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KEMURI 伊藤ふみおが語る“無料フェス”開催の意義、そしてスカパンクの現在地

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色んなところでスカパンクが鳴っていてくれると嬉しい

――アメリカで、スカパンク・シーンが今も息長く続いていられるのは何故だと思いますか?

伊藤:Reel Big FishやLess Than Jakeに限って言えば、やっぱり世界的に売れましたから。イギリスやヨーロッパでも未だにすごい人気があるんですよね。そしてツアーを真面目に、コンスタントに続けてきたっていうのが大きいと思う。年齢層も、全体的には高めではあるのですが、いわゆるキッズというか、若いファンも増えていますからね。ちゃんと新陳代謝も行われてきたのだろうと。シーンというか、ファンベースですよね。全てはバンドの努力なのだと思います。

――KEMURIも2015年に17年振りのUSツアーを敢行しましたが、日本のオーディエンス、海外のオーディエンスのリアクション違いはありますか?

伊藤:向こうのファンはもう、何をやっても踊るんじゃないか?というくらい、何やっても踊ってる(笑)。日本のお客さんは節度があるというか。バンドのメンバーが手を振れば振り返してくれるし、飛び跳ねれば一緒になって飛び跳ねてくれるけど。

――海外で受ける曲、日本で受ける曲の違いもあります?

伊藤:ある。結構、「そこくるか?」みたいなマニアックな曲をリクエストしてくるのが海外。例えば2ndアルバム『77 Days』の中に「セカンド・チャンス」という曲があって、もう随分やってない曲なんだけど、もうライブ中ずーっと「やってくれ!」って叫んでいたファンがいたよ。1人なんだけどね(笑)。あとやっぱり、<Roadrunner Records>時代にアメリカでリリースしていた曲を求められることが多いですね。ま、日本でもマニアックなリクエストされることはあるけど。

――今回、無料でライブを行うのには、スカパンクの裾野を広げるというか「より多くの人に聴いてもらいたい」という気持ちもありましたか?

伊藤:ああ、そういう気持ちはものすごくありました。例えば『京都大作戦』や『HAZIKETEMAZARE FESTIVAL』、『SATANIC CARNIVAL』など色んなフェスにKEMURIが出ると、たくさんの人が見に来てくれるんですが、単独公演に同じような数の人が来てくれるかと言えば、そうではない。昔からそうなんだけどね。フェスですごく盛り上がっても、そのまま単独につながらない。

――うーん、なるほど。

伊藤:解散〜再結成を経て、それまで応援してくれた人たちが変わらずファンでいてくれるのは本当に有難いと思っている。その上で、もっと色んな世代に広がってほしいんですよね。僕は、ずっと見たいと思っている景色があって。それは、KEMURIだけじゃなく色んなバンドのTシャツを着た人たちが、色んな楽しみ方をして、色んな年代、職業、肌の色をした女子や男子で会場がパンパンになって、熱気に満ちているというもの。今回、無料ライブをやってみることで、冷やかしでもいいのでフラッと見に来てくれる人がたくさんいれば、もっと裾野が広がるんじゃないかと思っているんです。

ーー聞けば誰でもすぐに楽しめる、そんなスカパンクの魅力はどこにあるのでしょうか。

伊藤:やっぱり「ビート感」じゃないですかね。スカって元々がジャマイカで生まれたダンスミュージックですから、オリジナルスカとはだいぶ違うし、ちょっとシャッフルビートが入っていたりするんですけど、裏打ちのリズムがとにかく気持ちいい。そこが魅力でしょうね。それと、心に直接訴えかけてくるようなホーンセクションのダイナミズム。さらに、みんなでシンガロング出来るような、シンプルでキャッチーなメロディと歌詞。そういうところがスカパンクの魅力なんじゃないかな。

――以前は「スカはスカ。スカパンクはスカパンク」みたいな住み分けがあったけど、今は驚くようなコラボや共演が、次々と実現していますよね。スカパラとKEMURIの共演もその一つですが。

伊藤:そうなんです。この間The Ska Flamesが新木場コーストに来てくれたのですが、僕らのファンにも大ウケだったんですよ。アンコールまでかかりましたからね。最高でしょう? もうビックリしちゃって。一緒にイベントをやってるスタッフ達と、「なんか、機は熟したんだね」ってしみじみしちゃいましたね。こんな景色、15年前では絶対に考えられなかった。正直、The Ska Flamesに来ていただいても、「俺らのファンはどんな反応になるんだろう」って個人的に少し心配してたところもあったのだけど、もう杞憂に終わりました。The Ska Flamesのみなさんにも大喜びしていただけたし。

――このタイミングでの『SKA BRAVO』は最適ですね。

伊藤:そう思います。こうやって、俺たちなりにスカの魅力を伝えていくことには、ちゃんと意義があると思っています。

――先ほど「機は熟した」とおっしゃっていましたが、それは何故だと思います?

伊藤:色んな場所で、色んな人たちが頑張ってきたから。僕も20年前は、「スカパンクはこうあるべきだ」とか、「こんなのはスカパンクじゃない」とか、そういうこだわりが強くて。まあもちろん、未だに少なからずあるんですけど、でも、ある意味では垣根も壊して来たつもりですし。今回のThe Ska Flamesとの共演も、その一つなんですよね。他にも、『SATANIC CARNIVAL』を主催している<PIZZA OF DEATH RECORDS>が、僕らをそこに呼んでくれるなど。スカパラともCMに出演したし、他にも異色の共演を沢山やった。もっともっと、色んなところでスカパンクが鳴っていてくれると嬉しいですけどね。

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