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『ディスコサイケデリカ』リリースインタビュー

ゆるめるモ!、4人の意思が強く反映された自信作を語る 「歌いたいことが明確になってきた」

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 ゆるめるモ!のミニアルバム『ディスコサイケデリカ』は、どこからどう見てもPrimal Screamの『Screamadelica』を連想させるジャケットに目を奪われるが、実際に聴いてみると彼女たちの作品の中でももっとも生々しい1枚だ。葛藤と傷跡を抱えたうえで現在ここにいるのだ、と叫ぶかのように。

 大森靖子、ハヤシヒロユキ(POLYSICS)、Sundayカミデ(ワンダフルボーイズ/天才バンド)が『ディスコサイケデリカ』には楽曲を提供。また、小林愛、ハシダカズマ(箱庭の室内楽) 、松坂康司、M87、プロデューサーの田家大知といった初期からの作家陣の楽曲も収録されている。そのどちらでも、歌詞の言葉の強度の高さに驚かされた。メンバーに話を聞いてみると、実はゆるめるモ!自身が制作段階から深く関わっていたというのだ。

 現在の4人体制になってから約1年が経過したゆるめるモ!。4人でステージに立ってきた経験が色濃く投影されたミニアルバムが『ディスコサイケデリカ』だ。アイドルシーンを特段に意識していないのではないかと思うほどであり、むしろJ-POPシーンにおけるゆるめるモ!という存在の特異性が際立つ作品に仕上がっている。

 『ディスコサイケデリカ』での変化を生みだしたのは、ゆるめるモ!自身にほかならない。メンバーのけちょん、しふぉん、ようなぴ、あの、プロデューサーの田家大知に話を聞いた。(宗像明将)

 「覚悟とか決断力とか人それぞれ瞬間瞬間大事だけど、理想とか正直ない」(あの)

ーー2016年7月に4人体制になってから約1年が経ちましたが、今回の『ディスコサイケデリカ』までの日々は、みなさんにとってどんなものだったでしょうか?

 ようなぴ:山あり谷ありでした。4人になってから、自分たちでセットリストを組みだして、前回のシングル(2017年3月の『孤独と逆襲EP』)から制作に意見を出していって、ツアーのグッズも考えて。新しい挑戦を4人でやってきて、初めて見えてきた部分もあって、その全部が完全に良かったわけではないけど、新しい景色が見えるようになって、ゆるめるモ!がミニアルバムでできることも見えてきました。

しふぉん:いい意味でみんな責任感が生まれました。4人で「ゆるめるモ!」になるのに時間がかかって、そこにたどりつくまでに意見をお互いに言えるようになってきたし、より良いものを作るために「意味」を考えるようになりました。4人になってさらに良くなったと思います。

あの:周りから見えるものは変わった部分は多いと思います。

けちょん:あっという間の1年だったなと(笑)。4人になってから視野が広がりました。今までとは違う世界を見て、自分たちでセットリストや曲も「こんなのがいい」「こう伝えたい」と考えるようになりました。

ーーメンバーの意見が楽曲に反映されるようになったんですか?

ようなぴ:歌詞を書いてもらう前に、自分たちでイメージを考えて愛さん(小林愛。ゆるめるモ!の初期から作詞を担当)に伝えるようになりました。

ーー小林愛さんは、以前は作詞家としてメンバーと深く関わりすぎないようにしていると言っていただけに大きな変化ですね。

ようなぴ:愛さんに歌詞をもらった後に、どういう意味なのか話を聞く機会を持ったりしています。4人になってからスタイルが変わりました。

田家:大森さんやカミデさんとも打ち合わせをしました。

ーー最近はアーティスト写真も全然アイドルっぽくないですが、これもメンバーの意向が反映されているのでしょうか?

田家:完全にメンバー発信ですね。

ようなぴ:『孤独と逆襲EP』のときはほぼメンバーの意見です。今回は田家さんのアイデアからメンバーが選んでます。

ーーそして『ディスコサイケデリカ』は、心なしかジャケットがPrimal Screamの『Screamadelica』に似ている気がしますが、聴いたことはありましたか?

ようなぴ:存在は知ってるけど、しっかりと聴いたことはないです。

けちょん:(黙って首を振る)

しふぉん:ないです。

あの:しっかりと聴いたことないです。

田家:参考音源としては送ってます。

ーー昔は参考音源は送っていましたか?

田家:送らないことが多かったですね。

ーーそこも変わったところなんですね。ハシダカズマさん作編曲の「melted」で始まって、続く「モイモイ」は小林愛さん作詞、ハシダカズマさん作編曲です。「モイモイ」は歌詞を読むと<もういい もういい>という意味なんですね。<もういい もういい 魂売りたくない>という歌詞を受け取ってどう感じましたか? アイドルが<魂売りたくない>って、すごい歌詞だなと。

ようなぴ:『孤独と逆襲EP』のとき、メンバーは神経も精神も突きつめてやってて、そのツアー(2017年の『孤独と逆襲〜てえへんだ!底辺だ〜ツアー』)でも、そのときの自分たちをシンプルに打ち出したんです。それがあったからこその歌詞ですね。

しふぉん:4人になってから歌いたいことが明確になってきたんです。自分たちの気持ちが乗らないと、絶対に人に伝わらないとわかったんです。前は受動的だったけど、今は「こうしてください」と愛さんに話してます。私たちに歌詞を書くセンスはないけど、愛さんは私たちを見てくれてて、愛さんの言葉で歌詞にしてくれます。

けちょん:<魂売りたくない>とか言葉が新鮮で「残るな」と思って。ゆるめるモ!だからポップに歌えると思ったし、本当はみんなもこういう気持ちを持ってたりするんだろうなと思いました。

ーーあのさんも愛さんと話しましたか?

あの:歌詞を書いてもらう前に伝えました。「モイモイ」は、最初に歌詞がないときに聴いたときの情景、光景が歌詞に乗ったらいいなと思ったのを、愛さんならではの言葉にしてくれて。「こうしたい」と思った理想がそのまま「モイモイ」になったから、伝えて良かったな。

ーー<もういい もういい あなたも 覚悟とか理想とか 無理に言わないでいいのよ>という歌詞も尖っていると感じました。このインタビューもそうですが、アイドルって、覚悟や理想を言うことを求められるじゃないですか。覚悟や理想を求められることへのアンチテーゼもありますか?

ようなぴ:あります(笑)。ツアー(前述の『孤独と逆襲〜てえへんだ!底辺だ〜ツアー』)のあたりで「理想とか覚悟とかを提示しないといけない」という気持ちになってたなと。それはいいことだとも思うけど、違和感を覚えて今に至る感じです。

ーーあのさんはこの歌詞に共感しましたか?

あの:はい。覚悟とか決断力とか、ぼくは大事だと思ってるし瞬間瞬間大事だけど、理想とか正直ないし、それを聞いてくるインタビュアーさんとか嫌です(笑)。それに答えられる人もいると思うけど、無理に決めることでもないと思うから。「諦めちゃダメ」とか世の中では言うけど、諦めてもいいと思うし、「諦めてもいいんだよ」と言ってもらいたい自分もきっとどこかにたまにいて。でも、そうは絶対言われないし。だから同じように感じてる人がいたら、肯定してあげられる人がいたらいいなと思いました。諦めなよじゃなくて諦めてもいいんだよって。「ダメ人間」とか自分を否定的に考える人もいるけど、「今はもういいじゃん、どうせ明日はやってきてしまうし、それか死ぬ。だから諦めようぜ」って。あと、「モイモイ」の音だけ聴いてるときに電車でサラリーマンが疲れ果てて、降りるところが一緒だからしばらくずっとついてったんです。MVを見てる気分になっちゃって。そしたら電話でへこへこ誰かに謝ってて、しょうもなって思ったけどそれが全てだったりするんだろうなって。絶対にサラリーマンに元気あげたくなっちゃいました。

ーーけちょんさんはいかがでしょうか?

けちょん:すごくホッとしました。理想と覚悟を言わなきゃいけないときが世の中は多いけど(笑)、無難な言葉を並べてしまう気がするから。「なんかあったほうがいいんだろうな」と思ったけど、文章になって伝えたときにありきたりな言葉を並べてしまうというか(笑)。

ーー4人体制になった直後にインタビューで覚悟を語ってもらったのが私なので、最大の戦犯の気がしてきました……。

ようなぴ:そんなことはないです(笑)。

ーーしふぉんさんはいかがですか?

しふぉん:ゆるめるモ!というグループとして歌うのにすごくいい曲だと思います。サラリーマンも電車でほとんど疲れてて、きっと理想とか押しつけられてて潰されてるけど、「この曲が流れてる間は踊っていいじゃん!」って思うんです。理想や覚悟があるならいいけど、無理に言わなくていいと思ってて、ゆるめるモ!としてベストな言葉を愛さんが書いてくれました。

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