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デビューアルバム『集団行動』インタビュー

集団行動・真部脩一が語る、“Jポップの王道”を目指す理由「僕にとってはこれがスタンダード」 

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 齋藤里菜(Vo)、真部脩一(Gt)、西浦謙助(Dr)による集団行動が、6月28日にデビューアルバム『集団行動』をリリースした。集団行動は、相対性理論のコンポーザーでもあった真部脩一が立ち上げた新バンド。真部が“王道ポップスを作る”と宣言し、活躍の場をメジャーシーンに広げようとするプロジェクトである。今回リアルサウンドでは、前回(「真部脩一が考える、“相対性理論”以降のポップミュージック「やり残したことがあると感じている」)に続き、真部脩一にインタビューを行なった。一口に王道ポップスといっても、真部の構想する音楽は、Jポップの定型的なスタイルとは異なっている。相対性理論からの脱退以降、Vampilliaなどでギタリストとしての才能も発揮してきた真部は、2017年の今、ギターサウンドを軸に据えた新しい音楽を世に問おうとしているように見える。インタビューでは、音楽におけるスタンダードとは何か?という話から、彼自身の意外性のある音楽的バックボーンにまで話は及んだ。(編集部)

 自分がスタンダードだと思うものがどういうふうに扱われるか

ーー前回は2015年9月、真部さんのミュージシャンとして、クリエイターとしてのスタンスを聞くインタビューでした(参考:真部脩一が考える、“相対性理論”以降のポップミュージック「やり残したことがあると感じている」)。そのとき語っていた「やり残したことがある」という話も踏まえ、集団行動について聞いていきたいと思うのですが、前回のインタビュー時点で、すでに準備が始まっていたということですね?

真部脩一(以下、真部):そうですね。ただ、その時点ではボーカルは決まっていなくて、いろいろな人と会う機会が増え、自分自身、いろんなことを面白がれるようになってきたところで。「これでメンバーがフィックスできるんじゃないか」というタイミングでインタビューしていただいて、たぶん、そこから半年しないうちに齋藤(里菜)に会ったと思います。

ーーなるほど。ドラムスの西浦(謙助)さんは決まっていました?

真部:正直なところ、西浦さんは決まっていたというより、自然に一緒にやるようになっていた、という感じです。デモ制作で叩いてもらっていたし、「バンドにしたい」という思いが強くなっていったなかで、「この人は一番、バンドメンバーらしい人かもしれないな」と。

ーー齋藤さんのボーカル、とてもいいですね。真部さんが求める「再現性のあるポップミュージック」という部分に合っているのもそうですが、想像していたよりもバンド感、生っぽさがあるサウンドです。

真部:そうですね。再現性という意味では、僕は本当にスタンダードがやりたいんです。要するに「1001」(センイチ。ジャズのスタンダード曲集)や「リアル・ブック 」(有名曲のセッション用譜面をまとめた書籍)に入っているような曲を書きたいし、教科書的に扱われるようなボーカルとやりたい、というのがずっとあって。わりとフレキシブルにいろんな方向性に振れて、どういう歌い方をしても、ある程度聴こえ方が同じになるボーカリストが好きなんですね。要するに、カバーされたとき、オリジナルを聴き返すとすごいサラッとしているけど、「これが一番好きだな」と思われるような。ダイアナ・ロス的な感じですね(笑)。

ーーなるほど。普遍的なものですね。

真部:そうなんです。普遍的なものとして扱われるものが好きで、自分の音楽もそうであってほしい。そういうフォーマットがあるからこそ、自分の趣味だったり、感覚だったりが浮き彫りになる瞬間があって、それがけっこう好きなんですよ。
 相対性理論をやっていたときは、ニッチなものとして扱われることに「それはそうだろうな」とは思いつつも、自分のなかでは不本意な部分もあって。今回は“王道”という旗を掲げることで、自分がスタンダードだと思うものがどういうふうに扱われるか、ということにすごく興味がありました。それに、相対性理論は実験的なバンドだと思われていましたが、わりと苦肉の策がうまくいっていた部分も大きかったんです。例えば、歪んだギターを使うのが得意じゃないから、ギタリストが得意だったUKロックを研究したり、ボーカルがちゃんと聴こえるようにドラムサウンドを抑制したり。それらすべてを必ずしもポジティブにやっていたわけではなかったので、今回のほうが逆にポジティブな気持ちで臨める土壌ではありますね。

ーー苦肉の策ではなく、やりたいことがそのままできる。

真部:そうですね。その良し悪しを自分で知りたい、というところがありました。特に今回はファーストアルバムということで、自分が王道だと思って投げ込んだものが、どこまで自分の芸風として回収できて、どこまでが余計なものなのか。そういうなかで、バランスがいいアルバムになったなという感覚です。


ーー王道、スタンダードを目指すなかで、おっしゃったように個人のニュアンスが出ていますね。例えば、ギターには相当出ている(笑)。

真部:けっこう出ていますよね(笑)。

ーー「バックシート・フェアウェル」という曲ではギターソロを弾きまくっていて、最初はびっくりしました。

真部:意外に思われることが多いんですけど、僕は趣味としてアメリカンロックがすごく好きなんです。中学のときに聴き狂っていたのがパール・ジャムだったりして。だから、わりと苦肉の策で、実験的にできあがった自分の土壌と、自分の好きなものが、少し対立的になっていたんですよね(笑)。自分の得意なものと、自分の好きなものが乖離しているのが、ひとつの面白さではあって。今回はそれをどこまで接近させられるか、というチャレンジでもあります。

ーーパール・ジャム、確かに。ギターもちょっと男くさいというか、ハードな印象でした。

真部:ブルージーで(笑)。あとはプリンスとか、ショービズとしてのアメリカンロックが好みなんですよね。それをどこまで自分の音楽に落とし込んでいいのか、というのは純粋に僕の興味です。だから今回のアルバムは、わりと趣味性が強いというか、自分を投影している感覚があります。

集団行動 – バックシート・フェアウェル

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