EXILE AKIRAが振り返る、10年間の歩みと躍進の理由「迷いのない自信は最強のエナジー」

EXILE AKIRAが振り返る10年間の歩み

精神や想いは次の世代に伝えていくことができる

『THE MAN OF EXILE AKIRA 2006-2016』

ーーEXILE TRIBEにとって転機となった年についてもお訊きします。2009年のEXILE第3章の幕開けで、一気に7人増員したことについて、AKIRAさんはどう捉えていますか?

AKIRA:今振り返ると、あの決断が今のEXILE TRIBEの体制に繋がっていったんだと考えています。人数を倍にしたのは、より広い会場でファンの方々にパフォーマンスを届けるために必要なことで、メンバー全員で決断したことでしたが、それと同じくらい、常に変革していく姿勢を示したのが重要でした。HIROさんが当時、どこまでビジョンを抱いていたのかはわかりませんが、きっとメンバーそれぞれが、いずれは今のように責任を持った立場として、次の時代のアーティストを引っ張るようになると信頼してくれていたのだと思います。

ーーそこからEXILE TRIBEが、一代で終わらないエンタテインメント集団になっていった、と。

AKIRA:メンバー同士でも話し合っているんですけれど、形あるものに永遠はありませんが、その精神や想いは次の世代に伝えていくことができますから。想いを継承することで、それが想像を超える形で花開くことだってありますし、その姿を見て、また新たに夢を抱く子たちもいる。それこそがEXILE TRIBEのエンタテインメントの本質であり、多くのファンに楽しんでもらえているポイントなんだと思います。

ーーパフォーマーにとっての次のキャリアを示したことも、EXILE TRIBEがエンタテインメント業界に示した重要なポイントだと感じています。

AKIRA:PKCZ©で活躍するMAKIDAIさん、DANCE EARTH PARTYで活躍するÜSAさん、俳優として活躍するMATSUさん、皆さんそれぞれが次のステージを見つけていますね。先輩方がパフォーマーの次の段階を示してくれたことで、僕らも安心してこれからのことを考えられるようになったのは確かです。人を楽しませることであれば、どんなことでもエンタテインメントだし、僕自身も、ダンススクールのEXPGに携わらせていただいております。パフォーマンスだけではなく、その経験を活かし、自分たちができることで社会貢献していくことが、僕ら世代の責任でもあると考えています。

ーーEXPGは世界展開もしていて、先日ニューヨーク校で行われたイベント「HOUSE OF EXILE」には、現地の名だたるラッパーやパフォーマーが出演していて驚きました。

AKIRA:バスタ・ライムスやモブ・ディープなど、僕らが青春時代に憧れていたスーパースターが、EXILEの名を冠したイベントに集まって楽しんでくれているのは、本当に夢みたいです。EXPGは、僕が最初に携わっていた時は東京と宮崎の2校で、東京校では200人くらいの生徒数でしたが、いまや日本に7校あって、ニューヨーク校に続き、今後はLAと上海にも開校する予定です。そういう拡がりもまた非常に嬉しいことです。

ーーEXILE TRIBEがここまで躍進することができたのは、なぜだと思いますか?

AKIRA:“信じる力”の強さだと思います。目的と目標を立てて、そこに一丸となって突き進んで、根拠はなくても、その迷いのない自信ってすごく大切で、それは最強のエナジーだと思うんです。ただ、それは自分一人で抱いていても継続するのは難しくて、仲間がいるからこそ、お互いに切磋琢磨できるんですよね。それこそ“for EXILE”の精神ですよ。

ーー本書には、周囲の方から見たAKIRAさんの印象も記されていて、中でもMATSUさんが「馬やマグロのようなパワーがある」と評していたのが面白かったです。

AKIRA:まったくMATSUさんの言う通りではあります(笑)。今回はオリジナルメンバーの5人の方に、僕の印象を包み隠さず話していただいたんですけれど、その分、普段の僕らのノリが出ていますね。やんちゃで、たしかに僕は勢いで進撃しているところがありますね(笑)。本当に未熟なところが多くて、誰よりもEXILEに迷惑をかけてきたのが僕だと思います。でも、EXILEに対する愛情は誰よりも強かったと思うし、だからこそ、すごく可愛がってもらえたのかなと。本当に、先輩方には頭が上がりません。たとえどんなにスターになっても、先輩方の皿洗いは絶対にやりますし(笑)、そういう関係であり続けたいです。

ーーそういった関係性が込められていることも含めて、本書はEXILE TRIBEの記念アルバムとして興味深い内容ですね。

AKIRA:良い意味で区切りとなるアルバムになったと思います。この本を見返すことによって、僕自身が初心に返ることができますし、それはメンバーたちも感じているのではないかと。10年後も今の『THE MAN OF EXILE AKIRA』を超える本を作りたいですし、ほかのメンバーの視点からのアルバムも作りたいですね。たくさん作って、ズラっと並べたらかっこいいですよね。何年後になるかわからないですが、また本を作ったときに、同じようにメンバーたちと笑いあえるよう、これから10年、20年と頑張っていきたいです。

(取材・文=松田広宣)

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