FIRE BALLが語る、“レベルミュージック”の現在「生活の中にも歌うべきテーマはたくさんある」

FIRE BALLの“レベルミュージック”

「バンドマンに認められるのは自信になる」(スティッコ)

ーーFIRE BALLといえば、レゲエミュージシャンの代表として、数多くのロックフェスティバルにも出演しています。それも、レゲエを追求したからこそですよね。

リー:ロックシーンにないものを期待されているのは感じるし、俺らからしても、ロックシーンはものすごく刺激的ですよ。だからこそ、コラボが魅力的になるし。

ジュン:やっぱりフェスには色んなジャンルの人が来るから、一回一回が勝負ですよね。ジャンルが入り混じっている中で、いかにして爪痕を残すかが大事というか。一回コケたら、もう呼ばれないと思いますし。

クリス:このフェスはロック色が強いから、こういう風に攻めようとかも考えますね。俺も個人的にロックフェスが好きで、いろんなところに一人で行ったりしているんですけれど、そこで勉強になることも多いです。こういう感じがみんな好きなんだなとか、この現場をレゲエでロックするには、こういうバランスにしたほうが良いのかなとか。

リー:背伸びしすぎても絶対によくないし、向こうが僕らに求めていることに合わせすぎても駄目ですよね。そのバランスが難しい。

クリス:やっぱりちゃんと自分たちの音楽を伝えるのが大切だからね。どう伝えるかについては、噛み砕く必要があると思うけれど。

ジュン:やっぱりレゲエ代表としていくからには、レゲエの要素はしっかり残したいです。振り返ると、最初の頃は気負いすぎていた部分があったけれど、最近はレゲエをレペゼンしながらうまくまとめられているような気がしますね。

リー:現場でまったく知らないアーティストに衝撃を受けることもありますね。特に、ミュージシャンが自分でアクトを選出するような地方のフェスとかに行くと、自分たちがいかに狭い世界にいたのかを思い知らされたりします。そういう刺激を受けるのは大好きだし、そういうところに呼ばれるのも嬉しい。どのイベントも呼ばれれば嬉しいものだけれど。

スティッコ:バンドマンたちと話すのも刺激を受けますね。彼らは本当に良い耳を持っているし、レゲエ畑の人とは音楽に対しての感性も違うんだけれど、だからこそ彼らに認められるのが自信になるというか。「俺らがやってきた音楽は間違いないんだな。ちゃんと伝わるんだな」って。

リー:まあ、悔しさも味わうけどね。ないものねだりになっちゃうけれど、ロックフェスのあの熱狂ぶりは、俺らのライブではできないから。ただただ「すげーな」って思う。

スティッコ:単純にスタイルの違いだったりするけれど、あそこまで爆発させられるのはやっぱりすごいよ。

ーーレゲエに限らず、ブラックミュージック特有のシャッフル感のあるノリは、ノリにくいと感じる人も少なくないでしょうし、大規模なフェスになるほど、その傾向は強いのかもしれません。そうしたノリを伝える難しさを感じたりは?

リー:でも、そのお客さんの戸惑いを観たときに、逆に嬉しさを感じるかな。「こういうの新鮮でしょ?」みたいな気持ちで。俺らの場合だったら、そこからスカの方向に持って行ったり、さらにレゲエのグルーヴに振り切ったりして、いろいろ試せるしね。それに、ロックフェスのお客さんは、バンドの見方が違うのも面白い。レゲエの現場だと、バックバンドはあくまでバックバンドで、お客さんはフロントマンに注目しているんだけれど、ロックフェスのお客さんはバンドを見る目が肥えているから、バックバンドもしっかり注目されるんです。一緒にやっているHOME GROWNのメンバーは、いつもよりすごく見られている感じがするって言っています。バンドのグルーヴを捕まえようとしてくれるのが、すごく嬉しいって。お客さんにとっても、発見があるライブになっているんじゃないかな。バンドの人たちも、レゲエを聴くとすごくグルーヴが学べるって言ってくれます。

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