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「テレビが伝える音楽」第3回:『バズリズム』プロデューサー・前田直敬氏

『バズリズム』プロデューサーが語る、音楽との“フラット”な向き合い方

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「最終的には自分のアンテナを信じるしかない」

ーーライブとテレビではパフォーマンスの演出も違ってくると思うのですが、演出のこだわりや、ライブとは変えていることはありますか?

前田:ディレクターの利根川(広毅)が主となって作る今の日テレの演出って、画面が暗いことを恐れてないんです。昔の音楽番組は、とにかく煌々とスタジオを照らして明るくするという傾向があったと思うんですけど、実際のライブは暗いですよね。『THE MUSIC DAY』も『ベストアーティスト』もそうですけど、今の日テレの音楽番組の画は、暗さがあるからこそ明るさが引き立つようになっているんです。それでメリハリが生まれる。美術チーム、カメラ、音声を含めて、今の日本テレビの音楽番組を作っているチームの能力やクオリティは抜きん出ている、と自信を持って言えます。

ーーそういったライブ感に加えて、日本テレビの音楽番組はお笑いやバラエティとうまくタッグを組んでいるような印象があります。

前田:遡っていくと『今夜は最高!』や『THE夜もヒッパレ』もそうですよね。たしかに日テレの場合、こだわりというか、なんとなくそういうDNAはあるかもしれません。そこに縛られているわけではないですが、例えば長時間の音楽番組を作る時、多くのアーティストの楽曲を新旧織り交ぜて、シンプルに繋ぐ方法も出来る。でも、視聴率で勝っていかなきゃいけないという大使命を考えた時に、今時それだけではダメだな、と。今年の『THE MUSIC DAY』で言うと、データ放送やスマホとの連動企画を行なったり、シンフォニーとコラボしてリッチな空間に見せたり。そうやってテレビとして、リアルタイムで観なきゃいけないという事件性をどれだけ盛り込めるかが大事だろうなと思っています。

ーー前田さんが『バズリズム』を通して、視聴者に伝えたいことはありますか?

前田:自分の場合は、前提として音楽が好きだからやっていて。日テレは音楽専門チャンネルではないので、音楽を特別好きではない人が音楽番組に関わることもあるだろうし、あって良いだろうし。サラリーマン的には音楽番組をやるのって、すごいリスキーなんですけど(笑)。それでもなぜやるかと言うと、僕自身音楽のおかげで喜怒哀楽をずいぶん揺さぶられているし、いつも思うんですけど仕事を通して泣けるって、なかなかないなと。番組を通して、観ている人の人生まで救うことは出来ないかもしれないけど、気を安らげたり、魂を震わせるようなことは出来るのかなと思っています。

ーーそういう熱い思いがあるからこそ、『バズリズム』は愛されているんでしょうね。

前田:番組自体にも厚みが出てきました。小沢健二さんが出演してくれたり、Corneliusさんが『バズリズム』だけに出てくれたり。ブッキングオファーをしているのは僕ですが、僕が凄いわけではなくて、バカリズムさんの看板を背負わせてもらっているからなんですよね。特にCorneliusさんが出演したことは、番組として長期的な目線で考えると大きな意味があり、大事なことでした。

ーーバカリズムさんはCorneliusさんとも普段どおり話していて、それを番組としても自然にサラッと見せていましたよね。ゲストによって扱い方が変わると視聴者は冷めてしまうこともありますが、『バズリズム』はどんなゲストに対してもフラットです。

前田:“フラット”というのは、自分の中でとても大きなテーマですね。当たり前ですけど、アーティスト本人の人気や知名度、事務所やレコード会社の大きさというのは違いはあるんですけど、それによって対応が変わるのは恥ずかしいというか。だからなるべくそうならないように気をつけていて。番組を1時間みっちり色々な出演者で埋めようと思うと、たぶん一瞬で埋まるんですよ。でもそこをグッとこらえて、今のこのタイミングだったらどういうラインナップにするのかという整理が必要で、そのためにもなるべくフラットにいないといけないな、と。

ーーフラットでいること、大切ですが、すごく難しいことだと思います。

前田:そうですね。話題になっているからといって、そこに今乗っかることが100%正しいのかな? と思う時もあるし、逆にまだ皆が気づいていないけど、すごく良いものがあったら出したい、と思うこともある。最終的には自分のアンテナを信じるしかないなと思って、自分が信じるものを積極的に発言しています。そこのアンテナがズレてきたら、自分はもう退けば良いなって。『LIVE MONSTER』時代にいち早く番組に出演してもらったback numberや、MAN WITH A MISSON、SEKAI NO OWARI……今はWANIMAもそうですが、自分が信じたアーティストや音楽が良い展開になっている。だからきちんと結果が出るうちは、自分のアンテナを信じて頑張らせてもらおうと思っています。

(取材・文=村上夏菜)

■番組情報
『バズリズム』(日本テレビ系)
毎週金曜24:30〜 ※各地域によって放送日時は異なる
MC:バカリズム、マギー

番組公式サイト
番組公式Twitter

      

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