブでした。あのライブがあったからこそ、次のアルバム『歪んだ青と吐けない感情の底』(2000年)の、心の闇を映したような世界観ができたんだと思いますし。いろんな意味でBUGY CRAXONEというバンドの指針を決定付けたライブだったのではないかと。

すずき:うんうん、そう、そうなんですよ。あれがあったからああいう極端な2ndアルバムになった。

ーーそこにあったのはやはり「悔しさ」でしょうか?

すずき:どこか自分のものとして語りきれないところの悔しさ……。自分のものとしてやってなかったわけではないんですけど、あのときの100パーセントの精度は低かった。それに、バンドとして未完成だったとも思うんです。良い意味ではなく、悪い意味で。

ーー結成してすぐにコンテストでデビューが決まり、タイアップも決まって、という速度についていかれない部分もあったり?

すずき:でも、そもそもこのバンドって、ああいう出方をしないと続かなかったと思うんですよ。メジャーデビューが決まったこととか、そういう進路が見えたことで続いたバンドだった。結成して、あのタイミングでデビューが決まらなかったら散り散りバラバラになってたと思います。友だち同士で組んだバンドじゃないし、当時のリズム隊の歳上2人、三木(宏士/Dr)くんと工藤(慎也/Ba)さんから見たら私なんかひよっ子で甘ちゃんで、生意気な小娘だっただろうし。ただ、デビューというところに距離が近い、可能性がある、というところに興味を持ってくれていた。それはすごくいいことだったと思うんです。

ーー「音楽で食べていく」ことに対してモチベーションの高いメンバーが集まっていたわけですからね。

すずき:そこありきではじまっているバンドだから。同級生同士のバンドを見ていいなぁとは思いますけど、自分はそういうタイプではなかった。まぁ、いろいろありましたけど、何しろやめてはいないわけだし。まだこうして力を発揮したりできるわけだから。いい歩みをしているなぁとは思いますね。ならでは、というかね。ふふふ(笑)。

ーーそれを踏まえて、11月のクアトロワンマンはどんな気持ちで臨みますか?

すずき:これがゴールじゃないし、いい通過点になればいいなぁ。特別なことしなくとも、絶対に素晴らしい時間になる。ただ、きっと遠くから来てくれる人もいるだろうし、そこは大事にしたい。普段ライブハウスには行かないけど、「ブージー20周年だから行ってみよう」って来てくれる人もいると思うから。そういう人たちの気持ちは絶対無駄にしない。 

ーーいつも通りのライブをしっかりやると。

すずき:いつ通りやれば、絶対カッコいいはずだもん。ずっこけるときは大体、いつも通りじゃないことやろうとするとき。いつも通りやって、カッコよくないならやめちまえ! ってね(笑)。

(取材・文=冬将軍)

BUGY CRAXONE『ぼくたち わたしたち』

■リリース情報
『ぼくたち わたしたち』
発売日:2017年9月20日(水)
価格:¥3,241+税
<収録内容>
【CD】
01. ぼくたち わたしたち
02. 花冷え
03. さーてぃーないん ぶるーす
04. Balance
05. ばっくれソング
06. シャララ
07. ベッドの上でさ
08.ルンルンでいこう
09. フレッシュ
10. SAY SAY DO DO

【DVD】
『BUGY CRAXONE presents “COUNTERBLOW 029”』
01. たいにーたいにー
02. ロマンチスト
03. なんとなく Be happy
04. Come on
05. FAST
06. 悲しみの果て
07. ぶるぶるぶるー
08. Lesson 1
09. ベリナイス
10. dreamer
11. ブルーでイージー、そんでつよいよ 
en1. ぼくたち わたしたち
en2. I scream

■ライブ情報
『BUGY CRAXONE 20周年記念ワンマン “100パーセント ナイス!”』
日程:2017年11月19日(日)
会場:渋谷CLUB QUATTRO
開場16時30分 開演17時
チケット:前売 立見¥2,900(ドリンク代別)
当日 立見¥3,400(ドリンク代別)

■リリース記念イベント
9月21日(木)19時~ 
東京・渋谷 タワーレコード渋谷店
10月4日(水)19時~
北海道・札幌 タワーレコード札幌ピヴォ店

■関連リンク先
オフィシャルサイト
レーベルサイト

      

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