Mr.Children、西野カナ、MISIA、illion、銀杏BOYZ…各ジャンル代表するスターの新作に注目

 Mr.Children、西野カナ、MISIAなど、今週は人気アーティストのニューアイテムが一気にリリースされる。ガールズポップ、ロックバンド、R&B/ジャズ、さまざまなジャンルを代表するスターたちの注目すべき新作を紹介。

Mr.Children『himawari』

 映画『君の膵臓をたべたい』主題歌に起用されたMr.Childrenの新曲「himawari」は、感情の起伏をリアルに映し出すようなメロディを軸にしたミディアムナンバー。この楽曲のボトムを支えているのは、生々しさを増したバンドサウンドだ。2015年の『Mr.Children TOUR 2015 REFLECTION』、『Mr.Children Stadium Tour 2015 未完』、2016年の『Mr.Children Hall Tour 2016 虹』、2017年の『Mr.Children Hall Tour 2017 ヒカリノアトリエ』と、ここ数年、積極的なライブ活動を展開してきた4人。「himawari」の豊潤なグルーヴからは、様々なステージを通してギターバンドとしてのアイデンティティを再構築した彼らの現在地が力強く伝わってくる。もうひとつの新曲「忙しい僕ら」は、2015年11月の2マンツアーで披露されたナンバー。サウンドアレンジを担当しているのは、世武裕子。繊細かつ緻密なアレンジメントは、Mr.Childrenの音楽の新たな可能性を示唆している。

Mr.Children「himawari (Live ver.)」 MUSIC VIDEO (Short ver.)
西野カナ『Girls』

 8月から9月にかけて初のドームツアー『Kana Nishino Dome Tour 2017 "Many Thanks"』 (京セラドーム大阪/東京ドーム)公演を控えた西野カナのニューシングル『Girls』表題曲は<たまに人知れず泣いたりしても/自分で決めた道 諦めたりしない>というフレーズが心に残る“ガールズ応援歌”。デビュー以来、恋愛、友情などを軸にしながら、同姓に向けたエールを送り続けてきた西野カナの真骨頂とも言える楽曲に仕上がっている。作曲・編曲は「Best Friend」(2010年)、「会いたくて会いたくて」(2010年)といった初期の代表曲を手がけたGiorgio Cancemi。自らのアーティストイメージを決定づけたクリエイターと再びタッグを組んだことで彼女は“西野カナ”に求められていることを改めて実感したのではないだろうか? ひとつひとつの言葉に思いを込め、リスナーに手渡すようなボーカルも素晴らしい。

西野カナ 『Girls』MV&メイキング(ダイジェストVer.)
MISIA『MISIA SOUL JAZZ SESSION』

 世界のジャズシーンで活躍するトランぺッター・黒田卓也を迎えて制作されたMISIAのSoul Jazzアルバム『MISIA SOUL JAZZ SESSION』。昨年の『Blue Note Jazz Festival in Japan 2016』での共演をきっかけに実現した本作は“ロバート・グラスパー以降”の現行ジャズとリアルタイムで重なりながら、ソウルミュージック、J-POPのテイストを含ませた極めて高品質なボーカルアルバムに仕上がっている。「来るぞスリリング(feat.Raul Midon)」にはラウル・ミドン(シンガーソングライター/ギタリスト)、「運命loop(feat.Marcus Miller)」にはマーカス・ミラー(ソングライター/プロデューサー/ベーシスト)が参加。世界最高峰の演奏家による卓越したプレイとMISIAのソウルフルな歌声が生み出す有機的なケミストリーもこのアルバムの大きな魅力だ。急激な進化を続けるジャズとの邂逅は、MISIA自身にとっても重要なターニングポイントになりそうだ。

MISIA - MISIA SOUL JAZZ SESSION 楽曲試聴トレーラー 

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