>  > androp×Creepy Nuts対談

androp『SOS! feat. Creepy Nuts』発売記念対談

androp×Creepy Nutsが語る、ジャンル越えたコラボの意義「普通だと思ってることが新鮮になる」

関連タグ
androp
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 2016年に自身のレーベル<image world>を立ち上げてアルバム『blue』をリリース、今年に入ると映画『君と100回目の恋』への楽曲提供やシングル『Prism』を発表し、全国ツアー『one-man live tour “angstrom 0.8 pm”』を回ったandrop。彼らが8月23日に、Creepy Nutsを迎えた最新シングル『SOS! feat. Creepy Nuts』をリリースする。

 ロックバンドとヒップホップユニットがジャンルを越えてタッグを組んだこの曲は、「夏好き」のandropと「夏嫌い」のCreepy Nutsという2つの立場を登場させることで、「すべては自分の気持ち次第」という普遍的なメッセージを表現したサマーチューン。『one-man live tour “angstrom 0.8 pm”』のセミファイナルとなる7月4日の恵比寿リキッドルーム公演にCreepy Nutsが飛び入りする形で初披露し、その世界観を拡張したユーモア満載のMVも話題となっている。今回はandropとCreepy Nutsのメンバー全員に集まってもらい、コラボレーションに至った経緯や楽曲に込められた様々なアイディア、そして「今の時代にジャンルを越えてアーティストがコラボレーションをする意義」について語ってもらった。(杉山仁)

「Creepy Nutsと一緒でなければこんな発想にはなっていなかった」(内澤)

――そもそも今回のコラボレーションは、どういうきっかけから始まったものだったんですか?

R-指定:実はCreepy NutsがCDをリリースする前、フリーライブを駅前でやっていたときに、前田くんが観に来てくれたんですよ。

前田恭介(Ba/以下、前田):僕はもともとR-指定を「UMB(ULTIMATE MC BATTLE:R-指定は史上初の三連覇を達成)でめっちゃ強いヤツ」という感じで認識していて。そこから「どんな曲をやっているのかな」と調べる中でCreepy Nutsを知って、家の近所でやっていたフリーライブに行ったんです。そのときに「CDも買おう」と物販に並んだんですよ。高校生がたくさん並んでいる中に、髭を生やしたおっさんがひとり……(笑)。それでCDを2枚買ったんです。

DJ松永:普通に物販に並んでくれたんですよ(笑)。当時はまだCD-Rでした。

――めちゃくちゃいい話ですね。

前田:そのときにちょっとお話して、一緒にご飯も食べに行くような仲になって。「いつか一緒にできたらいいね」という話はしていたんです。

佐藤拓也(Gt/以下、佐藤):andropのメンバーの間でも「いつか一緒にやりたいね」という話はずっとしていて、去年からタイミングが合えばと、具体的に話が進んでいました。

androp 内澤崇仁

内澤崇仁(Vo&Gt/以下、内澤):とはいえ、飲み会でもそうですけど、「いつか」と言ってもなかなか実現しないことって結構ありますよね。それが今回ちゃんと形になったのは本当によかったです。

――去年というと、andropが自分たちのレーベル<image world>を立ち上げた頃と重なりますね。それも今回のコラボが実現したことに関係があったと思いますか?

内澤:もともと僕らがレーベルを立ち上げたのは、もっと面白いことをしたい、これまでやっていないことにチャレンジしたいという気持ちが強かったからなんです。それに、聴いてくれる人に驚いてもらいたいという想いも強かったので、「Creepy Nutsと一緒にやりたい」というのは、そういう僕らの想いにすごく繋がっていることですね。

――そして今回の「SOS! feat. Creepy Nuts」が完成したわけですが、この曲はまず、「夏好き」と「夏嫌い」によるサマーチューンになっているところがとても面白いですね。

R-指定:最初の打ち合わせのときは「アホなことをやりたいよね」と言ってたんですけど、どういうものになるのかは全然見えてなくて。その中で「サマーソングを作りたい」という話が上がってきて、「いや、俺らは夏はちょっと……」となったんですよ(笑)。

DJ松永:そもそも、Creepy Nutsはサマーソングを作ったことがなかったしね。

R-指定:そうそう。それで、「僕らはあまり夏を楽しむような感じでもなかったんで……」と話したときに、「じゃあ『夏好き』と『夏嫌い』の両方の視点を入れればいいんじゃないか?」という話になって。ただ、「じゃあandropのみなさんは、夏はどうですか?」って聞いてみたら、最初は「いや、俺らもあまり……」って(笑)。

松永:ネアカな人間がひとりもいなかった(笑)。

――つまり、曲を面白くするためにお互いが「夏好き」「夏嫌い」を担当した、と。

R-指定:そうです。ただ、俺の場合は別に夏が嫌いというわけではなくて、浴衣でデートもしたいんですよ。だって、考えてみてくださいよ。夏が嫌いと言ったって、可愛い子に「夏祭り行こうよ」って言われたら、「お、おう……!」ってなるじゃないですか。

DJ松永:その楽しみを知ってるけど味わえないから嫌いだった、という話ですよね。楽しそうだけど、自分は味わえないから「ウンッ!!」みたいになる。

R-指定:(笑)。俺らが中学生ぐらいの頃で言うと、ORANGE RANGE、ケツメイシ、湘南乃風、RIP SLYMEのサマーソングが、「夏は楽しいぞ!」と伝えていて。「夏ってこんなにエロいんや」って、「ロコローション」のMVで思ったりしてました。そうやって「夏はエロいことができる」と信じ込まされたのに、「できへんやんけ! 話が違うぞ!」と。

DJ松永:うん、それはキレるよ。それは。

R-指定:(笑)。それで怒ってるんですよ、この曲の主人公は。

Creepy Nuts R-指定

――今回の「SOS! feat. Creepy Nuts」にも、「人によって様々な夏があって、何を選ぶかはその人次第だ」というメッセージが込められていると思いますが、このテーマも話し合いの中で出てきたものだったんですか?

佐藤:歌詞に関しては、内澤くんとRくん(R-指定)の2人が最初にメールでやりとりをしたんです。

R-指定:その中で、「夏で盛り上がる」側と「いや、夏はそんなに……」という側を対比するぐらいのイメージだったものに、内澤さんが「(S)サウンズ(O)オブ(S)サマー」みたいに「SOS」のイニシャルで遊ぶフレーズを入れてくれて。そこに僕が(夏を擬人化して)「夏が思い上がってる」という視点を加えました。あいつは自分がみんなに好かれてると思ってて「俺、到来!」みたいな感じでやってくるから、「それに対して文句を言いますね」とすり合わせていった感じです。

――「サウンズオブサマー」以外にも、「(S)サルで陽気なサウンズ(O)お腰振り(S)サマー」など、色んな歌詞が「SOS」とかかっていて、細部まで工夫されていますよね。

内澤:実は「SOS」という言葉自体にもともと意味はないらしくて、モールス信号で打ちやすいから「SOS」が広まったそうなんです。だったら、「SOS」は助けを求めるために使う言葉だけど、そこに真逆の意味をつけるのも面白んじゃないかと思ったんです。「サウンズオブサマー(=夏の音)」が「SOS」の略語になっていたら面白いな、と。そこから、他の部分も「SOS」ではじまる言葉で構成していきました。

――Creepy Nutsとのコラボだからこそ、韻を意識した部分もありましたか?

内澤;そうですね。歌詞も、冒頭でサンプリング(「ツァラトゥストラはかく語りき」)を使ったこともそうですけど、Creepy Nutsと一緒でなければこんな発想にはなっていなかったと思うので、それはすごく大きかったと思います。

「androp×Creepy Nutsが語る、ジャンル越えたコラボの意義「普通だと思ってることが新鮮になる」」のページです。>の最新ニュースで音楽シーンをもっと楽しく!「リアルサウンド」は、音楽とホンネで向き合う人たちのための、音楽・アーティスト情報、作品レビューの総合サイトです。

表示切替:スマートフォン版 | パソコン版