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THE BLUE HEARTS アナログ盤インタビュー

小沢一敬が語る、THE BLUE HEARTSに憧れ続けた日々 「ブルーハーツが僕の人生を決定づけた」

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「マーシーはクールに見えて一番熱い男」

ーー2ndアルバム『YOUNG AND PRETTY』や3rdアルバム『TRAIN-TRAIN』を聴いた時の印象は?

小沢:『YOUNG AND PRETTY』が出た頃にブルーハーツのことを知って、『TRAIN-TRAIN』まではレコードで持ってます。アルバムとして一番好きなのは、『YOUNG AND PRETTY』かな。特に「ラインを越えて」が好き。マーシーの歌声が本当に最高で。あと「英雄にあこがれて」はスピードワゴンの出囃子で使ってました。「チューインガムをかみながら」の歌詞に<セックスへたでもいいだろ?>って一節があるんだけど、中学生の頃って“セックス”という単語だけでドキドキしてたから、給食時間に放送室に行って勝手にかけると教室の奴らが動揺するんです(笑)。まぁ、思春期特有の思い出ですね。

ーー青春時代を共に過ごしてきたんですね。

小沢:ただ、最初は『TRAIN-TRAIN』と『BUST WASTE HIP』の良さがわからなかった。今は大好きなんだけど、最初にピストルズを聴いた時も正直肩透かしだったというか……当時はブルーハーツやLaughin’Noseのような「ウォー!」ってなる音楽を聴いてたから、「ピストルズってこんなもんなの?」「なんだよ軽いな」って。それと同じで衝動的な頃のブルーハーツと比べると、『TRAIN-TRAIN』は肩透かしを食らった感じ。大人になっちゃったなーと当時は思ってたんですよ。でも「君たちはパンクだ」と言われた時のマーシーが、「俺たちはテッパンモッカーズだから」ってボケをよく言っていて、その意味をわかるようになってきてから、どっちの作品も大好きになりました。(※テッパンモッカーズ テッズ、モッズ、パンク、ロッカーズをあわせた造語)

ーー最初に挙げた「未来は僕等の手の中」も「ラインを越えて」も真島さんの曲です。甲本さんと真島さんで作詞と作曲にも特徴が出ますよね。

小沢:マーシーの書く詞は文学的ですよね。こういうのはあんまり言いたくないんだけど、高い山の頂上に凛と立っているのが僕の中のマーシーなのよ。すごく風の冷たい場所に薄着で立っていて、高いところから美しい世界を見渡している、みたいな。歌詞を読んでいても、ヒロトはいつもニコニコしているんだけど、マーシーはクールに見えるというか……マーシーは火で例えると青いところかなって。

小沢:火って、赤い部分より青い部分の方が温度が高いんですよ。一見冷たく見えるものの方が、実は熱いんじゃないかと僕は考えていて、ブルーハーツの中で一番熱いのもマーシーなんだろうなって勝手に思ってます。

ーー過去のインタビューでも、真島さんに憧れていることを話してましたね。

小沢:そうですね。マーシーの『夏のぬけがら』は生涯のベストです。僕は中卒なんですけど、15歳の頃にやることがなさすぎて、マーシーに弟子入りしようと思ったことがあって。マーシーの母校に電話をかけて「どこに住んでるんですか?」って住所を聞いたんですよ。さすがに教えてもらえなかったし、いま考えると本当に頭のおかしいやつだったと思います(笑)。

ーー趣味や生き方にも影響は受けましたか?

小沢:中学の頃はマーシーの好きなものは全部見ないとって思っていて、『ザ・ブルーハーツ 1000の証拠』というブルーハーツのことがなんでも載っている本で、マーシーの好きな小説や映画を調べてました。そこからアレン・ギンズバーグやジャック・ケルアックのようなビートニク文学を読むようになったし、星新一や筒井康隆を知ったのも、ロバート・デ・ニーロが出てる『ディア・ハンター』を観たのも全部マーシーの影響です。

「ブルーハーツが僕の人生を決定づけた」

ーー今の小沢さんを形成したのは、真島さんといっても良いくらいですね。

小沢:本当にブルーハーツが僕の人生を決定づけたなって。だって、ブルーハーツに出会ったおかげで、いまこうやって遊ぶように暮らしてるんだから。『ドブネズミの詩』っていう本でヒロトが、昼間からお酒を飲んでレコードをかけるような大人になりたいって書いてるんですけど、僕も徐々にそんな大人に近づいている気がします(笑)。

ーーどんな時にブルーハーツを聴きたくなりますか?

小沢:夏になれば「THE ROLLING MAN」が聴きたくなるし、嫌なことがあった時は「ネオンサイン」かな。「ネオンサイン」に<決して泣いてはいけないよ 友達に心配かけるから>っていうフレーズがあって、嫌なことがあっても今は泣いちゃダメだなって我慢することも。あと、「ながれもの」はお笑い芸人が全員好きですね。だって<おもしろい事を考えて みんなを楽しくさせたいな>っていう歌詞が芸人そのものだからね。でも、『THE BLUE HEARTS』と『YOUNG AND PRETTY』を聴けない時期もあって。若い頃と今は普通に聴けるんだけど、大人になりかけている時というか、ストレート過ぎる歌が照れくさい時期もあったんですよ。「こんなこと言ってられねーよな」って。

ーーなにか聴けるようになったきっかけがあったんですか?

小沢:20歳を過ぎた頃、東京に出てきて考え方が変わったんです。それまではずっとマーシーになりたかったんだけど、その時からマーシーが好きなヒロトになりたい、ヒロトみたいにいつもニコニコしていこうって。

ーーそれが今の小沢さんの芸人としてのキャラクターにも繋がってる?

小沢:それはわからないです。だって周りが自分のことをどういう風に見ているのかわからないから。そもそも仕事とプライベートを切り離して考えたくないんですよ。よく仕事とプライベートのオンオフがないねって言われるんですけど、仕事も遊びもその日の予定としか考えてない。こうやってインタビューを受けているのも友達と会う感覚に近いし、初めて会う人に緊張することもほとんどないです。緊張するのは新ネタをやる時だけかな(笑)。

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