清 竜人TOWN、澤野弘之ボーカルプロジェクト、上原ひろみ……“セッション”が生み出す化学反応

渡辺満里奈『MY FAVOURITE POP』(通常盤)

 ソロデビュー30周年を記念した、本人セレクトによるベスト盤『MY FAVOURITE POP』。渡辺満里奈withおニャン子クラブ名義でリリースされたデビュー曲「深呼吸して」、80年代シティポップのテイストを反映させた2ndシングル曲「マリーナの夏」をはじめ、キャリアを代表する楽曲がコンパイルされている。大江千里、鈴木祥子、上田友華など個性的なクリエイターの手による楽曲も多いが、なかでも注目すべきは佐野元春の作詞・作曲、多羅尾伴内(大瀧詠一)によるノスタルジックなポップチューン(フィル・スペクターを想起させるサウンドメイクが絶品)「ダンスが終る前に」、そして、小沢健二が手がけた、アコギと歌によるネオアコ風ナンバー「夜と日時計」。80年代後半〜90年代前半のシーンにおけるもっとも良質なポップソングが楽しめる作品と言えるだろう。どこか少年っぽい雰囲気の、爽やかで真っ直ぐなボーカルも印象的だ。

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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