indigo la Endはより有機的な“音楽集団”へ 新曲も披露した『Play Back End Roll』を観て

indigo la Endはより有機的な“音楽集団”へ

長田カーティス

 この日のライブを見て感じたのは、サポートメンバーも含めた今のindigo la Endは、6人それぞれが卓越したスキルとクリエイティビティで互いを刺激しあい、バンドの中に新鮮な風が吹き続けることで、よい循環が生まれている、ということだ。ササミオとえつこという二人の女性コーラスが活かされ、川谷もまた、ファルセットで歌う楽曲も多くなったように思う。それはひとつの楽器が増えたことと同じくらいに、楽曲に豊かな広がりをもたらしている。そのステージングからは、バンドという枠もこえ、川谷を中心とした“音楽集団”としての存在感を発揮しているようにも見えた。

 『藍色ミュージック』以来、約1年ぶりのアルバムとなる『Crying End Roll』。川谷はこの日のライブのMCで「今後のindigo la Endの広がりを想像できる作品」「『Crying End Roll』だけで最高傑作とは言えなくて、次の作品、その次の作品につながる大事な作品になっています」と話した。ファンクやR&Bなど、ブラックミュージックの要素も感じられた『藍色ミュージック』を経て、indigo la Endはこれからどこへ向かおうとしているのだろうか。新作の全貌、そしてこのバンドの今後の可能性への期待を高まらせてくれるライブであった。

(取材・文=若田悠希/撮影=浜野カズシ)

■セットリスト
indigo la End『Play Back End Roll』
2017年6月23日(金)EX THEATER ROPPONGI
01. 渇き
02. 瞳に映らない
03. 悲しくなる前に
04. ハートの大きさ
05. ココロネ
06. ダンスが続けば
07. 見せかけのラブソング
08. 夏夜のマジック
09. プレイバック
10. 実験前
11. eye
12. 彼女の相談
13. インディゴラブストーリー
14. 雫に恋して
15. 藍色好きさ
16. 想いきり
17. 夜明けの街でサヨナラを
18. 心ふたつ
(Encore)
19. 鐘泣く命
20. 渚にて幻(long ver.)

indigo la Endオフィシャルサイト

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