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D’ERLANGERがシーンに与えた影響は? トリビュート盤に見る“ジャンルで括れない”個性

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 今年で再結成から10周年を迎えたD’ERLANGERの、初のトリビュートアルバム『D’ERLANGER TRIBUTE ALBUM 〜Stairway to Heaven〜』が9月13日にリリースされた。約16年にもおよぶ解散期間があったものの、実は来年2018年にはkyo(Vo)、CIPHER(Gt)、SEELA(Ba)、Tetsu(Dr)という現在まで続くメンバーが揃ってまる30年という節目を迎える。そんなタイミングに改めて“トリビュート”されることに妙な縁を感じるが、まぁとにかく参加アーティストの豪華さに驚かされると同時に、その世代を超えた布陣にこのバンドが後世に与えてきた影響の強さを感じずにはいられない。

 D’ERLANGERの結成は1983年にまでさかのぼるが、現在のようなサウンドスタイルで知られるようになるのはkyoが加わった1988年以降。もっと言えば、翌1989年2月にインディーズから発表された1stアルバム『LA VIE EN ROSE』以降といって差し支えない。しかし、彼らは翌1990年1月にシングル『DARLIN’』、3月に2ndアルバム『BASILISK』をメジャーからリリースするものの、同年12月24日には解散を発表。つまり、実質2年という短くも濃厚な活動期間と同時期に発表された2枚のアルバムにより、現在まで神格化されるほどの存在になったのだ。

『D’ERLANGER TRIBUTE ALBUM 〜Stairway to Heaven〜』参加アーティスト

 本作参加アーティストの中でも、この時期の直撃世代なのがHYDE、清春、INORAN、TERU、HISASHIなどといった1990年代前半にメジャーデビューを果たし、その後脈々と続いていく“ヴィジュアル系”のベースを作ったアーティストたち。HYDEの歌う「LA VIE EN ROSE」や清春による「SADISTIC EMOTION」、INORANとTERU&HISASHIの豪華タッグが楽しめる「LULLABY」は、純粋に“憧れ”と“愛情”が強くにじみ出たド直球なカバーだ。しかもHYDEの「LA VIE EN ROSE」で演奏を担当するのはCIPHER、SEELA、TetsuというD’ERLANGERの面々。つまり、D’ERLANGERをバックにHYDEが歌うという、まさしく“夢の共演”が繰り広げられているのだから、古くから2組を知る世代には失禁モノのトラックではなかろうかと声を大にして言っておきたい。

 この世代よりもちょっとだけ下だけどあの頃のD’ERLANGERをリスナーとして楽しんでいた世代、あるいは完全なる後追いながらもD’ERLANGERというバンドの唯一無二の存在感に魅せられ音楽の道に進んだ世代も、本作には多数参加している。むしろ、こういった世代のカバーにこそD’ERLANGERが後世に与えた影響の偉大さを垣間見ることができるのではないだろうか。「DARLIN’」や「So…」といった代表曲を取り上げたPsycho le CemuにMERRY、「XXX for YOU」「dummy blue」「CRAZY4YOU」など再結成後の楽曲をピックアップしたlynch.、Angelo、MUCC、トリビュートアルバム参加やカバー曲発表の機会がごく稀なDIR EN GREY、そして本作参加アーティストの中ではもっとも若手のDEZERTと、それぞれヴィジュアル的にもサウンド、バンドのスタンス的にも個性がバラバラなバンドが並び、そこにD’ERLANGERというバンドの影響力の強さを感じずにはいられない。

 CIPHERの過去のインタビューでも明かされているが、そもそも初期のD’ERLANGERは彼やTetsuがローディーを務めていた44MAGNUMをはじめとするヘヴィメタルの影響下にあるバンドだった。それが80年代後半にBOØWYやBUCK-TICKといった(のちにビートロックなどと呼ばれるようになる)ロックバンドが市民権を得ると同時にD’ERLANGER自身もそのスタイルを徐々に変化させ、『LA VIE EN ROSE』でひとつの完成形に到達。この頃だったか、自身のスタイルを“SADISTICAL PUNK”と呼んでいたりもしたが、こういった「当時のジャンンルの括り方では分類が難しい」個性の確立が唯一無二のオリジナリティへとつながっていったことは間違いない。本人たちの意思とは別に、D’ERLANGERがヴィジュアル系のルーツ的存在として挙げられるのも、そのヴィジュアルイメージのみならず、メタルやパンク、J-ROCK黎明期バンドからの影響を反映させたサウンドの特異性が大きいのだと本作を聴いて再確認させられた。

      

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